コーポレート・ガバナンス

コーポレート・ガバナンス

コーポレート・ガバナンスはJTグループの成長を支える基盤であり、経営の実効性と透明性を高める体制を通じて、持続的な成長を確かなものとしていきます。

コーポレート・ガバナンス体制

基本方針

当社は、コーポレート・ガバナンスを、当社グループの経営理念である「4Sモデル」、すなわち、「お客様を中心として、株主、従業員、社会の 4 者に対する責任を高い次元でバランスよく果たし、4 者の満足度を高めていく」ことの追求に向けた、透明・公正かつ迅速・果断な意思決定を行うための仕組みと捉えています。
当社は、当社グループのコーポレート・ガバナンスの充実が、当社グループの中長期に亘る持続的な利益成長と企業価値の向上につながり、当社グループを取り巻くステークホルダー、ひいては経済・社会全体の発展にも貢献するとの認識のもと、「JTコーポレートガバナンス・ポリシー」を定めています。
また、コーポレートガバナンス・コードは「4S モデル」とも極めて親和性が高いものと考えており、プライム市場に上場する企業に対して適用されるコードの全原則を実施しています。
当社は、今後も当社グループのコーポレート・ガバナンスを経営上の重要課題の一つと位置付け、不断の改善に努め、その充実を図っていきます。

JTコーポレートガバナンス・ポリシーPDFを開くPDF:209kb
コーポレート・ガバナンスに関する報告書PDFを開くPDF:293kb

現行の体制を選択している理由

当社は、監査役会設置会社として、独立・公正な立場である監査役会が取締役および執行役員の職務執行を適切に監査することにより、客観性および中立性を確保した経営の監督機能を実現しています。また、取締役会のスリム化や執行役員制度導入による権限移譲を通じた業務執行の迅速化を図るとともに、任意の仕組みとして社長、副社長および外部専門家を構成員とするJTグループコンプライアンス委員会、委員全員が執行役員を兼務しない取締役かつその過半数を独立社外取締役で構成する人事・報酬諮問委員会を設置し、実効性のあるコーポレート・ガバナンス体制を構築しています。
2019年3月に社外取締役および社外監査役を各1名増員、2022年3月に社外取締役を1名増員、更には2024年3月に社外取締役を1名増員する等、コーポレート・ガバナンスの充実および経営の透明性・客観性の向上を継続的に図っています。
このような取り組みを通じて、業務執行および監督に係るコーポレート・ガバナンス体制が有効に機能していると認識していることから、現状の体制を選択しています。

コーポレート・ガバナンス体制

当社におけるコーポレート・ガバナンス体制の全体像は下図のとおりです。

取締役会

全社経営戦略および重要事項の決定とすべての事業活動の監督に責任を持つ機関です。原則毎月1回の開催に加え、必要に応じ機動的に開催し、法令で定められた事項および重要事項の決定を行うとともに、業務執行状況の報告等を通じて業務執行を監督しています。

議長:岡本 薫明(取締役会長) 開催回数:2025年度 17回開催


主な議論・審議事項:(2025年度)

  • 経営計画の策定や執行役員の選任、医薬事業の譲渡に伴う撤退等の重要事項

  • 決算や財務関連事項、サステナビリティ戦略の進捗

  • グループコンプライアンスやリスクマネジメント、内部統制に関する事項

  • 取締役会の実効性評価、人事・報酬諮問委員会に関する事項

人事・報酬諮問委員会

役員人事や役員報酬に関する事項について審議を実施し、取締役会に対して答申等を行います。取締役会はその内容を踏まえ審議することで、意思決定における客観性と透明性をより一層高め、取締役会の監督機能の充実を図ります。

委員長:庄司 哲也(独立社外取締役) 開催回数:2025年度 4回開催


主な議論・審議事項:(2025年度)

