2022年度二回戦第二局

対局結果

二回戦第二局 (熊本大会)

177手にて斎藤八段の勝利

開催日:9月10日(土)
会場:グランメッセ熊本 展示ホールC・D

渡辺 明名人

斎藤慎太郎八段

大盤解説:森内俊之 九段 聞き手:竹部さゆり 女流四段 読み上げ:小高佐季子 女流初段

勝者の斎藤八段は、10月15日(土)に行われる「準決勝第一局」で永瀬拓矢王座と対局!!

  • タイトル・段位は対局時点のものです。
  • 渡辺名人は名人・棋王のタイトル保持者です。

講評/勝利棋士コメント

大盤解説者・森内九段の講評

対局前の両者のコメントでは、渡辺名人は「『JTプロ公式戦』は公開対局なので力が入るというか、初戦ですのでそれなりに緊張感はあります。一局でも多く指せるよう頑張りたいですね。

斎藤八段は終盤が鋭い印象です。2年連続で対戦した名人戦は持ち時間が9時間ですが、この『JTプロ公式戦』は持ち時間が一番短い棋戦です。そのギャップを埋めて行くことがカギでしょうか」と意気込みを語った。

一方の斎藤八段は「熊本は初めてです。対局者として来ることができて大変うれしく思います。渡辺名人は決断が良く、大変な相手ですが、そろそろ良いところをお見せしたいと思います。

『JTプロ公式戦』は早指し戦ですから、決断を求められます。長考派の私にとってそれが良い方に作用してくれればと思います」と抱負を語った。

振り駒は来場者の中から抽選で選ばれた方がおこない、と金が3枚で斎藤八段の先手と決まる。

角換わり腰掛け銀に進行し、両者の細かい駆け引きの末、渡辺名人が先攻、それを斎藤八段が受ける展開に。渡辺名人が押し気味で進めるも、斎藤八段は必死の頑張りを見せて離れない。

形勢が二転三転する中で、斎藤八段がピンチを抜け出して逆転勝利。ベスト4進出を決めた。

大盤解説の森内九段の講評は以下の通り。

「序盤は角換わり腰掛け銀にはよくある駆け引きです。斎藤八段の封じ手▲6八金は玉が薄くなるので指しにくい手です。

案の定、渡辺名人は△8六歩から先攻し、渡辺名人の攻め、斎藤八段の受けという、お互いの持ち味が出る展開になりました。

中盤以降、渡辺名人が押し気味のように感じましたが、本局の斎藤八段は闘志あふれる指し手で離されずについていきました。

いったん8二に打った歩を成り捨てて▲8三歩と打ち直したり、103手目▲7八銀とか。その頑張りが功を奏して次第に混戦になりました。

三転四転と局面は揺れ動きましたが、136手目△5七銀で先手玉が詰んでいなかったのが渡辺名人にとって誤算でしたか。

その後も先手玉は危ない形でしたが、171手目▲6四銀が決め手で、新境地を見せた斎藤八段が大熱戦に終止符を打ちました。見応えのある面白い将棋だったと思います」。

勝利棋士・斎藤八段のコメント

封じ手の▲6八金は、以前朝日杯で藤井聡太竜王と対戦した際、藤井竜王が指した手で、ちょっと研究していた手です。

渡辺名人には2年連続名人戦で敗れ、壁の厚さを感じましたし、名人戦以降満足のいく将棋が指せていないなあとも感じていたので、本局はなりふりかまわず行こうという気持ちで戦いました。

途中から押され気味でしたが、▲8二歩を成り捨てて▲8三歩と打ったのもそうですし、103手目▲7八銀も普段ならきれいな手を指してそのまま負けてしまうことが多いかもしれません。

終盤171手目▲6四銀が見えてようやく行けるかもと思いました。これで地元の大阪大会に進出することができました。

今日の勝利をきっかけにしてまた頑張りたいと思います。

動画

対局の動画をご確認いただけます。

  • 動画内で実施している「クイズキャンペーン」は終了しています。

棋譜

斎藤八段
渡辺名人
(持ち時間各10分間)
【操作方法】
開始局面を表示
10手戻す
1手戻す
1手進める
10手進める
投了図を表示
棋譜を反転

まで177手で先手の勝ち

消費時間=10分10分