社会的責任の発揮

社会的責任の発揮

私たちは、包摂的かつ持続可能な地域社会の発展を目指し、社会貢献活動に取り組んでいます。社会貢献活動は、4Sモデル、サステナビリティ戦略においても重要な役割を果たしています。

中期取り組み目標(KPI)

包摂的かつ持続可能な地域社会の発展を目指し2015年から2030年の間に、600億円の投資を行い、従業員が30万時間のボランティア活動に従事することを目指します。

* グループ全体の目標

中期取り組み目標の進捗状況

2015年から2019年の間、地域社会へ338億円を投資し、従業員は就業時間内に119,349時間のボランティア活動に従事しました。

社会貢献活動実績(円)

  2015 2016 2017 2018 2019 2030目標
社会貢献活動実績 90億 75億 61億 59億 54億  
社会貢献活動実績累計 90億 164億 225億 284億 338億 600億

従業員がボランティア活動に従事した時間数

  2015 2016 2017 2018 2019 2030目標
従業員がボランティア活動に従事した時間数 13,997* 24,957 21,911 25,429 33,055  
従業員がボランティア活動に従事した累計時間数 13,977 38,954 60,865 86,294 119,349 300,000
*

海外たばこ事業のデータのみ

2019年度の社会貢献活動の総額
就業時間内に従業員がボランディア活動に従事した時間

JTグループの取り組み

私たちにとって社会貢献活動とは、さまざまな団体と積極的に協力し、事業を展開する地域社会に変化をもたらし、事業活動を超えてコミュニティに手を差し伸べる取り組みを意味しています。JTグループ社会貢献活動の基本方針PDFを開くでは、JTグループ全体で社会貢献活動の目的を「持続的な地域社会の発展および「包摂的社会」“inclusive societies”の実現に寄与すること」と定めています。この方針により地域社会への貢献を最大化し、JTグループの事業をより持続可能なものにすることを目指しています。

すべての人は社会の一員として受け入れられるべきであり、包摂的かつ持続可能な地域社会は事業にとっても重要であると私たちは考えています。JTグループ社会貢献活動基本方針に基づき、責任ある地域コミュニティの一員として、自然・社会・人間の多様性に価値を認め、幅広いステークホルダーとともに、社会課題の解決に向けて取り組んでいきます。

包摂的かつ持続可能な地域社会の発展のために、国内外のさまざまな団体との長期的なパートナーシップを通じ、世界68カ国で約400の社会貢献活動プログラムを実施しています。世界各国の現地法人は、JTグループ社会貢献活動基本方針と国連の持続可能な開発目標(SDGs)の「人や国の不平等をなくそう」(目標10)、「住み続けられるまちづくりを」(目標11)、「陸の豊かさも守ろう」(目標15)、「パートナーシップで目標を達成しよう」(目標17)に沿ったプログラムを実施しています。

JTグループの取り組み

ロンドン交響楽団による音楽制作ワークショップに参加する、Leonard Cheshire(障がい者の自立をサポートする英国の慈善団体)のサービス利用者Kevin

格差是正

JTグループでは、包摂的社会の実現に向け、地域社会の人々のニーズに応えるさまざまな支援を行っています。2019年には、JTグループが事業を展開する国・地域の82%において、「格差是正」に関するプログラムを支援しました。その中には、226の社会福祉プログラムや105の文化芸術プログラム(誰もが文化芸術に触れられるための支援等)が含まれています。

2019年に226格差是正プログラムを支援
82%の国・地域が格差是正プログラムを支援

また、地域社会に貢献していくという方針の一環として、さまざまなボランティア活動に参加する機会を従業員に提供しています。

JTグループが提供する多くのボランティア活動を通じ、従業員は地域社会に貢献するとともにスキルを獲得することもできるため、人財育成にもつながっています。2019年には、会社提供のボランティア活動に参加した従業員を対象にアンケートを実施したところ、460名の従業員が、こうした活動のおかげで日常の仕事に役立つスキルを得ることができ、仕事の満足度やボランティア活動への関心が増したと回答しました。JTグループのボランティア活動について、詳しくはこちらをご覧ください。

2019年には、「格差是正」に関するプログラムについて、6ヵ国の現地法人からLondon Benchmarking Group(LBG)フレームワーク(英語)別窓で開くを用いたインパクトデータの報告がありました。

ケーススタディ

・モスクワの美術館を利用しやすく

モスクワの「現代美術ガレージセンター」と協力し、障がいのある方々にとって利用しやすい施設づくりを行うとともに、これらの方々が抱える問題について理解してもらうための取り組みを行っています。