  • 取締役候補予定者の選定およびスキル・マトリックスに係る審議

  • 報酬水準等のベンチマーク企業群の選定に係る審議

  • 報酬水準の確認

  • 経営幹部候補者群の確認

  • 役員賞与およびパフォーマンス・シェア・ユニットに係る業績評価指標の審議

監査役会

経営・法律・財務・会計等の豊富な経験を有する5名の監査役で構成されています。監査役は、株主の負託を受けた独立の機関として、業務監査および会計監査を行っており、取締役会やその他重要な会議に出席して発言を行うほか、事業拠点の視察等を通じて実態把握に努めるとともに、能動的に権限を行使し、社外監査役や常勤監査役の職務の特性に応じ、客観的な立場から適切に監査を行っています。

議長:柏倉 秀亮(常勤監査役) 開催回数:2025年度 14回開催


主な議論・審議事項:(2025年度)

  • 監査方針の審議・作成

  • 監査役会監査報告の審議・作成

取締役会の実効性評価

当社は、取締役会の実効性について、毎年、全取締役および全監査役を対象として取締役会の運営体制・監督機能、株主・投資家との対話等の観点からアンケートによる自己評価を実施し、結果を取りまとめています。自己評価結果については、取締役会において評価・分析を実施し、抽出された課題への取り組みを行っています。

2025年度の実効性評価

2025年度のアンケート評価項目

取締役および監査役計15名を対象に、2025年1月から12月までを評価対象期間として評価を実施しました。継続的に確認を図るべき項目に加え、2024年度の評価で抽出された課題に対する改善を確認できるような質問設計としています。また、中長期的なガバナンス体制の構築等への期待を把握する設問を設計するとともに、本年度より社外取締役の個人評価に関する設問を新たに追加しています。
アンケート評価項目に基づき回答を得たうえで、その結果を2026年2月開催の取締役会において協議しました。

2025年度の評価結果、今後の取り組み

2025年度に係る実効性評価でも、2024年度から引き続き各評価項目について概ね良好な結果が得られ、当社取締役会の実効性が向上し、有効に機能していることを確認しています。特に、ステークホルダーの視点を理解し、共通の価値基準として4Sモデルを共有していること、リスク管理体制の監督が適切であることが高く評価されました。
また、2024年度に係る実効性評価で抽出された課題への取り組みについて、ポジティブに評価され、継続的な取り組みが期待されていることも認識しました。今後も継続的な審議とさらなる進化を図っていきます。

今後も引き続き、上記取り組みを含め、さらなる実効性向上に資する必要な改善を実施していきます。

次世代経営人財の育成・後継者計画

当社は、当社グループのこれからの経営を担う次世代経営人財の継続的な輩出と、その候補者群の質的・量的拡充を、重要な経営課題の一つと認識しています。
グローバルベースで活躍し得る高い能力・資質を備えたリーダーを継続的に輩出するため、社長を筆頭とする経営陣自らのコミットメントのもと、体系的な選抜・育成に取り組んでいます。
また、取締役・監査役候補者となり得ると認められる人財については、人事・報酬諮問委員会において、独立社外取締役および外部機関等の社外の知見も活用しながら、育成状況の確認や後継者計画の充実に向けた議論を行っています。

具体的な施策:JT-Next Leaders Program(NLP)

当社では、国内外で事業を展開する当社グループを牽引する若いトップマネジメントの継続的な輩出を目的として、JT-Next Leaders Program(NLP)を実施しています。
2013年度より開始した本プログラムでは、40歳までの応募要件を満たす社員を対象に、役員および外部面接官による面接等、複数のアセスメントを通じた客観的な選考を実施し、選抜された認定者には、数年にわたり優先的な成長支援を提供しています。
これらの取り組みを通じ、若年層から経営人財パイプラインを拡充させ、人財の競争力強化を図っています。

役員報酬

役員報酬の基本的な考え方

取締役の個人別の報酬等の決定を含む役員報酬に関する方針については、独立性・客観性を担保するために、委員全員が執行役員を兼務しない取締役、かつその過半数を独立社外取締役で構成する人事・報酬諮問委員会による審議・答申を踏まえ、取締役会において決定しています。当該方針において、当社における役員報酬の基本的な考え方は、以下のとおりです。

