JTグループの労働安全衛生

最新の情報は、2020年度の統合報告書をご覧ください。以下は2019年度の情報です。2020年度の情報は、2021年6月にjt.com(英文)で、7月に本ウェブサイトで公開予定です。

私たちは、従業員に安全・安心な職場環境を提供するための取り組み目標を定めて活動を行っています。

JTグループの労働安全衛生

JTグループで働くすべての従業員を、業務上のあらゆるけがや病気から守るため、安全かつ安心な職場環境を提供することは、私たちの責務だと考えています。JTグループにおける多くの事業所では、OHSAS 18001に基づく高い労働安全衛生基準を定めており、JTグループの基準はすべての地域において法規制に準ずる、もしくはそれより高いものとなっています。

法規制より高い労働安全衛生基準を設けている場合は、当該国の事業所にそれを遵守するよう義務付けています。労働安全衛生基準の適用範囲には、JTグループの従業員のみならず、請負業者、当社の事業所への訪問者も含まれます。

中期取り組み目標(KPI)

労働災害ゼロを目指し、労働災害件数を2023年までに25%、2030年までに50%削減します。(基準年:2015年)

(進捗)

20万時間当たりの労働災害発生件数は、2015年の0.72から2019年は0.49となり、31.2%減少しました。

安全への取り組み

JTグループは、安全な職場環境の実現、安全に関わる知見の共有、安全を重視する企業文化の醸成を3つの柱とし、安全が最優先であるという認識のもと、安全で安心して働ける職場づくりに取り組んでいます。JTグループにおいて最も安全リスクが高いのは、車両やオートバイの運転、機械操作を伴う業務、またスリップ・転倒・転落のおそれのある作業です。
これらの安全リスクを低減し、労働災害を防止するために、JTグループのサプライチェーン全体でリスクアセスメントに取り組んでいます。それが、職場における危険箇所の把握、適切な対応策の実施、そしてJTグループの従業員を守ることにつながっています。また、従業員の安全に対する意識を高め、安全を大切にする企業文化を日々の業務の中で醸成していくことにも注力しています。

安全への取り組み
安全への取り組み

2019年には、海外たばこ事業において、新たに運転者向けの安全方針やガイドラインを策定しました。この新ガイドラインは運転者の行動に着目するもので、リスクアセスメントを実施し、事故を起こす可能性が高い運転者を特定することをすべての事業所に求めるとともに、活動の成果や今後の対策について報告することを義務付けています。
さらに、女性従業員の増加に伴い、方針には妊娠中の従業員が運転を行う際の安全に関する項目も盛り込まれています。
今後3年間で、3万人の従業員が安全運転講習を受講する予定です。
すべての事業所でリスクアセスメントがやりやすくなるよう、2020年には新たなツールをグローバルに展開する予定です。国内のインフラ不足や不十分な交通規制のために交通事故を減らすことがこれまで困難だったエジプトでこのツールを試験的に実施したところ、現地の労働安全衛生担当者や従業員から非常に高い評価を得られています。
日本においても現在新たな交通安全戦略を策定中で、重大な交通事故をゼロにするための取り組みを続けています。

グローバルに同じ基準を

JTグループは地理的拡大の一環として、新市場での企業買収を行っています。

  • 2017年には、インドネシアとフィリピンでたばこメーカーを買収したほか、追加取得によりThe National Tobacco Enterprise (Ethiopia) Share Company *1の株式の過半数を保有することとなりました。

  • 2018年には、さらにロシアとバングラデシュでたばこ会社を買収しました。

  • こうした買収により、JTグループの従業員数が大幅に増加しています*2

こうした買収企業のほとんどは、社会的・経済的に数多くの課題を抱える新興国で事業活動を行っています。このことから、労働環境をよりよいものとしていく責務があると私たちは感じています。そのため、買収後の企業にはJTグループの方針を確実かつ迅速に導入しています。また、各事業所を訪ね、こうした方針がグループ全体で理解され、確実に根付くよう、責任者をサポートしています。

こうした国々では特に労働安全衛生の問題が、地域コミュニティ、従業員、請負業者、事業の継続性に重大なリスクを及ぼします。そのため企業買収を行う際には、早い段階からリスクを分析した上で体系的な取り組みを行うようにしています。海外たばこ事業の労働安全衛生チームは、新たに買収しようとする企業が所在する国のリスクアセスメントを行い、JTグループの基準を満たしているかどうかを確認します。買収後は、現地事業所による主要リスクの特定や18ヵ月の行動計画の策定・実施をサポートし、各社の方針がJTグループの基準に沿ったものとなるよう支援していきます。

エチオピアでは、JTグループの方針や基準を導入したことで、従業員の労働環境がはるかに安全なものとなり、同国での労災発生件数が劇的に減少しました。以前は、安全リスクの中でも、特に動作機器による事故や転落、交通事故が多く発生していましたが、今では従業員が安全意識を持つようになりました。今後も安全な職場を生み出す努力を続けていきます。

エチオピアにおける業務災害の発生状況(2018 vs 2019)
*1

JTグループは2017年12月に追加株式取得により同社株式の約70%を保有することとなりました。

*2
買収企業に対するHSアプローチ

よりよい職場づくり

JTグループでは、すべての従業員がいきいきと働くことができるよう従業員の健康保持・増進に力を入れています。職場の衛生や業務が身体に及ぼす影響を定期的に評価するなど、グループ内でさまざまな取り組みを行っています。