このプロジェクトでは、障がいのある方々が安心して鑑賞できるよう、美術館スタッフのトレーニングを行ったり、展覧会の改善を行ったりしました。また、障がいのある方々が芸術について学び、新しい専門スキルを得られるようにインターンシップを実施しました。

この美術館は、今では誰もが安心して芸術を楽しめる場となっています。また、美術館スタッフは、このプロジェクトで得た新たな知識をモスクワ市内の他の文化施設にも共有することで、包摂的社会づくりに一役買っています。

モスクワの美術館を利用しやすく

©ガレージ現代美術館

国内での主な取り組み

災害分野

数多くの自然災害に見舞われてきた日本に本社を置くJTグループは、長年にわたり災害管理に関する知見を積んできました。2019年には、合計30のプログラムを支援し、世界で21万1,564人の人々がその恩恵を受けています。

国内では、被災地における支援活動や、災害に強いまちづくりへの支援を行っています。2019年において、JTグループは4つの長期的なプログラムを支援しています。

災害分野

災害分野への支援は、被災地における支援活動のほか、平時における災害リスク軽減への支援活動に取り組むことで、安全で持続可能な地域社会づくりを推進しています。

災害への備え:Preparedness

持続的な地域社会の発展に寄与することを目的とし、災害捜索救助隊の育成支援など、平時におけるリスク軽減への支援活動に取り組んでいます。

緊急支援:Disaster Relief

国内外での災害発生時には、グループ各社で連携し、被災地への緊急支援に取り組んでいます。

復興支援:Disaster Recovery

被害が甚大な災害において、より良い復興(Build Back Better)を目指した中期的な復興支援活動に取り組んでいます。

ケーススタディ

・陸前高田市の復興

2011年3月に東北地方を大地震が襲い、陸前高田市は津波により壊滅的被害を受けました。広大な農地が海水に浸かり、農業生産量は半減し、失業が広がるなど、地元経済に深刻な被害を与えました。

陸前高田市ブランド米「たかたのゆめ」は、JTが開発・保有していた品種「いわた13号」を、陸前高田市の復興支援を目的として、同市に寄贈して誕生したオリジナルのブランド米です。このブランド米を地域の復興に役立ててほしいとの願いから、地元行政や生産者の方々と協力して、作付けを開始し、安定生産する取り組みを行いました。

このプロジェクトは、陸前高田市に大きな影響を与えました。たった1戸の協力農家と18グラムの原種で始まった「たかたのゆめ」は、今では47戸の農家で年間253トン超*を収穫しています。「たかたのゆめ」は、同市の復興のシンボルであり、地元の誇りとなっています。

*

2019年のデータ。

陸前高田市の復興

国内での主な取り組み

環境保全

私たちは、事業活動が環境に与える影響を軽減するための環境保全プログラムを通じ、地元コミュニティと従業員がともに恩恵を受けられるよう努めています。2019年には、事業を展開する21の国々で、33の環境保全プログラムを支援しました。

国内では、全国9ヵ所の森林保全の取り組み「JTの森」を通じ、元気な森づくりを支援するとともに、ボランティア参加する従業員に、環境保全の大切さを体感してもらうようにしています。2019年には、1,005名の従業員がボランティア活動に従事しました。実施後のアンケートでは、その多くがボランティア活動に参加することで、環境保全を意識した行動をするようになり、働くことへの満足感が高まったと答えています。

JTの森で森林保全活動ボランティアに参加した従業員からのフィードバック

  • 61%が、知識やスキルの習得につながったと回答

  • 58%が、環境保全の重要性を認識し行動に変化が生じたと回答

  • 65%が、JTグループで働くことへの誇りにつながったと回答

私たちの社会貢献活動の効果を測定することで、プログラムの継続的改善につなげることが可能となります。2019年には、2ヵ国の現地法人が、LBGフレームワークを用いた「環境保全」プログラムのインパクトデータの報告を行いました。

環境保全

ケーススタディ

・中辺路における森林再生

JTは国内で15年以上にわたって森林保全活動に取り組んでいます。この活動は、和歌山県の紀伊半島にある中辺路の森で始まりました。紀伊半島は90%が森林でおおわれ、世界遺産として有名な熊野古道があるところです。

この取り組みは、地元で林業に携わる方々が減少していたことから、林業に関わる方の雇用を安定的に確保し、森林整備技術の向上に貢献することを目的としています。

中辺路における森林再生

2005年の活動開始当初、林業経済は停滞していました。林業従事者の平均年齢は70歳前後で、若い人はほとんどいませんでした。やがてそれが林業従事者の減少につながり、若者世代を惹きつける研修施設の不足が追い打ちをかけていきました。林業に関わる人の高齢化によって、新しい技術の導入が遅れ、整備されない森林が増えていました。その結果、地滑りなどの災害発生の可能性が高まっていました。

