CFOメッセージ

事業投資を通じて
中長期の利益成長を実現し、
株主還元向上を図る

見浪 直博

代表取締役副社長

2018年度の業績について

当社が利益指標としている為替一定調整後営業利益は、前年度比8.9%成長の6,372億円となりました。RMC※1 販売数量の減少とRRP※2 を中心とする販促投資の増加により、国内たばこ事業は減益となりましたが、海外たばこ事業においてプライシングの効果が顕著に発現したことがその主な理由です。2017年度に発生した、英国における流通取引先の倒産に係る一過性の損失の影響を除いても、為替一定調整後営業利益は前年度比約5%の増益となりました。

財務報告ベースの売上収益及び調整後営業利益については、為替の不利な影響を受け、それぞれ前年度比3.6%、1.7%の成長にとどまりました。

営業利益は、買収に係る商標権償却費の増加に伴い前年度比0.7%増益の5,650億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は、金融費用の増加に伴い前年度比1.7%減益の3,857億円となりました。

フリー・キャッシュ・フローについては、ロシア及びバングラデシュでの買収に伴い、2017年度を上回る買収関連の支出の発生、RRP関連をはじめとする設備投資の増加がありましたが、不動産売却収入の増加や運転資本の改善により、前年度比330億円増加の1,056億円となりました。

※1

RMC:Ready-Made Cigarettes(紙巻たばこ)

※2

RRP:喫煙に伴う健康リスクを低減させる可能性のある製品

2019年度の業績見込みについて

財務報告ベースの売上収益は、国内たばこ事業・海外たばこ事業で売上増を見込むものの、ネガティブな為替影響と、医薬事業での減収が相殺し、前年度比ほぼ同水準となる見通しです。また、調整後営業利益は、前年度比8.3%の減益となる見通しです。

営業利益、当期利益については、調整後営業利益の減益に加え、不動産売却益の減少、買収に伴う商標権償却費の増加が見込まれますが、医薬事業での抗HIV薬に係る国内のライセンス契約の解消に伴う一時金収入が一部相殺し、それぞれ前年度比4.4%、4.1%の減益を見込んでおります。

フリー・キャッシュ・フローについては、2018年度は2件の買収がありましたが、新たな買収関連の支出を見込んでいないこと、また、フリー・キャッシュ・フロー創出力を強化し、運転資本の改善を見込むことなどから、3,600億円となる見通しです。

なお、全社利益指標である為替一定調整後営業利益は、前年度比2.4%成長の6,100億円を計画しています。

株主還元について

中長期に亘る持続的な利益成長につながる事業投資を最優先し、事業投資による利益成長と株主還元の適切なバランスを追求するという経営資源配分方針の下、強固な財務基盤を維持しながら中長期の利益成長に応じた株主還元の向上を図っていくという方針に変更はございません。2018年度の年間配当金については、当初予想通り、一株当たり150円をお支払いいたします。

一方、昨今世界経済の不透明性が増大し、外国為替は不安定に推移しており、為替のネガティブな影響が2018年度実績では400億円超、2019年度においては600億円を上回る見込みです。為替の不安定な状況は当面継続すると想定され、また、株主還元の安定的・継続的な向上を重視していることから、年間配当金については、中長期の為替一定調整後営業利益の成長率の見通しを基本としつつ、今後の当期利益の水準も勘案して決定してまいります。2019年度の一株当たり年間配当金は、4円増配の154円を予定しております。なお、為替影響につきましては、事業規模等を勘案した上で現地に製造拠点を設立する等、収入通貨と支払通貨を合致させることで為替影響の相殺を図るナチュラルヘッジを実施していることに加え、中長期的には、事業の地理的拡大や分散により、特定通貨への依存度を引き下げるよう取り組んでいます。M&Aをはじめ、新興国での事業投資に当たっては為替変動リスクについても十分考慮した上で意思決定しており、中長期的な成長ポテンシャルを有する市場においては、経済成長をしっかりと捉え、利益成長を目指してまいります。

また、株主還元の一環として、2019年2月8日から4月22日の期間で、500億円または2,300万株を上限とする自己株式取得を決定いたしました。これは、今後の事業環境やフリー・キャッシュ・フローの見通し、また将来のバランスシートの状況などの要素に加え、2019年度に医薬事業で一過性の収入が発生することや、当社の株価推移についても総合的に考慮の上決定したものです。

引き続き、積極的な事業投資を通じてグループの中長期的な利益成長を図るとともに、その利益成長に応じた株主還元の向上を目指してまいります。

持続的成長に向けたロードマップ
(アニュアルレポート2018 ハイライト)

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