葉たばこの調達
JTグループの葉たばこ調達モデル
JTグループでは、安定調達を意識した葉たばこ調達を行っています。グローバルな葉たばこ調達量の約半分は直接契約を結んだ小規模農家から、また残りの半分は葉たばこディーラーが契約する葉たばこ農家から調達しています。
直接契約葉たばこ農家とは責任ある関係を築き、これらの農家の暮らしや生計に対し、ポジティブで測定可能な影響を与えられるよう努めています。

直接契約葉たばこ農家数
69,000戸以上
耕作指導員数
600人以上
1シーズンの間の葉たばこ農家当たりの訪問回数
6回以上
直接契約により葉たばこ調達を行っている国
10カ国
葉たばこ調達に関する情報は以下でもご覧いただけます。
葉たばこの調達の詳細については、JTインターナショナルのウェブサイト(英語)をご覧ください。
責任ある調達の詳細については、JTインターナショナルのウェブサイト(英語)をご覧ください。
活力ある葉たばこ農家とコミュニティの構築支援
葉たばこ農家との直接契約は、農家に対する深い敬意に根ざしています。直接契約農家と緊密に協力して信頼関係を築き、公正な価格で葉たばこを買い上げ、生産性と品質を高めるためにそれぞれの農家に合った農業技術の指導や支援を行っています。このような取り組みが、葉たばこ生産地の経済向上や農業コミュニティの強化につながり、活力とレジリエンスのある地域社会を生み出しています。
たばこ農家の生活収入の進捗
ターゲット
私たちは、JTグループに葉たばこを提供するすべての農家の方々が生活収入を得ることを強く望んでいます。また、2025年までに、直接取引のある葉たばこサプライチェーン産地のすべてにおいて、生活収入の測定を行います。
進捗
直接取引のある葉たばこサプライチェーン産地のすべてにおいて、生活収入の測定を完了しました。この結果をさらに分析し、今後の対応を検討してまいります。
直接契約以外の葉たばこ農家における児童労働リスクへの対処
JTグループは、ECLT財団、同業他社、サプライヤー、国際たばこ耕作者組合との協力の下、児童労働の根絶に取り組んでいます。このような協力は、共にソリューションを見出し、児童労働撲滅に向け大きな歩みを進めるために不可欠です。
ECLT財団は、影響力の大きいプロジェクトや専門的知見に基づく啓蒙活動を通じて、児童労働のない豊かな農業コミュニティを生み出すことを目指しています。ECLT財団による取り組みは、グローバルたばこメーカーが参加するSustainable Tobacco Program(STP)とも整合するものであり、それぞれの強みを生かし、より大きな影響を与えるために相互に協力しています。
2011年以来、ECLT財団は37万人以上の子どもたちを児童労働から解放し、17万世帯以上の家庭の家計的自立を支援してきました。
ECLT財団の活動の詳細については同財団のウェブサイト(英語)をご覧ください。
ARISEプログラム
私たちは、グループの中核的プログラムとして2011年に立ち上げたARISE(Achieving Reduction of Child Labor in Support of Education)を通じて、葉たばこ耕作コミュニティにおける児童労働の防止および撲滅の徹底を図っています。たばこ事業、国際労働機関(ILO)とNGOであるWinrock Internationalの3者が共同開発したこのプログラムは、JTグループが葉たばこを調達しているコミュニティにおける児童労働の撲滅を目指しており、永続的な効果を可能にする施策の実施により、プラスの変化を次々と生み出しています。
詳細はARISEプログラムのウェブサイト(英語)をご覧ください。
児童労働を含む人権モニタリングの進捗
ターゲット
2025年までに、直接取引のある葉たばこサプライチェーン産地のすべての農場において、児童労働を含めた人権モニタリングを実施するとともに、関連するKPIs、防止策、是正策を年次で開示します。
進捗
直接契約のある葉たばこ産地における耕作労働規範(ALP)等の遵守状況確認を通じた人権モニタリングを実施し、即座に対応が必要と判断した違反を認識するとともに、これについて是正策を講じました。今後も、本取り組みを継続するとともに、人権影響評価なども組み合わせることで、葉たばこ農家における人権課題に対応していきます。なお、関連するKPIsおよび防止策・是正策の取り組み状況は、以下のとおりです。
(関連するKPIs)
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確認された違反件数:7件
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履行された是正アクションの数:7件
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是正アクションの履行率:100%
(防止策・是正策の取り組み状況)
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ARISE*プログラムの児童労働に関する教育・啓発活動に参加した地域住民および教員の数:25,932人
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社会経済エンパワーメントの結果、収入が向上した世帯数:1,709世帯
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ARISEプログラムを通じたエンゲージメントの結果、策定、改定または修正された政府施策・計画の数:2件
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児童労働リスクのある子どもたちのうち、児童労働からの切り離し、または児童労働の防止を実現し、学校へ入学した数:9,019人