  • 優秀な人財を確保するに相応しい報酬水準とする

  • 業績達成の動機づけとなる業績連動性のある報酬制度とする

  • 中長期の企業価値と連動した報酬とする

  • 客観的な視点、定量的な枠組みに基づき、透明性を担保した報酬とする

役員報酬の構成

役員報酬は、月例の「基本報酬」に加え、単年度の業績を反映した「役員賞与」、中長期の企業価値と連動する「譲渡制限付株式報酬」および「パフォーマンス・シェア・ユニット」の4本立てとしています。「譲渡制限付株式報酬」および「パフォーマンス・シェア・ユニット」については、中長期的な企業価値向上に向けた取り組みをより強化し、株主の皆様との一層の価値共有を進めることを目的として、2020年に導入しました。
役員区分ごとの報酬構成については、以下のとおりとしています。

執行役員を兼務する取締役

日々の業務執行を通じた業績達成を求められることから、「基本報酬」「役員賞与」「譲渡制限付株式報酬」「パフォーマンス・シェア・ユニット」で構成しています。

執行役員を兼務しない取締役(社外取締役を除く)

企業価値向上に向けた全社経営戦略の決定と中長期的な成長戦略等実践のモニタリングを含む監督機能を果たすことが求められることから、業績連動性のある報酬とはせず、「基本報酬」に一本化しています。

社外取締役

独立性の観点から業績連動性のある報酬とはせず、「基本報酬」に一本化しています。なお、人事・報酬諮問委員会の委員長を務める社外取締役の報酬については、社外取締役の報酬水準に、委員長の職責に応じた額を加算した水準としています。

監査役

主として遵法監査を担うという監査役の役割に照らし、「基本報酬」に一本化しています。

役員報酬の内容

基本報酬について

職務に応じた額を月例で支給します。
執行役員を兼務する取締役については、持続的利益成長につながる役員個々の業務執行・行動を通じた業績達成を後押しする観点から、個人業績評価を反映させることとしています。期首に社長との面談を通じた目標を設定し、期末に実施する個人業績評価の結果に応じて、一定の範囲内で翌年度の基本報酬を変動させる仕組みとしています。ただし、社長については、個人業績評価は実施していません。

役員賞与について

単年度業績を反映した金銭報酬として、執行役員を兼務する取締役に対して役員賞与を支給します。
役員賞与の算定に係る指標は、持続的利益成長の基盤である事業そのもののパフォーマンスおよび利益成長の達成度を株主の皆様と価値共有する観点、また、中長期での持続的な成長に向けた指標を設定する観点から、為替一定core revenue、為替一定調整後営業利益、調整後営業利益、当期利益、RRP定性評価指標(注)を設定しております。業績評価結果適用の割合は、為替一定core revenueを15%、為替一定調整後営業利益を35%、調整後営業利益を 25%、当期利益を25%としており、為替影響を含めた実績(調整後営業利益および当期利益)が占める割合は全体の50%となります。当該指標の達成度合いに応じた支給率は、0~190%の範囲で変動し、その結果に対してRRP定性評価指標の達成度合いに応じて△10%/0%/10%のいずれかを加減算します。なお、支給対象である取締役に一定の非違行為があった場合には、当該役員は支給済みの役員賞与の一部を会社に返還することとしています。

(注)1.

為替一定ベースとは、たばこ事業における当期の自社たばこ製品売上収益又は調整後営業利益から、前年同期の為替レートを用いて換算・算出した為替影響を除いた指標です。為替一定ベースの実績は、一定の方法を用いて算出した一部市場のインフレに伴う売上又は利益の増加分を除いております。

   2.

core revenueは、自社たばこ製品売上収益、加工食品事業・その他の売上収益の合計です。

   3.

調整後営業利益は、営業利益+買収に伴い生じた無形資産に係る償却費+調整項目(収益および費用)です。なお、調整項目(収益および費用)はのれんの減損損失±リストラクチャリング収益および費用等です。

   4.

