JTの取り組み

JTの取り組み

JTでは、「たかたのゆめ」の安定生産と品質向上を図るため、2015年度より生産者の方々と共に「実証水田」の取り組みを始めました。これは、陸前高田市の主導のもと、生産者や農業団体、JTを含めた市内外の民間企業関係者らによって発足された「たかたのゆめブランド化研究会」の活動の一環としてスタートしたものです。一部の水田を実証水田として借り入れ、苗を植える間隔や肥料の量を変更するなど、区画を6つに分けて諸条件での育成状態を実験、検証。また、実証水田を市内の沿岸部・内陸部・山間部の3カ所に設けることで、各エリアでの最適な栽培方法を把握し、生産者の方々の疑問や不安に柔軟に対応することを目指しています。

水田

実証水田では6つの区画それぞれで異なる栽培方法を実施。その結果を検証していきます。

水田

エリアごとに適した栽培方法など、ノウハウを集めることで生産者をサポートしていきます。

関係者の方々の想い

白川周一さん
(「たかたのゆめ」生産者/実証水田提供・管理者)

「たかたのゆめ」は米特有のイモチ病にかかりにくく、稲も倒れにくい強い品種だということを一生産者として実感しています。もともと西日本の品種との掛け合わせによって生まれたということですから、近年温暖化してきている東北でも病害に強いのかもしれません。実際に病害に強い品種だと分かれば、農薬や肥料を通例よりも抑えられるでしょうし、結果として消費者の方々が“安全で安心なお米”という観点で「たかたのゆめ」を選んでくださるかもしれません。農家にとっては、コストカットといったメリットもあります。
この見本田でさまざまな仮説を検証していくことで、「たかたのゆめ」にとってベストな栽培方法を把握し、より安定的な生産に結び付けていければと思っています。

佐藤信一さん
(「たかたのゆめブランド化研究会」会長/「たかたのゆめ」生産者)

2015年で、「たかたのゆめ」は3年目の作付けを迎えました。白米としてのおいしさはもちろんですが、冷めてもおいしいという特性から、おにぎりや弁当にも向いている品種として多方面から好評をいただいています。しかし残念ながら、産業としての自立にはまだまだ至っていません。私は「たかたのゆめブランド化研究会」の会長として、JTから譲り受けた“希望の種”であるこの「たかたのゆめ」ブランドを一次産業活性化の起爆剤として、いかに育て、地域活性化にどのようにつなげていくべきかを日々考えています。
その検討結果の一環として今回、実証水田の取り組みを開始しました。どのような育成方法で最も安定的、かつおいしい米を生産できるのかを把握できれば、新品種を育てることに抵抗を感じている農家にとって安心材料となるはずです。JTをはじめとする“「たかたのゆめ」応援団”の方々のご恩に報いることができるよう、私たち農家は一丸となって頑張ってまいります。