施策を企画し運営するには、データが欠かせないことから、2018年に新たな方針を定め、すべての事業所に対して、職業性疾病に関連したデータを報告するよう義務付けました。これにより、グループ全体でどのようなリスクがあるのかを把握し、職業性疾病についてグループとして一貫した対策を展開するとともに、既存の施策を強化するよう努めています。

報告された案件はすべて、現場の責任者が調査し、原因を特定します。業務や職場に起因する疾病と判断された場合は、従業員の健康を第一に考え、再発を防止するため適切な措置を速やかに講じています。

よりよい職場づくり

JTにおける健康経営の取り組み

JTグループでは、経営理念である4Sモデルの中で重要なステークホルダーとして位置づけている従業員について、その一人ひとりの“心”と“体”が健康であることは、経営理念に基づく事業活動を行う上で欠かせない要素であるとともに、会社の持続的成長の基盤であると考えています。
JTでは、労働安全衛生の取り組みに加え、従業員一人ひとりが心身ともに健康で持てる力を最大限に発揮できるよう、経営トップによる「健康経営宣言」のもと人事担当役員を健康経営推進責任者に位置づけ、従業員の健康増進に努めています。

JTにおける健康経営の取り組み

2021年には、優良な健康経営を実践している法人として「健康経営優良法人2021~ホワイト500~」に認定されました。本制度が開始された2017年から5年連続の認定となります。今後とも、従業員の健康増進を重要な経営課題のひとつと位置づけて、積極的に取り組んでまいります。

健康経営優良法人2020~ホワイト500~

・健康経営推進体制

JTでは、従業員が心身ともに健康な状態を維持し、高いパフォーマンスを継続的に発揮できるよう、経営トップ主導のもと、人事担当役員を健康経営推進責任者として健康経営推進委員会を設置するとともに、全国11カ所の主要エリアに専門の保健スタッフ(医師、保健師)を配置するなど充実した健康支援体制を構築しています。

健康経営推進体制

・取り組み方針とモニタリング指標

JTでは、企業の持続的成長に向けて、身体の健康/心の健康/エンゲージメント/労働生産性を主要な観点としたモニタリング指標を設定し、従業員の健康増進に向けた取り組みについて、それぞれの施策でPDCAをまわしています。
特に、身体の健康や心の健康(メンタルへルス)といった観点に加え、プレゼンティーズムにも着目した取り組みを強化する中で、「睡眠」に対する教育にも力を入れています。

取り組み方針
モニタリング指標

・多様性に根差した健康支援

JTでは、多様性を尊重しており、従業員の健康支援についても、個々人の生活環境や価値観に基づき、自分に合った自分らしい健康づくりができるよう、多様性に根差した取り組みを行っています。
具体的には、全国11カ所のエリアに従業員の健康支援を専門に行う保健スタッフ(医師11名、保健師34名)を配置している強みを最大限に活かし、すべての社員に対して、保健スタッフが個別に面談して、健康診断結果のフィードバックや個々人のライフスタイルに合わせた睡眠や食事、運動等の生活習慣に関するアドバイスを行っている他、地域特性等も踏まえた健康講話会や啓発イベントを事業所ごとに定期的に開催する等、きめ細かい健康支援を実施しています。

健康支援
健康支援
健康支援

・社内外との協働

他企業とタイアップし、全国の事業所にヨガやキックエクササイズ等のインストラクターを派遣し、オフィス内で従業員にスポーツを楽しんでもらう健康づくり活動を導入・展開(2019年度:78拠点・約1,550名)しています。
また、ジェイティ健康保険組合との協働による健康づくりポータルサイト「PepUp」を2019年より導入し、ウォークラリーや体重測定イベントなどのコラボヘルスも積極的に展開しています。

・メンタルヘルスへの取り組み

JTは、職場におけるメンタルヘルスの重要性を認識し、メンタル疾患の予防に取り組んでいます。専門医やカウンセラーによる社内相談窓口の設置や社外専門機関による電話・面談カウンセリング、ラインケア研修やセルフケアセミナーも実施しています。
これらの取り組みにより、メンタル不調者の発生率は低い水準で推移しています。また、欠勤率に係る一つの指標として「社員1,000人あたりの欠勤日数(身体疾患含む)」を労使間で検証しています。(2014年度2,259日→2019年度2,135日)

・多様な働き方と労働時間管理への取り組み

多様な働き方を支援する仕組みとして、フレックスタイム制やテレワークの導入、育児・介護のための制度整備を進めるとともに、労働時間は社員の心身の健康に大きな影響を及ぼすことから、JTでは、上司と部下のコミュニケーションを基本としたうえで、パソコンでのログオン/ログオフ時刻を上司が確認しつつ勤怠管理を行えるシステムを導入するなど、適正な労働時間の把握・管理に取り組んでいます。
また、労使で時短推進検討委員会を設置し、社員が心身ともにリフレッシュできるよう、時間外労働の削減や年休取得の促進に積極的に取り組んでいます。
これらの取り組みにより、近年の所定外労働時間は1カ月平均20時間を下回っており、生産性の向上にも寄与しています。