注力分野であるRRP(Reduced-Risk Products)に関する戦略の実行および達成度合いに係る定性評価指標です。RRPは、Heated ProductsおよびE-Vapor製品等、喫煙に伴う健康リスクを低減させる可能性のある製品を指しております。

譲渡制限付株式報酬について

譲渡制限付株式報酬制度は、株主の皆様とのさらなる価値共有や中長期的な企業価値向上を企図した株式報酬制度です。執行役員を兼務する取締役(以下「対象取締役」という)に対し、当社取締役会決議に基づき、譲渡制限付株式に関する報酬として毎事業年度において金銭報酬債権を支給し、各対象取締役は、当該金銭報酬債権の全部を現物出資の方法で払い込むことにより、当社普通株式の割当てを受けます(割当ては、自己株式処分の方法により行う)。本制度による当社普通株式の処分に当たっては、当社と各対象取締役との間で、譲渡制限付株式割当契約を締結するものとします。
譲渡制限付株式の払込金額は、その処分に係る当社取締役会決議の日の前営業日における東京証券取引所における当社普通株式の終値(同日に取引が成立していない場合は、それに先立つ直近取引日の終値)を基礎として、各対象取締役に特に有利な金額とならない範囲で当社取締役会において決定します。
また、上記金銭報酬債権は、各対象取締役が、上記の現物出資に同意していることおよび譲渡制限付株式割当契約を締結していることを条件として支給します。
譲渡制限期間は30年であり、譲渡制限期間中であっても、解任以外の理由により当社取締役その他当社取締役会が別途定める役職のいずれからも退任した場合には、その保有する本割当株式の全部につき譲渡制限を解除します。対象取締役が、払込期日において、解任以外の理由により当社取締役、監査役および執行役員のいずれの地位をも喪失している場合には、その保有する本譲渡制限付株式の全部につき、払込期日をもって譲渡制限を解除いたします。

なお、譲渡制限期間中に、譲渡制限付株式の割当てを受けた取締役が、法令違反その他の取締役会が定める事由に該当する場合に、当社は、本割当株式の全部を当然に無償で取得することができることとします。
また、譲渡制限期間中に当社が消滅会社となる合併その他の組織再編等がなされる場合、当社取締役会の決議により、当該組織再編等の効力発生日に先立ち、本割当株式につき譲渡制限を解除することができることとします。

パフォーマンス・シェア・ユニットについて

パフォーマンス・シェア・ユニット制度は、株主の皆様とのさらなる価値共有や中長期的な企業価値向上に加え、中期での業績達成へのさらなるコミットを企図した業績連動型の株式報酬制度です。執行役員を兼務する取締役を対象とし、支給対象年度から開始する3ヶ年の事業年度からなる業績評価期間(以下「業績評価期間」という)(注1)の経過後、当該業績評価期間における業績等の数値目標の達成度合いに応じて、当社普通株式を交付するための金銭報酬債権および金銭を報酬として支給します。なお、当該業績評価期間における業績等の数値目標の達成度合いは、当社人事・報酬諮問委員会での審議を経て決定します。各対象取締役への当社普通株式交付のための金銭報酬債権および金銭の支給は、原則として業績評価期間終了後に行います。各対象取締役は、当該金銭報酬債権の全部を現物出資の方法で払い込むことにより、当社普通株式の割当てを受けます(割当ては、自己株式処分の方法により行う)。
なお、当社普通株式の払込金額は、その処分に係る当社取締役会決議の日の前営業日における東京証券取引所における当社普通株式の終値(同日に取引が成立していない場合は、それに先立つ直近取引日の終値)を基礎として、各対象取締役に特に有利な金額とならない範囲で当社取締役会において決定します。また、上記数値目標の達成率度合いに応じて当社普通株式交付のための金銭報酬債権および金銭を支給するため、業績評価期間終了までは、各対象取締役に対してこれらを支給するか否か、並びに支給する当社普通株式交付のための金銭報酬債権および金銭の額並びに交付する株式数はいずれも確定していません。

