2022年度二回戦第三局
対局結果


二回戦第三局 (四国大会)
116手にて稲葉八段の勝利
開催日:9月17日(土)
会場:サンメッセ香川 大展示場
豊島将之JT杯覇者
稲葉 陽八段
勝者の稲葉八段は、11月6日(日)に行われる「準決勝第二局」で二回戦第四局勝者と対局!!
- タイトル・段位は対局時点のものです。
講評/勝利棋士コメント
大盤解説者・野月八段の講評
対局前の両者のコメントでは、豊島JT杯覇者は「『JTプロ公式戦』は対局を生で見ていただけるのがうれしいです。持ち時間が短いので決断良く指すのが重要です。
稲葉八段は歳も近く小学生の頃から対戦しています。攻めの鋭さと、玉形がバラバラでも結構気にしないところがあります。
前に出ていくのが自分の持ち味なので、そういう展開になるように集中して戦いたいですね」と意気込みを語った。
一方の稲葉八段は「『JTプロ公式戦』はトップ12人しか出場できない棋戦で、今回出場できて光栄に思っています。
時間の短い棋戦はスリリングな展開になって激しく戦うのが好きなんです。最近の豊島JT杯覇者は、AIの影響か積極的に攻める傾向があります。
序盤の研究も深いので、こちらがそれに対応できるか。自分の将棋を指せるようにしたいですね」と抱負を語った。
振り駒は来場者の中から抽選で選ばれた方が行い、歩が4枚で豊島JT杯覇者の先手と決まる。
相居飛車の序盤から、お互い角交換を避けて相雁木に。先手の豊島JT杯覇者が43手目▲4五歩で開戦。
後手の稲葉八段は先手の攻めをかわしながら、粘りの姿勢で応戦。もらった歩で6筋を攻めたあたりで逆転に成功、勝った稲葉八段は準決勝進出。
11月6日東海大会で藤井聡太竜王と羽生善治九段の勝者と対戦する。
大盤解説の野月八段の講評は以下の通り。
「本局の相雁木は棋士が注目している最もホットな形になったと思います。両者とも想定していたのか早い進行で、封じ手のタイミングに悩みました。
お客さんには有力な候補手が複数あって、対局者は封じ手休憩で仕切り直しができますから、いいところで入れてあげたいのです。
あのあたりは▲2四歩の突き捨ての有無とか、先手の攻めにはいろいろな組み合わせがありました。そこはまた検証されるでしょうね。
本局は△1三同玉となった形から△3七角以下稲葉八段の粘りが見事でした。短い持ち時間の中で、構想を立て直したのが素晴らしいです。
感想戦では▲6三歩成とせずに▲5五香だったら難しいという話がありました。6筋に歩の攻めが回ってからは後手が良くなりました。途中からなら稲葉八段の会心譜と言えるかもしれません」。
勝利棋士・稲葉八段のコメント
雁木はたまにやることはあるのですが、相雁木はあまり考えていなかったです(笑)。
封じ手の▲5三桂成は食ってはいけなかったなと。とすると△4四歩のところで△4四角とかになりますかね。
▲1三歩△同香が入っているので、自玉への響きが違うのをウッカリしていて。あのあたりは先手が良くなる手順がきっとあると思います。
こちらは先手の飛車を封じるために△3七角ともたれて指しましたが、75手目▲6三歩成を入れずに▲5五香だったら難しかったと思います。
△6七歩からの反撃が厳しい攻めになりました。次はどちらが来ても将棋界のスーパースターとです(笑)。
お客さんの前でスリリングな勝負をお見せできるように頑張ります。
動画
対局の動画をご確認いただけます。
- 動画内で実施している「クイズキャンペーン」は終了しています。
棋譜
まで116手で後手の勝ち
消費時間=10分10分