環境中たばこ煙

環境中たばこ煙は、喫煙者が吸入した煙(主流煙)の吐出煙と、たばこの先端から出る煙(副流煙)とが、空気中で拡散し、薄められたものです。また、このような環境中のたばこ煙を喫煙者の周囲の人が吸い込むことを「受動喫煙」と呼ぶことがあります。

環境中たばこ煙は、周囲の方々、特にたばこを吸われない方々にとっては迷惑なものとなることがあります。また、気密性が高く換気が不十分な場所では、環境中たばこ煙は、眼、鼻および喉への刺激や不快感などを生じさせることがあります。このため、私たちは、周囲の方々への気配り、思いやりを示していただけるよう、たばこを吸われる方々にお願いしています。また私たちは、公共の場所等での適切な分煙に賛成し、積極的に支援しています。

一方、環境中たばこ煙は非喫煙者の疾病の原因であるという主張については、説得力のある形では示されていません。環境中たばこ煙への曝露と非喫煙者の疾病発生率の上昇との統計的関連性は立証されていないものと私たちは考えています。※1また、環境中たばこ煙は、空気中で拡散し、薄められているので、喫煙者が吸い込む煙中の成分の量と比べると、非喫煙者が吸い込む量は極めて少ないものです。動物で発がん性を評価する試験においても、環境中のたばこ煙により、腫瘍を発生させることは極めて困難です。※2

乳幼児および子どもの周辺では喫煙するべきではありません。乳幼児および子どもは心身の発達過程にあり、加えて場所を移動するなど自ら環境を選択することや自分で意思表明をすることが困難です。また、未就学期における環境中たばこ煙への曝露と喘息の悪化等の呼吸器症状との関連性について報告した疫学研究も多数存在しています。

なお、お年寄りなど環境中の物質による刺激に対して敏感である方々の周りでの喫煙にも特段の配慮が必要です。

私たちは、たばこを吸われる方と吸われない方が共存できる、調和のある社会の実現のため、永年「JT喫煙マナー向上キャンペーン」を実施しているほか、関係団体と連携しつつ、喫煙マナー向上のための諸施策を行ってきています。今後ともこれらの活動を引き続き積極的に実施していきます。