当社は、本制度において使用する各数値目標や業績連動係数等、交付株式数の具体的な算出にあたり必要となる指標を、当社人事・報酬諮問委員会での審議を踏まえ、決定します。なお、2022年度から始まる業績評価期間の評価指標には、株主の皆様とのさらなる評価・被評価の観点の一致を図るべく、当期利益に加え、新たにESG指標を導入し、2023年度、2024年度および2025年度から始まる業績評価期間の評価指標も同様とすることとしました。2022年度、2023年度および2024年度のESG指標は、ネットゼロの実現に向けた取り組みに係る指標とし、具体的には温室効果ガス排出量の削減目標の達成度合いを評価項目としています。また、2025年度のESG指標は、ネットゼロの実現に向けた取り組みに係る指標に加え、JT Group Sustainability TargetsのうちDE&Iの推進に向けた取り組みに係る指標を追加し、具体的にはJTグループの女性マネジメント職比率目標の達成度合いを評価項目としています。加えて、2025年度から始まる業績評価期間の評価指標には、中期的な業績目標の達成・企業価値向上への貢献を通じ、株主の皆様との価値共有を一層促進することを目的に、当期利益およびESG指標に加え、RRP定量評価指標(注2)を導入することとしました。2022年から始まる業績評価期間、2023年から始まる業績評価期間および2024年から始まる業績評価期間においては、当期利益の達成度合いに応じて支給率は、0~190%の範囲で変動し、その結果に対してESG指標の達成度合いに応じて△10% / 0% / 10%のいずれかを加減算します。2025年から始まる業績評価期間においては、当期利益の達成度合いに応じて、0~180%の範囲で変動し、その結果に対してESG指標のうち温室効果ガス排出量の削減目標の達成度合いによって△5% / 0% / 5%のいずれかを加減算し、JTグループの女性マネジメント職比率目標の達成度合いによって△5% / 0% / 5%のいずれかを加減算し、RRP定量評価指標の達成度合いによって△10%/0%/10%のいずれかを加減算します。
なお、業績評価期間中に、対象取締役が、法令違反その他の取締役会が定める事由に該当する場合に、当該対象取締役は、予定されている金銭報酬債権および金銭の全部又は一部の支給を受けられないこととします。

なお、当社は、2020年度より株式報酬型ストックオプション制度は付与済みのものを除き廃止とし、以降新たな発行は行わないこととしています。

(注)1.

2022年の業績評価期間は、2022年12月31日で終了する事業年度から2024年12月31日で終了する事業年度までの3事業年度、2023年の業績評価期間は、2023年12月31日で終了する事業年度から2025年12月31日で終了する事業年度までの3事業年度、2024年の業績評価期間は、2024年12月31日で終了する事業年度から2026年12月31日で終了する事業年度までの3事業年度、2025年の業績評価期間は、2025年12月31日で終了する事業年度から2027年12月31日で終了する事業年度までの3事業年度です。2026年度以降も、株主総会で承認を受けた報酬上限の範囲内で、それぞれ当該事業年度を支給対象年度とし、そこから連続する3事業年度を新たな業績評価期間とする業績連動型株式報酬の実施を予定しています。

   2.

注力分野であるRRPにおけるHeated Products販売数量の目標達成度合いに係る定量評価指標です。

役員報酬額の上限

当社の取締役に対する報酬等の上限については、以下の通りとなっています。また、当社の監査役は基本報酬のみが対象となり、上限については、監査役の総数に対して年額2億4千万円となっています。これらの上限額はすべて株主総会において承認を得ています。

コーポレート・ガバナンス体制の実効性を支える枠組み

取締役会を中心とするコーポレート・ガバナンス体制の実効性を支えることを目的として、コンプライアンス、リスクマネジメント、内部監査等を通じた内部統制の枠組みを整備しています。今後も、現行の枠組みを継続的に随時見直し、適正な業務執行のための企業体制の維持・向上に努めていきます。

コンプライアンス体制

基本的な考え方

当社は、取締役会において制定した規程に基づき、取締役および従業員が法令、定款および社会規範等を遵守し、適切な行動をとることを目的として、グローバルに共通するJTグループの価値観・倫理観を定めた JT Group Compliance Policy を策定しています。
あわせて、コーポレートおよび各事業において、JT Group Compliance Policy と整合し、それぞれの固有の環境や特性に応じた 部門コンプライアンス行動規範を定め、グループ全体でコンプライアンスの徹底を図っています。

