2022年度一回戦第四局

対局結果

一回戦第四局 (静岡大会)

128手にて羽生九段の勝利

開催日:7月30日(土)
会場:ツインメッセ静岡 北館大展示場

羽生善治九段

菅井竜也八段

大盤解説:島 朗 九段 聞き手:室谷由紀 女流三段 読み上げ:伊藤明日香 女流初段

勝者の羽生九段は、9月23日(金・祝)に行われる「二回戦第四局」でシード棋士の藤井聡太竜王と対局!!

  • タイトル・段位は対局時点のものです。

講評/勝利棋士コメント

大盤解説者・島九段の講評

対局前の両者のコメントでは、羽生九段は「実は『JTプロ公式戦』に初めて出場したのが静岡大会でした。公開対局ですしとても緊張したのを覚えています。

菅井八段は振り飛車党で、早見えで独自の工夫がある棋士です。時間の短い棋戦ですので、集中力を保ってうまく対応できればと思います」と意気込みを語った。

一方の菅井八段は「初めて出た大きな将棋大会が小学4年生のときの『テーブルマークこども大会』でした。同時に行われる『JTプロ公式戦』への出場はとてもうれしいです。

羽生九段は相手の得意戦法を引くことなく勝負する、理想とする棋士です。持ち時間が短いので瞬発力が大切です。自分を信じて勢い良く指せればいいなと思います」と抱負を語った。

振り駒は、と金が3枚で菅井八段の先手と決まる。

先手の中飛車に対し、後手も6手目△5二飛で相中飛車という展開に。4枚の銀が対峙する珍しい形になった。

先手は59手目▲2八飛~▲2三銀成と後手玉を目がけて攻め込むが、一息ついてみると歩切れになったのが大きかったか。冷静に攻めを受け止めた羽生九段が徐々にリードを広げ、逃げ切って二回戦進出を決めた。

大盤解説の島九段の講評は以下の通り。

「菅井八段得意の中飛車に対し、後手の羽生九段が相中飛車という、見たことのない珍しい形になりました。先手に手を作らせないという意味の周到な作戦でしょうね。

菅井八段は先手ということもあり、59手目▲2八飛~▲2三銀成と切り込んで後手玉に直接攻めかかろうとしますが、羽生九段は丁寧に受けて攻めを続けさせません。

△5六角から馬を作り、自陣に△3二銀と補強するなど常に一手先に受けて徐々にリードを広げていきます。決め手となったのは106手目△6一金で攻め駒の角を取り切った手です。

羽生九段が本来のペースを取り戻して、指し手に迷いがなかったような一局だった気がします」。

勝利棋士・羽生九段のコメント

相中飛車の序盤は先手からどう打開するのかがわからなかったので、やってみました。先手が先に形を決めないといけないですから。

先手は後手陣が組み上がる前の不完全な状態で仕掛けてきました。61手目▲2三銀成は先手としてやってみたくなる手で、対局しているときはまだまだ難しいのかなと思って指してました。

結果的には先手が歩切れになったのが大きかったみたいです。こちらは106手目△6一金で攻め駒の角を捕獲して安全になりました。

久しぶりの公開対局に勝ててよかったです。次は藤井竜王ですが、なかなか当たれないので楽しみですね。注目してもらえればと思います。

動画

対局の動画をご確認いただけます。

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棋譜

菅井八段
羽生九段
(持ち時間各10分間)
【操作方法】
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棋譜を反転

まで128手で後手の勝ち

消費時間=10分10分