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サステナビリティ
(主要指標:非財務パフォーマンス含む) - 分割PDF
サステナビリティ
マテリアリティ
JTグループでは4Sモデルの追求を経営理念とし、社会とともに持続的に成長していくために、優先的に取り組むマテリアリティ(重要課題)を特定しています。2015年に社内外のステークホルダーへのヒアリングを通じて、初めてJT グループ全体を対象とするマテリアリティ分析を行い、項目を選定しました。
当初策定したマテリアリティからの外部環境や事業環境の変化を踏まえ、2021年よりマテリアリティの見直しを開始しました。重要課題の洗い出しと分析を実施し、課題の特定と優先順位付けに向けて社内外のステークホルダーへのヒアリングを進めています。
RRP(Reduced-Risk Products)の台頭と伸長、社会全体で高まる環境負荷軽減の意識、新型コロナウイルス感染症による影響とDX の進展やダイバーシティを踏まえた新しい働き方、東証コーポレート・ガバナンスコードの改訂をはじめとする規制動向等、JTグループを取り巻くさまざまな変化とESG課題を踏まえ、ステークホルダーとの新たな価値共創の実践を目指し、新マテリアリティを特定してまいります。
サステナビリティ戦略の概要
JTグループのサステナビリティ戦略は、経営理念である4Sモデルに基づき、マテリアリティ分析を踏まえて策定しています。グループ共通のサステナビリティ戦略の基盤は以下の通りです。2021年においてはガバナンスポリシーの改定をはじめ、ネットゼロの目標設定を含むJTグループ環境計画2030の更新等に取り組みました。
3つの基盤
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人権の尊重
私たちは、JTグループ人権方針で表明している通り、JTグループおよびバリューチェーン全体における人権の尊重に取り組みます。
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環境負荷の軽減と
社会的責任の発揮私たちは、事業活動のあらゆる場面において環境保全に努め、有益な変化を生み出します。
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良質なガバナンスと
事業規範の実行私たちは、お客様、株主、従業員、社会の4者それぞれの満足度向上を追求するために、透明・公正かつ迅速な意思決定を推進します。
各事業の注力分野
各事業では優先的に取り組む「注力分野」を設定しており、分野ごとの「目指す姿」と具体的な「取り組み目標」を設けています。なお、JT グループ環境計画2030の更新に伴い、各事業の温室効果ガス排出量削減目標が更新されました。
たばこ事業
中核事業であるたばこ事業では、以下の4つを注力分野として設定しています。注力分野の中で、さらに具体的な11の取り組み目標を掲げ、2019年からその進捗についてご報告しています。また、2020年には、プラスチックを含む、製品および容器包装に使用する材料の適正利用、適正処理に向け、新たな目標を定め、計12の目標に取り組んでいます。
注力分野 | 目指す姿 |
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お客様の期待を上回る製品・サービスの提供 |
私たちは、品質、イノベーション、リスクの低減に注力し、お客様*により多くの選択肢を提供します。 |
人財への投資 |
私たちは、人財への投資を通じて、従業員や社会から選ばれる企業になることを目指します。 |
持続可能なサプライチェーンの構築 |
私たちは、環境・社会面でのリスク低減に取り組み、サプライチェーン全体で透明性と責任ある行動を実践します。 |
事業を取り巻く規制への適切な対応と不法取引の防止 |
私たちは、公正でバランスの取れた規制策定に向けた政策立案に積極的に協力します。また、不法取引に対処するために各国政府との連携を強化します。 |
* 喫煙可能な成人のお客様を意味します。なお、喫煙可能年齢は、各国の法令により異なります。日本では20歳未満の方による喫煙は、法律で禁じられています。
医薬事業
医薬事業のミッションは「安全に、かつ安心してお使いいただける、画期的なオリジナル新薬を一日も早く患者様にお届けすること」です。このミッションを踏まえ、2019年に、以下の3つを注力分野として設定しています。注力分野の中で、さらに具体的な5つの取り組み目標を掲げています。
注力分野 | 目指す姿 |
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お客様の期待を上回る製品・サービスの提供 |
私たちは、世界に通用する画期的なオリジナル新薬を創出し、一日も早く患者様にお届けすることを目指します。 |