推進・監督体制

当社は、社長、副社長および外部専門家を構成員とする JTグループコンプライアンス委員会を設置しています。同委員会は、JTグループ全体のコンプライアンスを統括・推進し、取締役会への説明責任を果たす審議機関としての役割を担い、社長が委員長を務める体制としています。
また、執行役員にコンプライアンス担当を定め、法務・コンプライアンス統括部を所管させることで、グループ横断的な体制の整備・推進および課題の把握に努めています。加えて、コーポレートおよび各事業内に設置する部門コンプライアンス委員会において、それぞれの部門におけるコンプライアンスに関する事項を自律的に審議しています。
JTグループコンプライアンス委員会は、各部門コンプライアンス委員会からの報告を受け、当社グループ全体の取り組み状況を把握・審議したうえで、その内容を取締役会に報告しています。

コンプライアンスの実行と改善

2025年度は、JTグループコンプライアンス委員会を2回開催し、コンプライアンス推進に向けた取り組み等について審議しました。これらの審議結果は、各部門が策定する2026年度のコンプライアンス実践計画に反映されています。
当社および子会社のコンプライアンス推進部門(当社においては法務・コンプライアンス統括部、子会社においてはこれに相当する部署)は、各部門コンプライアンス行動規範を役職員に配布するとともに、各種研修等を通じた教育・啓発活動を実施し、コンプライアンスの実効性向上に取り組んでいます。

コンプライアンスアンケートの実施

当社では、グループ会社も対象としたコンプライアンスアンケートを毎年実施しています。
2025年度のアンケート回答率は96.5%であり、その結果は取締役および従業員に報告されるとともに、関係部署においてコンプライアンス推進に向けた取り組みの評価や改善策の策定・実行に活用されています。

内部通報体制

内部通報体制については、当社および子会社は、その役職員等が法令違反の疑義がある行為等を発見した場合に備え、相談・通報窓口を設置しています。相談・通報を受けた各コンプライアンス推進部門はその内容を調査し、必要な措置を講ずるとともに、再発防止策を実施することとしています。また、当社は、法務・コンプライアンス統括部が対応する相談・通報窓口とは別に、当社監査役が対応する、業務執行ラインからの独立性を有した相談・通報窓口を設置しています。相談・通報を受けた当社監査役はその内容を調査し、当社は必要な措置および再発防止策を実施します。当社は、当社グループに係る重要な問題については部門コンプライアンス委員会およびJTグループコンプライアンス委員会に付議し、審議を求め、または報告することとしています。

コンプライアンス相談・通報窓口利用ガイド

リスクマネジメント体制

JTグループでは当社グループの中長期に亘る持続的な利益成長と企業価値の向上に寄与し、当社グループの透明・公正かつ迅速・果断な意思決定を行う仕組みを充実させるため、グループ全体を対象に統合型リスク管理(ERM: Enterprise Risk Management)を導入しています。当社グループに影響を及ぼす可能性があるリスクを特定し、影響度と可能性の双方の観点で評価することで、優先して対応すべき重要リスクを選定し、対応計画の策定、モニタリングを実施しています。
ERM推進にあたり、社長を責任者とし、副社長、社長に指名されたERM担当執行役員(コーポレートガバナンス担当常務執行役員)を加えて議論を実施する体制を取っています。また、各事業においてもたばこ・加工食品事業の部門長を責任者としたERMを実施しており、その内容をERM担当執行役員に報告しています。このように事業のリスク状況を監督するERM担当執行役員を議論メンバーに加えることによりグループ網羅的な重要リスク選定を可能にしています。社長、副社長、ERM担当執行役員による議論で選定された重要リスクは社長に指名された対応責任者(各事業部門長およびコーポレート担当執行役員)のもと対応計画の策定、モニタリングが行われ、その結果は社長、副社長、ERM担当執行役員に報告されます。これら一連の取り組み状況は取締役会に少なくとも年に1回報告されます。当社グループは、リスクを適切に管理することにより、事業成長の機会を適切に捉え、戦略的な事業展開につなげています。

