2022年度決勝戦
対局結果


決勝戦 (関東大会)
114手にて藤井竜王の勝利
開催日:11月20日(日)
会場:幕張メッセ 国際展示場4~6ホール
藤井聡太竜王
斎藤慎太郎八段
藤井竜王が斎藤八段を下し、羽生善治九段の持つ最年少優勝記録(21歳2か月)を更新!
史上初「こども大会」優勝経験者のJT杯覇者が誕生!
- タイトル・段位は対局時点のものです。
- 藤井竜王は竜王・王位・叡王・王将・棋聖のタイトル保持者です。
講評/勝利棋士コメント
大盤解説者・郷田九段の講評
対局前の両者のコメントでは、藤井竜王は「昨年は決勝でやられてしまいましたので、今回はその経験を生かして精一杯戦いたいと思います。斎藤八段は居飛車党本格派で詰将棋が趣味というのも共通していて、対戦ができることをうれしく思います。
(決勝戦は)見ていただく方に楽しんでいただけるよう、いい内容の将棋をお見せできればと思います」と意気込みを語った。
一方の斎藤八段は「『JTプロ公式戦』は出場するのも大変な棋戦ですので、決勝まで来られて大変うれしく思います。また決勝が藤井竜王というのも(笑)。
藤井竜王はいつも安定してミスのない将棋を見せています。(決勝戦では)自分の一番のパフォーマンスが出せるように整えて臨みたいと思います」と抱負を語った。
振り駒は来場者の中から抽選で選ばれた方が行い、と金が3枚で斎藤八段の先手と決まる。
両者得意の角換わりから、先手が積極的に先攻を狙う展開に。後手の△3三桂に対し、斎藤八段は薄くなった端を狙って敢然と▲1五歩と仕掛けるが、何か誤算があったようで後手が優勢に。
後手からの△5五桂の攻めが厳しく、藤井竜王がそのまま押し切って勝利。昨年の準優勝の経験を生かして、出場4回目で初のJT杯覇者となった。
大盤解説の郷田九段の講評は以下の通り。
「両者得意とする角換わり腰掛け銀に進み、封じ手の局面で斎藤八段が▲1五歩と仕掛けました。紙一重の攻めでしたが、感想戦で斎藤八段は△2五香から飛車を取られる筋を軽視していたという発言がありました。
結果論ですが▲1五歩では▲3三桂成△同銀▲5六歩といった展開や、△4九角に▲3八角と合わせる順であれば、まだまだ長い戦いになって斎藤八段としても持ち味を発揮できたかと思います。本譜の順では斎藤八段の力が出しにくい展開になってしまいました。
藤井竜王は特に変わったことをしてはいないんですが、相手に与えるプレッシャーが半端ないというか。堂々たる勝利だったと思います」。
勝利棋士・藤井竜王のコメント
角換わり腰掛け銀になりましたが、斎藤八段が序盤から変化してきたので、それにうまく対応しないといけない展開になりました。
48手目△6三金と上がったのは桂頭攻めに備える意味もありますが、飛車の横利きを通しておいた方が▲1五歩からの端攻めにも対応しやすいかと思ったもので。
68手目△5一玉で、こちらの△5五桂が厳しいので優勢を感じました。
昨年の決勝戦は一直線の攻め合いで負けてしまいました。今回結果を出せたのはその経験もありますし、時間の配分についても意識したことが大きかったと思います。
こどもの頃から楽しみにしていた「JTプロ公式戦」で優勝できたことは大変うれしく思います。

棋譜
まで114手で後手の勝ち
消費時間=10分10分