人財への投資 |
私たちは、FIC(ファースト・イン・クラス)創薬に貢献し得る人財の育成に努めます。 |
製品の安全性と責任 |
私たちは、患者様に安全な薬をお届けするために、関連法規や業界基準を遵守して事業活動を行います。 |
加工食品事業
加工食品事業では冷食・常温、調味料、ベーカリーの3つの事業に注力し、安全で高品質な食品をお客様にお届けすることを使命としています。2019年に、以下の3つを注力分野として設定しています。注力分野の中で、さらに具体的な8つの取り組み目標を掲げています。
注力分野 | 目指す姿 |
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お客様の期待を上回る製品・サービスの提供 |
私たちは、品質と技術に拘った製品を通じてお客様ニーズに応え続け、満足と信頼を獲得します。 |
人財への投資 |
私たちは、従業員が安心して働ける職場づくりに取り組むとともに、企業価値の向上に寄与する人財の継続的な育成に努めます。 |
持続可能なサプライチェーンの構築 |
私たちは、環境・社会面でのリスク低減に取り組み、お客様に安全で安心いただける製品を継続的にお届けします。 |
サステナビリティ検討会
JT グループのサステナビリティ課題を議論する場として、2020年から定期的にサステナビリティ検討会を開催しています。CSOを議長とし、JT グループの各事業・コーポレート部門の責任者が参加しています。2021年では3回のフォーラムを実施し、マテリアリティの更新、サステナビリティ戦略の進捗、気候変動への対応、ダイバーシティ&インクルージョン等の幅広いサステナビリティ課題について、議論と情報共有の場を設けました。なお、検討会で議論された内容は適宜社長・取締役会に報告しています。
加工食品事業では、「一番大切な人に食べてもらいたい」という想いのもと、「お客様に安全でかつ、おいしく、安心してお召し上がりいただける」製品づくりを進めています。冷食・常温事業、調味料事業、ベーカリー事業の3つの事業を展開する中で、事業活動を通じたサステナビリティへの取り組みを推進しているところです。検討会が開始された当初から参加していますが、サステナビリティのトレンドや規制動向、事業が取り組むべき課題を踏まえ、グループ全体のサステナビリティ課題を議論する場となっています。
古川 博政
執行役員 食品事業担当

ステークホルダーエンゲージメント
JT グループが長期的に事業を成長させていくためには、さまざまなステークホルダーの皆様とのエンゲージメントを通じて、社会との価値共創に努めることが重要だと考えています。経営理念である4Sモデルに沿って、日々、多様なステークホルダーと対話しています。各ステークホルダーとのエンゲージメント詳細については、JTウェブサイトでご覧いただけます。
主要指標
非財務パフォーマンス
2021年におけるサステナビリティの主な活動実績
グループにとっての重要な課題について議論を続けるとともに、目指す姿の実現に向けて努力を続けています。ご報告する進捗は活動実績の一部ですが、戦略、取り組み、目標および進捗を継続的にモニタリングし、報告することが重要と考えています。JT グループの事業活動だけでなく、バリューチェーン全体における影響を評価することで、地球環境や地域社会と共有できる価値創造につながると考えています。
JTグループとして、バリューチェーン全体の温室効果ガス(GHG)排出量の実削減に向けた取り組みをより一層進めていくことを通じて、2050年までにGHG 排出量を実質的にゼロとするネットゼロを実現していきます。再生可能エネルギー由来の電力使用を通じ、2030年までにJT グループ事業におけるカーボンニュートラルを達成します。
「ビジネスと人権に関する指導原則」(UNGP)発行10周年を機に、JT グループ初めての人権報告書(英語)を発行しました。この報告書は、JT グループ人権方針に基づいた人権デュー・ディリジェンスのアプローチや9つの顕著な人権課題を軸とした具体的な施策について、UNGPレポーティングフレームワークに準拠しつつ、包括的に整理・紹介しています。
私たちは、JT グループのコーポレート・ガバナンスを経営上の重要課題の一つと位置付け、不断の改善に努め、その充実を図っています。コーポレート・ガバナンスに関する報告書では、JT 取締役会が備えるべきスキルの考え方と取締役および監査役のスキル・マトリックスを新たにご報告しました。また、2022年度の役員報酬にESG指標を取り入れ、中長期での持続的な成長に向けたKPIを導入してまいります。
2021年、JTI は、国際的な会計・税務・コンサルティング会社アーンスト・アンド・ヤングによるGlobal Equality Standard 第1回認定企業に選ばれました。Global Equality Standardは、ジェンダー間の機会均等や報酬のレベルを評価する数少ない国際基準のひとつです。