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悔しさと成果、経験を力に「何がなんでも日本一になる」
-JTマーヴェラス 2017/18シーズン総括-

2018/05/25COLUMN

何がなんでも日本一になる。
2017/18シーズンを戦うJTマーヴェラスにとって、掲げられた目標は明確だった。V・プレミアリーグに復帰を果たした昨シーズンは4位。惜しくもファイナル3は逃したが最後まで諦めずに戦い切り、届かなかったあと一歩を埋めるべく、ハードワークに磨きをかける。
だからこそ、胸を張って、覚悟を持って口を揃えた。
何がなんでも日本一になるんだ、と。

チャレンジャー精神を前面に出しファイナル進出

開幕戦からフルセットの大熱戦を繰り広げるなど、昨シーズン同様に今シーズンも白熱した戦いが続く。長いようで幕を開ければあっという間に過ぎるリーグを戦い抜き、頂点に立つ。目標にブレはないが、前半戦からケガ人が相次ぎ、決して万全の状態とは言い難い状況での戦いを強いられた。
だが、苦しい時こそ真価が問われ、それぞれの役割も明確になる。攻撃力を持ち味とするウイングスパイカー金杉由香の台頭や、ケガから復帰し攻守でチームを牽引した芥川愛加の活躍が起爆剤となり、着実に勝ち星を重ね、レギュラーラウンドを2位でファイナル6へ進む。
すべての試合がベストパフォーマンスを発揮するための貴重な場であることに代わりはないが、中でも今シーズンのベストゲームと言っても過言ではない戦いぶりを見せたのが、ファイナル6の最終戦、レギュラーラウンドでは首位を走った久光製薬スプリングスとの一戦だった。

今シーズン、強化ポイントとして重視してきたサーブが冴え、相手の攻撃を封じ、ブロック、レシーブが連携したディフェンスからチャンスをつくり、要所はブランキツァ・ミハイロヴィッチが決める。主将の奥村麻依も「常に挑戦者という気持ちで気負うことなく臨めた。練習でやってきた通りのことができた」と言うように、リーグではこれまで負けなしの久光製薬を圧倒。3-0のストレートで勝利し、ファイナル6を1位通過でファイナル進出を果たした。
いよいよ日本一をつかむための最終決戦に挑む。吉原知子監督は言った。
「ここからが本当の勝負。日本一というのは簡単になれるものではないので、今まで通り、やってきたことを大舞台でも出せるようにしっかり準備をして臨みたいです」

頂点に立つ難しさ。まさにそれを思い知らされる形となったのが、久光製薬との再戦となったファイナルだ。淡々と、冷静に、でもレギュラーラウンドとは異なる熱をぶつける相手に対し、芥川が「完全に引いてしまったし、緊張してみんな足が動いていなかった」と振り返ったように、本来の姿とは程遠く、力を出し切るどころか、力を出すことすらできないままファイナルの初戦を終える。
乗り越えなければならない壁がいかに分厚く、高いものなのか。それぞれが思い知らされる形となったが、決して悲観するばかりではなく、光明もある。ファイナルという大舞台でその時点ではまだ内定選手だったウイングスパイカーの目黒優佳、林琴奈といった新戦力がスタメンでコートに立ち、攻守で安定したプレーを発揮したことはチームにとって間違いなく大きな財産であったのは間違いない。
結果だけを見ればファイナルの2戦目も久光製薬に圧倒される形になったが、レセプション、ディグ、スパイクでも存在感を発揮した林は悔しさを噛みしめながらこう言った。
「緊張してドキドキしていましたが、先輩方が『思い切りやればいいよ』と助けてくれたのでコートに立ち続けることができました。(リーグ終了後の)5月の黒鷲旗では自分が中心となってやるんだ、という強い気持ちを持って戦いたいです」
まさに有言実行。その言葉を結果として示したのが今シーズン最終戦の黒鷲旗だった。

シーズン最後の黒鷲旗で2シーズン振りの頂点へ

6日間で6連戦というハードスケジュールを戦うだけでも過酷だが、日本代表選手を欠き、少ない人数で戦い切る。体力的にも精神的にも厳しい状況ではあったが、それでも揺らがぬ自信があった、と言うのは金杉だ。
「外国人がいないから負けた、全日本がいないから負けたと言われるのは絶対に嫌だったし、ハードワークだけはどのチームよりもやってきたという自信がありました」
V・プレミアリーグで目黒、林といった新戦力がチャンスをつかんだように、黒鷲旗ではミドルブロッカーの小川杏奈、橋本梨紗も与えられたチャンスをつかみ、リーグの決勝と同カードとなった久光製薬戦ではブロック、スパイクで得点を量産。小川が「JTのミドルは私たちでも勝てるんだ、と証明したかった」と言うように、まさに全員が戦力であり、各々の役割を果たせる力を持っていることをこれ以上ない、優勝という形で示した。
順位だけを見ればV・プレミアリーグでも4位から2位とジャンプアップを遂げ、黒鷲旗で優勝。課題も多く残ったとはいえ、得られた成果や収穫も大きな一年であったように思えるが、この現状に満足する人間はいない、とリベロの小幡真子は言う。

「私個人としては去年の4位よりも今年の2位のほうがずっと悔しかったし、やりきった、という気持ちも持てずに終わりました。もう一段上に上がって、日本一になるためにはバレーボールの技術はもちろんですが、目に見えないつながりや、日常生活でおざなりにしてはいけないことがたくさんある。勝つために、強くなるために、もっともっと人と人をつなげて本当に強いチームになった、と思えるような戦いがしたいです」

満足することなく、次のスタートラインへ向けて。JTマーヴェラスの挑戦は、まだ始まったばかりだ。

JTマーヴェラス