トップメッセージ

引き続き、中長期に亘る持続的な利益成長を目指してまいります。

今年もJTグループの力強い実績を皆様にご報告できることを大変喜ばしく思います。
長引く世界的な景気の低迷と為替の大変動、そして地政学的リスクの顕在化。2015年を振り返れば、たばこ産業に限らず、世界全体が先行きの見えない不安に晒された一年であったと思います。JTグループにとっても、2015年は非常に厳しい事業環境となりました。特に、世界中でビジネスを展開している我々にとって、為替の影響は無視できない規模となって表れました。

また、2015年は、会社として大きな転換点となった年でもあります。国内たばこ事業における、営業・製造体制の再編に加え、20有余年に亘って取り組んできた飲料製品の製造・販売事業からの撤退を決断したことです。飲料事業については、予定通り、2015年中の撤退を完了したことをご報告するとともに、当該事業への長きに亘るご支援を賜りましたこと、あらためて御礼申し上げます。
一方で、JTグループのビジネス・ファンダメンタルズは引き続き強固であったことを皆様にご報告させていただきたいと思います。調整後営業利益は、先述した為替の影響を受け、約5%の減益となりましたが、この不利な為替影響を除いたベースでは、約10%の利益成長を成し遂げることができました。
特に、利益成長の牽引役である海外たばこ事業においては、基本となるブランド・エクイティ投資を継続しながら、Emerging Productへの取り組みの本格化、積極的な地理的拡大を推し進めました。事業投資を例年以上に強化しながらも、ほぼすべての主要市場でシェアを向上させ、為替一定ベースで二桁の利益成長を実現できたことは、誇れる実績であると自負しています。
また、たばこ事業全体としての中長期に亘る持続的な利益成長に向けた取り組みとして、Natural American Spirit ブランドの米国外事業の取得(2016年1月買収完了)も行いました。特に、母国市場である日本においては、足元数年で驚異的な成長を遂げてきたブランドであり、JTグループのブランド・ポートフォリオをより一層強くするとともに、これまで課題としていた高価格帯においても我々の地位を盤石なものにすることができると考えています。

こうした堅調な事業実績を受け、株主還元についても、引き続き強化し、一株当たり配当金については増配いたしました。この結果、配当性向については継続事業ベースで50%を超え、我々の株主還元は目標として掲げていたグローバルFMCGに比肩する水準に到達したと考えています。なお、2015年は為替一定調整後EPSの成長率を補完することを目的とし、1,000億円規模の自社株買いも実施いたしました。
今後は、将来に亘る持続的な利益成長を支える事業投資と株主還元のバランスを重視するとの方針の下、起こり得る環境変化にも対応できる強固な財務基盤を維持しつつ、中長期の利益成長に応じた株主還元の向上を図っていきます。
具体的には、一株当たり配当金については、安定的・継続的な成長を目指してまいります。自己株式の取得については、事業環境や財務状況の中期的な見通しを踏まえ、実施の有無を検討することとしております。

当社の経営理念は、「お客様を中心として、株主、従業員、社会の4者に対する責任を高い次元でバランスよく果たし、4者の満足度を高めていく」とした4Sモデルです。
今般、この4Sモデルを追求する上で、透明・公正かつ迅速・果断な意思決定を行うための仕組みとして、これまでも経営の最重要課題としてその強化に取り組んできたコーポレート・ガバナンスについて、我々の考えをあらためて明文化するためにJTコーポレートガバナンス・ポリシーを制定いたしました。資本市場と企業との信頼関係において、昨今より一層その重要度を増しているコーポレート・ガバナンスについて、ステークホルダーの皆様のご意見も踏まえながら、今後も強化してまいりたいと考えております。

2015年、質・量ともに高い水準での事業投資を行いながら、力強い利益成長を実現することができました。これはひとえに、「投資なくして成長なし」との信念の下、過去に行ってきた事業投資が結実したものであり、足元で行った事業投資も、また2016年以降も継続して行っていく事業投資も、必ずや中長期に亘る利益成長に貢献するものと確信しています。
3年先、5年先さえ正確に見通すことができない現代において、短期的な成果のみに捉われることなく、常に中長期を見据え、変化に柔軟に対応しながら、持続的な利益成長に向けて取り組んでいくことを皆様にお約束いたします。

2016年3月
代表取締役社長 小泉 光臣

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