シガーとともに歩む島国・キューバ

国民文化といえるキューバのシガー 灼熱の太陽、リズミカルな音楽、そして陽気で笑顔の絶えない人々。近年、旅行先としても人気がある、世界随一のシガー大国・キューバの魅力に触れます。

  • 1. 国民文化といえるキューバのシガー
  • 2. シガー大国に至る経緯
  • 3. キューバの現代史とシガー
  • TOP

キューバの概要

  シガーといえばキューバ。そういっても差し支えないほど、多くのシガー・ブランドを確立しているキューバは、カリブ海に浮かぶ最大の島国です。首都ハバナに降り立つと、まるでタイムトラベルしたかのようなレトロな景観が広がります。約半世紀にもわたって、アメリカと国交を断絶していたこともあり、スペイン統治時代のコロニアル調の街並みが残り、50年代のクラシックカーが現役で通りを走っているのです。

コロニアル調の建物と、
クラシックカーが往来するハバナの街並み。
(Hang Dinh / Shutterstock.com)

白い砂浜に青い空と海が広がるバラデロ・ビーチ。


  市街地を抜ければ、カリビアン・ブルーの海が目に飛び込みます。かつては多くのアメリカ人が過ごしたリゾート地だったというのも納得の美しい景観です。中南米諸国の中では、比較的治安が安定していることでも知られています。

  キューバは、ルンバやチャチャチャ、サルサなど、リズミカルで情熱的な音楽や踊りの生まれ故郷でもあります。90年代後半には、バンド「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」の影響で、日本でもキューバ音楽が流行しました。今日でも古き良き文化の香りが色濃く残ります。


キューバのシガーとは

  200以上あるという河川が作り出した豊かな土壌と、熱帯の気候。これらがシガー用の葉たばこに最適な環境をもたらしました。キューバ国内でも特に有名な産地であるブエルタ・アバホは、黒みがかった赤土が特徴で、適度な油分を含む葉を育みます。地上で最も、シガー用の葉たばこ栽培に適した場所ともいわれているのです。

  シガーの葉は、芯として使われる「フィラー」、フィラーを包んで固定する「バインダー」、一番外側に巻く「ラッパー」の3つから成り立っており、これらにいくつもの種類の葉を組み合わせることでさまざまな味わいを生み出します。

葉たばこの芯を抜く作業をするキューバの女性。


  また、材料だけでなく、葉の巻き方もシガーの価値を大きく左右します。熟練の職人「マスター・トルセドール」が手巻きしたシガーの、深みある味わいは格別で、至福のひとときへと誘います。こうした卓越した技術も、キューバ・シガーが絶賛される理由の1つです。


キューバの人々の生活

  何かにつけてカフェや道ばたで歌い踊り出す……キューバの街中では、にぎやかな音楽と笑顔が絶えません。毎日、どこかでイベントやお祭りが開催されているといっても過言でないといいます。とても陽気な国民性なのです。

  シガーのイメージが強いキューバですが、実際に訪れてみると、想像よりもキューバ市民がシガーを嗜む光景を目にすることはなく、あっても国内消費用の配給シガーで、ブランドものではありません。キューバで生産されるシガーのほとんどは、輸出用、もしくはキューバ国内で外国人向けに販売する高級商材のため、関連従事者でないと嗜む機会はほとんどないそうです。

カーニバルで竹馬に乗りながら音楽を奏でるパフォーマー。
(Kamira / Shutterstock.com)


COLUMN キューバで買い物するならココ!

  キューバの名産品はシガーだけではありません。定番のお土産であるコーヒー、ラム酒の他、格安で手に入る革製品、スタイリッシュで独特な色使いをしたファッションアイテム、絵画など、多岐にわたります。もしキューバを訪れたのならば、ぜひ訪ねてみたいのがこの2カ所!

サン・ホセ民芸品市場

ハバナ旧市街にある倉庫を改造した市場で、100以上の店舗がところ狭しと並んでいます。一度にさまざまなお土産を見て回れる上に、英語でのやりとりや、クレジットカードの使用が可能なのが嬉しいところ。

プラザ・カルロス・テルセーロ

セントロ・ハバナ地区に位置するショッピングモール。キューバでは慢性的に物資が不足しているため品数は決して豊富とはいえませんが、現地の食料品や日用品をお手頃価格で入手できます。外国人向けの土産店にはない、掘り出し物があるかもしれません。

棚にずらりと並ぶ、シガーの数々。
(Oscar C. Williams / Shutterstock.com)

戻る
次へ