D-LAB通信 Highlights|2026年7月号
2026/08/26
D-LABは、「心の豊かさ」を起点に、まだ見ぬ価値を研究・探索・創造するJTグループのコーポレートR&D組織です。社会との接点をさらに広げながら、多様なパートナーとの共創や新たな体験の創出を通じて、「心の豊かさ」の可能性を探究してきました。本レポートでは、2026年前期の主な取り組みをご紹介します。

1.「COLDRAW」が世界的評価を獲得


2026年1月、COLDRAWは、世界最大級のテクノロジー見本市「CES 2026」(米国・ラスベガス)に出展し、独自の抽出技術による新たな飲料体験を世界に向けて発信しました。会場では、植物素材から引き出した香り・色・味わいを持つ抽出液「ネイチャーカクテル」の試飲を実施し、そのコンセプトが高い評価を獲得しました。また、「食」領域における産業創造に向けた企業間共創の取り組みとしても紹介されました。さらに3月には、世界的なデザイン賞「iF Design Award 2026」を受賞。独自技術とデザイン、そして新たな飲料体験を融合したコンセプトが国際的に評価され、世界に向けたさらなる価値創出の可能性を示しました。
2.「HATENALABO」、小さな『?(ハテナ)』を世界へ


2026年4月、D-LABとアッシュコンセプトが共同で展開する「HATENALABO」は、「ミラノデザインウィーク」に出展しました。「日常の小さな『?』」をテーマにした実験装置を展示・販売し、7日間で9,000人を超える来場者が体験。世界各国からのデザイナーや一般来場者から好評をいただき、一部商品は完売しました。「HATENALABO」は、小さな違和感や驚きを通して、人それぞれの豊かさを見つめ直す体験を探究しています。効率や合理性だけでは測れない豊かさを問い直す取り組みとして共感を集め、「心の豊かさ」への新たなアプローチの可能性を示しました。
3.「KAORIUM」、体験領域と社会接点を拡大


KAORIUMは、香りを言葉へ変換するAIとして、フレグランス、ワイン・日本酒、チョコレート、ウェディングなど香りを生かした体験領域を次々と拡大しています。香りや味わいを感性と言葉で可視化することで、一人ひとりの気分や好みに寄り添った新しい選び方を提案し、2026年には全国約350か所へ導入が拡大。「KAORIUM for Sake & Wine」は導入酒蔵100社を突破し、日本酒・ワインの登録銘柄数もそれぞれ1万本を超えました。さらに英国「The Fragrance Foundation UK Awards 2026」で最優秀デジタル・イノベーション賞を受賞。スペックではなく感性から選ぶ新たな購買・体験価値として、幅広い分野への広がりを示しました。
4.「D-0.」、100人規模に拡大し、クロスボーダーな事業創出基盤を強化


未来の「心の豊かさ」に資する新たな事業創出を目指すインキュベーションプラットフォーム「D-0.」は、2026年5月に第2期を開始しました。参加者は前年の約2倍となる100名規模に拡大。武蔵野美術大学、浜野製作所、Vidacity、ACE.SGが新たにパートナーとして参画し、日本での構想化・表現・試作、シンガポールでの実証・市場接点をつなぐ体制を整備しました。D-0.は、参加者の「問い」や初期構想を、教育・伴走に留めず、検証、事業化、社会実装まで一気通貫で支援するクロスボーダーな事業創出基盤へと進化しています。
5.文化資本が育む、「心の豊かさ」への新たな視点

D-LABでは、地域に受け継がれてきた文化や歴史、自然との関係性に着目し、「心の豊かさ」の新たなあり方を探る文化資本研究を進めています。2026年には、文化資本研究の第一人者である山本哲士氏を迎え、サステナビリティ推進部とともに全6回の勉強会を開催。「JTらしさ」を構造的に探究するとともに、物質的な豊かさだけでなく、文化や体験、自然資源や人とのつながりの中に未来の豊かさや贅沢さを見いだす「新しいラグジュアリー」について理解を深めました。
こうした取り組みへの期待と共感の広がりを受け、山口県・長門湯本温泉の大谷山荘にて文化資本シンポジウムを開催。全国から経営者をはじめとする実践者が集い、D-LABの研究成果を題材の一つとして、多角的な議論が交わされました。文化資本という視点を通じて、人々が「心の豊かさ」を未来へとつないでいく。その可能性を探究する取り組みは、これからも続いていきます。
D-LABはこれからも、「心の豊かさ」とは何かを問い続けながら、研究・探索・創造を重ねていきます。社会との対話や共創を通じて、一人ひとりの暮らしに新たな価値をもたらす挑戦を続け、多様なパートナーとともに、未来の「心の豊かさ」の実現に取り組んでいきます。
■ D-LABとは
2020年に発足したJTグループのコーポレートR&D組織です。「D-LAB」は「Delightful Moment Laboratory」の略称で、JTグループのPurposeである「心の豊かさを、もっと。」の実現に向け、長期的な視点でJTグループのまだ見ぬ「心の豊かさ」の研究・探索・創造に取り組んでいます。
活動の起点にあるのは、「心の豊かさとは何か」という問いであり、本質的な人間らしさに向き合いながら、「心の豊かさ」を実現する新たな価値を創り、かたちにし、社会へ届けていきます。その実現に向けて、大企業やスタートアップ、大学・研究機関、クリエイターなど多様なパートナーと協働しています。100件を超えるプロジェクトでは、日々、研究・探索・検証を重ねながら、人々が潜在的に求めている豊かさを実現する方法を探り、新たな価値の発見や事業・サービスの創造につなげています。また、社会や人々を取り巻く環境が変化し続ける中で、「心の豊かさ」への理解も常に問い直しながら活動しています。
D-LABは、JTグループが大切にしてきた「心の豊かさ」 という価値を数十年後の未来においても人々に届け続けるために、今後も多様な活動を行ってまいります。