危機・災害リスク管理

危機管理および災害対策について対応マニュアルを定め、危機や災害の発生時には緊急プロジェクト体制を立ち上げ、経営トップの指揮のもと、関係部門および子会社との緊密な連携により、迅速・適切に対処することができる体制を整えています。

情報セキュリティ体制

JTグループでは、情報セキュリティに対する取り組み姿勢を明確にするとともに、情報セキュリティ対策を網羅的かつ継続的に推進するために情報セキュリティに関する規程を整備しています。具体的には、「JTグループITガバナンスポリシー」ならびに「JTグループ情報セキュリティ標準」を定め、アクセス制限、コンピュータウイルス対策、教育、監査、モニタリングなどITリスク対策に必要な対応を規定、実行しており、当社グループが保有するシステムやデータ等の情報資産の適切な管理・保護に努めています。
また、当社グループは、ハード・ソフト両面から情報セキュリティ強化に取り組み、ハード面では、サプライヤーへの依頼を含めた重要システムのセキュリティに関する技術・運用上の点検と改善を継続的に実施しています。ソフト面では、すべての従業員が情報資産を適切に取り扱うために、社内で開発した情報セキュリティ啓発プログラム「i-SECURE」を世界各国に展開しています。i-SECUREで展開するさまざまなプログラムの中でも、eラーニングの受講率は当社グループ全体で96%となりました。また本活動は定期的な効果測定を行っており、従業員の情報セキュリティに対する意識の向上に寄与していることを確認しています。

日本で実施したi-SECUREイベントの様子

内部監査体制

当社における内部監査

社長直属の組織として監査部を設置し、事業活動の全般に亘る管理・運営の制度および業務の遂行状況を業務執行組織から独立した立場で、客観的な視点から検討・評価し、業務運営の適切性・有効性の向上を図っております。また、当社監査部はその責務を全うするため、当社グループのすべての活動、記録および従業員に対して制限なく閲覧、聴取等を行うことができる権限を有しています。
内部監査計画は毎年、社長の承認により決定されます。監査部長は、内部監査の結果について社長への報告義務を負うとともに、取締役会への報告を毎年実施しています。また、監査部長は、当社およびグループ会社の経営者と、内部監査の結果、内部統制の状況、リスク認識に関して、定期的かつ自由に協議することができます。

グループ会社における内部監査

グループ各社は、各社の判断により内部監査組織を設置しており、JTI、TSネットワーク、テーブルマークなどの主要なグループ会社は内部監査組織を有しています。各社において、社長または取締役会が内部監査計画を承認し、監査実績の報告を受領します。
当社監査部は、グループ各社の内部監査組織と連携しており、各社の年度内部監査計画および監査実績は、当社監査部を通じて、当社社長および取締役会に報告されます。さらに内部監査の効率性・実効性を高めるため、内部監査組織間の情報の共有、品質の向上を目的に定期的に会議・打ち合わせ等を行い、必要に応じて協働監査や監査業務支援も実施しています。

たばこ事業を運営するJTIに対する内部統制体制

JTIの持株会社にあたるJT International Holding B.V.の役員はJTの執行役員等からも選任され、たばこ事業全体の戦略意思決定の実効性向上に資する役割を果たしています。
JTIを含むたばこ事業の重要な決裁権限および決裁手続きは、責任権限規程等において定めています。事業運営の機動性確保の観点からJTIに一定の権限委譲を行いつつ、JTIが策定する予算・経営計画および一定額を超える投資事案については、適宜当社において承認を行うなど、子会社ガバナンスの確保に努めています。
また、当社監査役および監査部はJTIに対する監査権を有しており、監査役は適宜JTIへの監査を実施しています。たばこ事業の内部監査は主にJTI監査部が実施していますが、当社とJTIが協力して進めている業務領域 については、当社監査部がJTI監査部と連携しながら監査を実施しています。