詳細はARISEプログラムのウェブサイト(英語)をご覧ください。
同業他社との協業やベストプラクティスの共有
JTグループの耕作指導員が労働に関わる問題を発見した際には、発見事項を現地のマネジメントに報告するか、問題の性質によっては、農家に直接伝えます。
葉たばこを直接調達する国ごとに設置するサプライチェーン・デュー・ディリジェンス(SCDD)コミッティでは、4ステップのフレームワークを用いて適切な対応を策定し、葉たばこ農家が問題の根本原因に対処できるよう支援します。また、効率的かつ一貫した取り組み実施のため、JTグループのSCDDプロセスやALPと、業界を挙げた取り組みであるSustainable Tobacco Program(STP)との間のシナジーを継続的にマッピングしています。このSTPは、業界各社の協力の下、葉たばこ耕作地における人権や環境問題、その他のサステナビリティ課題に取り組むもので、継続的改善を通じ、持続可能な農業を促進しています。
詳細はJTインターナショナルのサステナビリティサイト(英語)をご覧ください。
サプライヤースクリーニングおよびデューディリジェンスの推進の進捗
ターゲット
JTグループのすべての主要サプライヤーに対し、ESG観点でのスクリーニングを実施します。
さらに、持続可能な事業の継続のため、2025年までにたばこ事業におけるすべての重要サプライヤーに関するESGリスクを能動的に管理し、また、2028年までにすべての葉たばこ供給事業者において、90%超のサプライチェーン・デュー・ディリジェンス成熟度スコア*を独立第三者保証付きで達成することを目指します。
医薬事業および加工食品事業においては、2025年までに、すべての主要サプライヤーに対するサプライチェーン・デュー・ディリジェンスを完了し、以降も定期的に実施します。
また、加工食品事業においては、JTグループサプライヤー行動規範やアンケート等を用いて価値観を共有しながら、サプライヤーと密接なコミュニケーションを行い、協力関係の構築を通じて持続可能なサプライチェーンの実現を目指します。
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サプライチェーン・デュー・ディリジェンス成熟度スコア:サプライチェーン・デュー・ディリジェンスの5段階(「課題の特定」「優先順位付け」「対応」「測定」「開示と報告」)に基づく質問に対するサプライヤーの回答を基に算定
進捗
JTグループ全体においては、主要サプライヤーに対するESG観点でのスクリーニングが99.6%に達しました。スクリーニングが完了していないサプライヤーについては、引き続きフォローアップを実施していきます。
また、個々の事業の取り組みとして、たばこ事業においては、重要なサプライヤーに対するESG評価の計画・実施に取り組んでおり、順調に進んでおります。加えて、サプライチェーン・デュー・ディリジェンスに関するサプライヤーの理解と報告の正確性を向上させるための取り組みも行いました。
加工食品事業においては、人権に係る取り組み状況をより深く理解することを目的に、サプライチェーンにおける主要な一次サプライヤーに対しヒアリングを実施しました。なお、これと並行し、JTグループの調達基本方針、およびJTグループ人権方針に則ったサプライヤーとのコミュニケーションの一環として、サプライヤー 95社にESGの取り組み状況に関するアンケートおよびヒアリングを実施し、価値観を共有するとともに各サプライヤーの状況を把握しました。
葉たばこ農家における労働関連課題の特定
直接契約葉たばこ農家と葉たばこディーラーに対しては、JTグループの耕作労働規範(ALP)の実施とモニタリングを求めています。ALPは、葉たばこ耕作の現場で遵守が求められる最低限の労働基準を定めたもので、何らかの違反が見つかった場合は、農家を訪問する耕作指導員により記録されます。
また、サプライチェーンインパクトアセスメントも実施しており、これにより、労働関連課題の特定につなげています。
耕作労働規範(ALP)については、リーフレット(英語)をご覧ください。
トレーサビリティの確保
葉たばこ農家や葉たばこディーラーとのエンゲージメントを通じて、私たちは透明性の高いサプライチェーンを維持しています。これにより、葉たばこ品質や各種規範の遵守状況、サステナビリティに向けた取り組みに関するモニタリングが容易になり、当社グループの高い基準を満たし、倫理的価値観に合致する葉たばこの調達が可能となります。
サステナビリティ原則の浸透
環境スチュワードシップへのJTグループのコミットメントの一端を示すのが、耕作指導員による指導や農業技術の公開講座、サステナビリティ関連のさまざまな取り組みです。土壌の健全性維持から水の保全に至るまで、次世代のために天然資源を守る活動を支援しています。このような環境保全のための活動と並行して、人権尊重や労働基準遵守に向けた取り組みや調達プロセスの各段階における効果的なガバナンスの実践も進めています。
責任あるパートナーシップの推進
直接契約葉たばこ農家であるか葉たばこディーラーかを問わず、倫理的価値観を共有するパートナーと協働したいと私たちは考えています。パートナーに対しては、JTグループが自らに課すのと同じ高い基準の遵守を求めています。
Win-Winのアプローチ
JTグループは、誠実さ、持続可能性、すべてのステークホルダーの尊重を優先事項として掲げるグローバル企業であり、その企業姿勢は、葉たばこ調達にも表れています。責任ある調達を業務の中核に位置付けることで、葉たばこ農家、サプライヤー、お客様、そして地球環境に長期的な価値を提供します。
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