JTは、この地域において、雇用促進、若い林業従事者の育成、新技術活用の推進を支援しています。

地域活性化と地元との交流につながる「緑の雇用」事業のモデルとして高い評価を受けています。

中辺路における森林再生

国内での主な取り組み

WASH(安全な水と公衆衛生)イニシアチブ

目標

最大1,500万ドルを投資し、2025年までに100万人が安全な水と公衆衛生へ適切にアクセスできるようにします。

先進国と新興国の連帯を目指し、JTグループの売上上位10ヵ国の現地法人が資金を拠出し、発展途上国における包摂的で持続可能な地域社会づくりのための基金を設立しました。これにより、JTグループにおける社会貢献活動がバランスよく行われるだけでなく、支援を必要としているコミュニティにより大きな支援を行うことができるようになります。

WASH(安全な水と公衆衛生)イニシアチブは、水・衛生問題に苦しむコミュニティに、安全な水とトイレにアクセスできるように改善することを目的としています。2019年には、このイニシアチブの下で、3件のプロジェクト(メキシコで1件、バングラデシュで2件)を立ち上げました。現在、この両国では、安全な水とトイレへのアクセス改善を目指す国際NGOと協働しており、2020年にはエチオピアで新しいプロジェクトが始動する予定です。

JT SDGs貢献PJ(プロジェクト)

JTは2020年1月に国内で新たに「JT SDGs 貢献プロジェクト」を立ち上げました。

このプロジェクトでは、包摂的かつ持続可能な地域社会の発展に向けて、社会貢献活動の重点課題である格差是正、災害分野、環境保全および関連するSDGsに取り組むさまざまな団体の活動を支援しています。

JT SDGs貢献プロジェクトは、従来の「JT NPO助成事業」の後継事業です。JT NPO助成事業では、過去21年間で延べ1,202の民間非営利組織(NPO)に総額14億9,000万円の助成を行ってきました。新しいプロジェクトでは、対象団体を拡大し、助成額の上限を増額するとともに、通年で応募申請を受け付けています。

ボランティア活動

ボランティア活動は、従業員、私たちの事業、地域コミュニティの3者に、相互の恩恵をもたらしてくれます。また、従業員がそのスキルと知識を生かすことで、彼らが暮らし、生活の糧を得ているコミュニティにプラスの影響を与えることもできます。

JTグループでは、従業員がボランティア活動に積極的に参加することを奨励しています。ボランティア活動の機会(社会貢献プログラムやイベントへの参加)を提供したり、必要なリソース(マッチング拠出、ボランティア休暇、物的支援、募金活動)を提供しています。

2019年には、世界の1万3,896名の従業員が、延べ5万5,896時間のボランティア活動を行いました。

ケーススタディ

・ミャンマーにおける新卒者向けインターンシップ・プログラム

現在、ミャンマーでは教育への投資が不十分なため、必要とされる知識やスキルを持った人材が大幅に不足しています。そのため企業は海外から人材を採用することが多く、現地の人々の雇用機会が失われる結果となっています。

若者が職を得て、明るい未来に希望を持てるように、海外たばこ事業のミャンマー現地法人では、インターンシップ・プログラムを策定しました。きわめて実用的で今後に役立つ仕事を体験する機会を新卒者に提供することが狙いです。

さまざまな国籍の従業員が働く多文化の職場環境を体感することで、インターンは自信をつけ、チームワークやプレゼンテーションなど、職業人として必須のスキルを習得することができました。また、多彩な経歴を持った仲間といかに協働するかも学ぶことができました。

この取り組みの中では、一人ひとりのインターンに従業員のメンターをつけました。インターンに指導やサポートを与えるだけでなく、メンターである従業員にとっても、自信を深め、指導スキルを磨けるという効果がありました。

ミャンマーにおける新卒者向けインターンシップ・プログラム

測定と評価

私たちの活動はダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックス(DJSI)を含む外部機関から高く評価されています。JTグループは、DJSIの社会側面の「社会貢献活動と慈善活動(corporate citizenship and philosophy)」項目において満点を獲得し、業界のリーダーとして高い評価を得ました。

JTグループは、LBG*フレームワークを用いて、社会貢献活動の実績およびインパクトを測定しています。2019年には、事業を展開する国々への社会貢献として54億1,564万円(93%は社会貢献活動、7%は寄付金)を投資しました。社会貢献活動の効果をより正確に測定し、開示することで、すべての社会貢献プログラムが、JTグループ社会貢献活動基本方針に則り、社会にプラスの影響を与えるようにしていくことを目指しています。

LBG
*

社会貢献活動の効果測定の国際基準

支援の形式

2019年の実績

その他の日本での取り組み