2022年度一回戦第二局

対局結果

一回戦第二局 (北陸・信越大会)

131手にて斎藤八段の勝利

開催日:7月9日(土)
会場:石川県産業展示館 3号館西面

木村一基九段

斎藤慎太郎八段

大盤解説:深浦康市 九段 聞き手:安食総子 女流初段 読み上げ:高浜愛子 女流1級

勝者の斎藤八段は、9月10日(土)に行われる「二回戦第二局」でシード棋士の渡辺明名人と対局!!

  • タイトル・段位は対局時点のものです。

講評/勝利棋士コメント

大盤解説者・深浦九段の講評

対局前の両者のコメントでは、木村九段は「『JTプロ公式戦』は出場するだけで大変名誉な棋戦で、去年ようやく初勝利を挙げることができました。

斎藤八段は定跡を突っ込んで研究しており、また詰将棋を得意としていて終盤切れ味のある将棋です。金沢では久しぶりのイベントですから、来て良かったと思ってもらえるような将棋をお見せしたいです」と意気込みを語った。

一方の斎藤八段は「この大会は『JTプロ公式戦』の前にこども大会がありまして、私もそこで優勝したことがプロを目指すきっかけになりました。

木村九段は受けで有名ですが、攻めるときは攻めるというバランスの取れた棋風です。持ち時間の短い棋戦ですので、私自身の決断力をより向上できればと思っています」と抱負を語った。

振り駒は抽選で選ばれた来場者が行い、と金が3枚で斎藤八段の先手と決まる。

両者得意の角換わり腰掛け銀。43手目▲4五桂から開戦し、全面的な戦いに。当初の予想とは逆に木村九段の攻め、斎藤八段の受けという展開になったが、木村九段が一瞬のチャンスを逃す。

最後は斎藤八段が127手目▲2三飛成から木村玉を即詰みに切って落とし、大熱戦を制して二回戦進出を決めた。

大盤解説の深浦九段の講評は以下の通り。

「角換わり腰掛け銀はよくある形。しっかり研究した上で、枝分かれとなる分岐の部分についてもいろいろと調べておかないといけません。

後手は伊藤匠五段が指した△5五角~△4六角~△1三角という手を採用しました。戦前の予想とは逆に、木村九段の攻め、斎藤八段の受けという展開になりました。110手目△7四金ではなく、△7八銀▲9七玉△9五歩だったら木村九段にチャンスがあったのかもしれません。

それを逃して棋勢は斎藤八段に傾きましたが、127手目▲2三飛成からきれいに即詰みに討ち取ったのはさすがです。だいぶ前から狙っていた筋なんでしょうね。

手に汗を握る大熱戦とは本局のことで、会場に足を運ばれた方、中継をご覧になられた方も満足していただけたと思います。ほんの少しの差が勝敗を分けましたが、素晴らしい大熱戦でした」。 

勝利棋士・斎藤八段のコメント

角換わり腰掛け銀は想定内でしたが、いろんな形がありますからどれになるのかはやってみないとわかりません。封じ手のあたり▲6四歩は藤井聡太竜王が指した手ですが、その時の解説が木村九段だったので、狙われているかと思って55手目は▲7九玉にしました(笑)。

現代将棋は研究と研究のぶつかり合い、さらにその先に何があるかという戦いです。一応テーマとしていた図をやれたというので満足感はあります。自分は長考派ですが、早指し棋戦はもう指すしかありません。

この一局だけで決断力が付くはずはありませんが、いい経験にはなったと思います。次は熊本で渡辺名人ですね。戦えるチャンスが来たので、しっかり準備して対戦に臨みたいですね。

動画

対局の動画をご確認いただけます。

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棋譜

斎藤八段
木村九段
(持ち時間各10分間)
【操作方法】
開始局面を表示
10手戻す
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10手進める
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棋譜を反転

まで131手で先手の勝ち

消費時間=10分10分