未来の「豊かさ」を共創するインキュベーションプラットフォーム「D-0.」、初のDemo Dayを開催

2025/12/04

コーポレートR&D組織であるD-LABと株式会社リバネスが共同で運営するインキュベーションプラットフォーム「D-0.(ディーゼロ)」において、2025年11月14日に「D-0. Demo Day 2025」を日本とシンガポールの2拠点で同時開催いたしました。

■ D-0.とは:未来の豊かさを形作る「ベンチャー」を起こすプラットフォーム

「D-0.」とは、未来の豊かさを形づくる事業の「種」を発掘し、育てるためのプラットフォームです。JTのD-LABと、長年のパートナーである株式会社リバネスが、それぞれの強みを掛け合わせて立ち上げました。

最大の特徴は、その「出発点」にあります。多くのプログラムが、すでにある事業アイデア、つまり「WHAT(何をするか)」から始まるのに対し、D-0.は、参加者一人ひとりの心の中にある根源的な「問い」や「情熱」、つまり「WHY(なぜそれを成し遂げたいのか)」からすべてを始めます。また、本プログラムのゴールは、短期的に成功するスタートアップを輩出することではなく、未来の文化や産業そのものを創る、「ベンチャー」を創出することです。

■ Demo Dayのハイライト:国境を越えて交わされた「問い」と「情熱」

当日は、約3ヶ月のプログラムを経て、自らの「問い」を磨き上げてきた日本・シンガポール両国のファイナリスト12名が登壇。ウェルネス、サステナビリティ、食、コミュニケーションといった多様な分野で、自身の経験や深い探求心から生まれた、未来への力強いビジョンを発表しました。

会場には、事業会社、大学・研究機関、政府関係者、メディア、起業家、学生など、日本・シンガポール合わせて約70名が集結。登壇者の熱いプレゼンテーションに対し、単なる質疑応答に留まらない、事業を共に創るための真剣な「対話」が数多く生まれ、会場は終始、化学反応を楽しむような熱気に包まれました。

■ 結果:「対話」から生まれた、次のステージに進む挑戦者たち

コメンテーターとの真剣な対話を経て、特にその「問い」の深さ、この3ヶ月間での「変容」、そして未来を「共創」する可能性を高く評価された7チームが、次のステージへと進むことになりました。

【最優秀賞】
Yukino Ota 氏:
自己効力感をエンパワーする、ハンズフリーモビリティの開発

【優秀賞】(順不同)
David Kho 氏:
失われゆく食文化を未来に継承する、全自動AIキッチンの開発
Kotaro Hayashi 氏:
人と機械の新たな関係性を築く、「心を動かす」インタラクションデザイン
Sho Chen 氏:
自身の壮絶な闘病経験から生まれた、誰もが安心して摂れる栄養食の開発

【特別賞】
JT賞: Yuki Tsuji 氏:
個人の美しさを解放する、データと感性のエコシステム
リバネス賞(日本): Hayato Endo 氏: ミミズで地下世界を可視化し、地球規模の課題解決に挑む
リバネス賞(シンガポール): Kennard Xu 氏:
「美味しさ」でプラントベースフードの当たり前を変える

選ばれた7チームには、活動支援金(最優秀賞・優秀賞:50万円、特別賞:10万円)が授与されると共に、今後約半年間にわたり、D-LABとリバネスの専門家による伴走支援や、グローカリンクを通じた初期投資の検討など、事業化に向けた包括的なサポートが提供されます。

■ 今後の展望:「知」と「情熱」が循環するエコシステムへ

Demo Dayは、一つの節目に過ぎません。D-0.は、ここから生まれる「知見」「人財」「事業」の3つの「循環」によって、自己進化していくエコシステムを目指します。

今回のプログラムで得た「知見」は、来年のプログラムをさらに進化させます。今年の挑戦者たちは、未来の参加者を導く「メンター(人財)」となります。そして、ここから生まれた「事業」は、互いに連携し、JTやリバネスのアセットとも繋がることで、単独では成し得ない大きな価値を創造していきます。

D-LABは、このエコシステムから生まれた「事業の種」を、JTグループの未来を担う大きな木へと育てるべく、今後もリバネス社および全ての共創パートナーと共に、この挑戦を続けてまいります。

【関連リンク】

■ D-LABとは

2020年に組織化されたJTのコーポレートR&D組織。「D-LAB=Delightful Moment - Laboratory」の意。JTG Purpose「心の豊かさを、もっと。」の具現化に向け、 長期視点で、JTグループのまだ見ぬ「心の豊かさ」を研究・探索・創造する。活動は「心の豊かさ」を提供価値の起点としており、トライアル・アンド・エラーを繰り返しながら常に約100件以上のプロジェクトを進めています。