法律

健康増進法について

■健康増進法の成立

受動喫煙に関して初めて規定された法令は、2003年5月に施行された「健康増進法」です。第25条において、以下の通り規定されていました。

第二節 受動喫煙の防止
第二十五条
学校、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、事務所、官公庁施設、飲食店その他の多数の者が利用する施設を管理する者は、これらを利用する者について、受動喫煙(室内又はこれに準ずる環境において、他人のたばこの煙を吸わされることをいう。)を防止するために必要な措置を講ずるように努めなければならない。

■健康増進法の改正

2018年7月「健康増進法の一部を改正する法律」(以下、改正健康増進法)が成立しました。
この法律により、望まない受動喫煙の防止を図るため、多数の者が利用する施設等の区分に応じた受動喫煙防止対策の措置が定められました。
概要は以下の通りです

第一種施設

・学校、児童福祉施設
・病院、診療所
・行政機関の庁舎
- 等

敷地内禁煙
一定の条件を満たすことで、
屋外に喫煙所を設置することが可能です

第二種施設

・事務所
・工場
・ホテル、旅館
・飲食店
・旅客運送事業船舶、鉄道
- 等

※第二種施設の屋外に関しては、改正健康増進法の対象外となります

原則屋内禁煙となりますが、一定の条件を満たすことで以下の対応が可能です

喫煙専用室の設置

※喫煙専用室は喫煙以外の行為不可

加熱式たばこ専用喫煙室の設置

※加熱式たばこ専用喫煙室内は飲食等、喫煙以外の行為可

【条件】

1.

室外から室内に流入する気流の風速が毎秒0.2m以上

2.

たばこの煙が漏れないように壁・天井等によって区画

3.

たばこの煙を屋外に排気

4.

施設の出入口および喫煙可能な場所へ、法令により指定された内容が記載された標識の掲示

- 等

※喫煙が可能なエリアには20歳未満の者(従業員を含む)を立入らせてはいけません
※経過措置として、脱臭機能付き喫煙ブースの設置が認められる場合があります

加熱式たばこ専用喫煙フロアの設置

【条件】

1.

施設が複数階に分かれている場合、たばこの煙が漏れないように、壁・天井等で区画されていること

2.

施設の出入口および喫煙可能な場所へ、法令により指定された内容が記載された標識の掲示

- 等

※喫煙が可能なエリアには20歳未満の者(従業員を含む)を立入らせてはいけません
※経過措置として、脱臭機能付き喫煙ブースの設置が認められる場合があります

※宿泊施設の客室について

旅館業法の第2条第1項に規定される旅館業の施設の客室は健康増進法の適用除外のため、「喫煙」「禁煙」を選択することができます。

既存の経営規模の小さな飲食店
(客席面積100㎡以下かつ資本金5,000万円※以下の既存の店舗)

※一の大規模会社が発行済株式の総数の1/2以上を有する場合などを除く

喫煙可能な場所である旨を掲示することにより、店内の全部または一部の場所で喫煙可能

※喫煙可能にした場合、20歳未満の者(従業員を含む)を立入らせてはいけません

※飲食等、喫煙以外の行為可

喫煙目的施設

・喫煙を主目的とするバー・スナック等
・店内で喫煙可能なたばこ販売店
・公衆喫煙所

喫煙可能な場所である旨を掲示し、一定の条件を満たすことで店内の全部または一部の場所で喫煙可能

※喫煙可能にした場合、20歳未満の者(従業員を含む)を立入らせてはいけません

※飲食等、喫煙以外の行為可

その他

・喫煙を主目的とするバー・スナック等
・店内で喫煙可能なたばこ販売店
・公衆喫煙所

喫煙を行う場合は周囲の状況に配慮

■改正健康増進法の詳細について

本ページは改正健康増進法の概要を示しており、改正健康増進法においては上記以外にも様々な規定があります。
管理権限者の皆さまが、対策を講じる場合は、厚生労働省の以下のサイトにて詳細をご確認ください。

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労働安全衛生法について

2015年に労働安全衛生法の一部を改正する法律が施行され、職場の受動喫煙防止対策が盛り込まれました。
この改正により、室内又はこれに準ずる環境下で労働者の受動喫煙を防止するため、事業者及び事業場の実情に応じた適切な措置を講じることが事業者の努力義務と規定されました。

■「職場における受動喫煙防止のためのガイドライン」の策定について

労働安全衛生法の規定と、改正健康増進法の成立を受け、事業者が実施すべき事項を一体的に示した「職場における受動喫煙防止のためのガイドライン」が策定されました。
詳細については以下、厚生労働省HPよりご確認ください