早わかり将棋入門
戦法と囲い
勝つための戦法を知ろう
駒の動かし方を覚えても、むやみに動かすだけではなかなか勝てません。
うまく勝つために、いろいろな戦法や玉の囲い方を覚えるのがコツです。
飛車の使い方が鍵
将棋には駒をうまく使って攻めるための「戦法」がたくさんあります。その中で飛車を右側に置いて使う「居飛車(いびしゃ)」、飛車をヨコに動かしてから使う「振り飛車(ふりびしゃ)」に大きく分かれます。「居飛車」や「振り飛車」の中でも代表的な戦法をいくつか紹介します。
また、将棋は相手の玉を詰ますゲームですが、自分の玉を守ることも大切です。金や銀などで玉を守る「囲い」についても紹介します。

居飛車戦法
(いびしゃせんぽう)
「居飛車戦法」は、飛車が元の位置に「居る(いる)」指し方を言います。飛車をタテに使って攻めを狙います。2筋だけでなく、(先手から見て)3筋や4筋に飛車を動かして使う指し方も「居飛車戦法」の仲間です。玉は飛車と反対側の左に動かして守りましょう。
※タテの列を「筋(すじ)」、ヨコの列を「段(だん)」と呼びます。
棒銀戦法
(ぼうぎんせんぽう)

「居飛車」の中でも強力な攻めを狙えるのが「棒銀戦法(ぼうぎんせんぽう)」です。棒のように右の銀を飛車の前に出していくことから「棒銀」といいます。飛車と銀が協力して、2筋の突破を目指す戦法です。
右四間飛車戦法
(みぎしけんびしゃせんぽう)

先手が飛車を4筋に展開して攻めるのが「右四間飛車戦法(みぎしけんびしゃせんぽう)」です。飛車、角、右の銀、右の桂を使って4筋を集中攻撃する、攻撃力の高い戦法です。
振り飛車戦法
(ふりびしゃせんぽう)
「振り飛車戦法」は飛車を中央よりも左側に「振る」(動かす)戦法を言います。「振り飛車」を指すときは、飛車のいない右側に玉を囲いましょう。「美濃囲い(みのがこい)」や「穴熊囲い(あなぐまがこい)」との相性が良く、玉をしっかり守れるので、安心して攻めに集中できます。
中飛車戦法
(なかびしゃせんぽう)

「中飛車戦法(なかびしゃせんぽう)」は中央の5筋に飛車を動かして使う戦法です。「振り飛車」の中でも攻撃的に指せるため、初級者の方に人気がある戦法です。
四間飛車戦法
(しけんびしゃせんぽう)

「四間飛車戦法(しけんびしゃせんぽう)」は飛車を左から4番目の筋に動かす戦法です。攻めと守りのエリアが分かれてバランスがいい戦法です。
三間飛車戦法
(さんけんびしゃせんぽう)

最近のプロ棋士の間でもたくさん指されている振り飛車が「三間飛車戦法(さんけんびしゃせんぽう)」です。飛車を左から3番目の筋に動かします。攻撃の幅が広いのが長所です。
囲いの種類
将棋は相手の玉を詰ますゲームですが、自分の玉も狙われます。玉がひとりぼっちだと危険なので、金や銀で守る「囲い」を組めば、相手の攻めも怖くないですよ。
攻める場所と守りの場所を別々にするのが囲いを作るときのコツです。つまり、自分の飛車が右側にいるときは左、飛車が左にいるときは右に囲いを作りましょう。ひとりぼっちでも危ないですが、攻める場所に玉がいるのも危ないからです。
矢倉囲い
(やぐらがこい)

「矢倉囲い(やぐらがこい)」は「居飛車」のときに使う囲いで、上からの攻めに強いです。「棒銀戦法」と組み合わせるのがいいでしょう。6七と7八に金、7七に銀を配置して、玉を8八に移動させます。8八には角がいるので、7九から6八などに動かして玉が8八に入れるようにしましょう。
美濃囲い
(みのがこい)

「振り飛車」を指すときによく使うのが「美濃囲い」です。ヨコから攻められたときに金の守りが強いです。玉を2八に移動して、3八に銀、左の金を5八に配置して組み上がります。あまり手数はかかっていませんが、堅い囲いです。
穴熊囲い
(あなぐまがこい)

囲いの中で最も堅いのが「穴熊囲い」。香を1八に上げてから玉を1九に移動して、銀を2八、金を3八と3九へと駒をたくさん動かす必要はありますが、完成すれば簡単には崩されません。