自然との共生

環境

環境課題に対する社会的関心は年々高まっている一方、社会は数多くの難題を突き付けられています。私たちは今、気候変動の影響による氷河や氷山の溶融、海面の上昇、異常気象など、深刻な課題に直面しています。私たちは社会の一員として、またグローバル企業として、環境負荷の軽減に重要な役割を担っていると考えています。

多くの産業と同様に、環境は私たちの事業にも直接的な影響を及ぼします。また、私たちは、企業活動に必要な資源の調達、温室効果ガス、廃棄物の排出等が環境負荷となることを認識しており、その影響を最小限に抑え、自然との共生にむけて、不断の努力を続けています。

持続可能性を意識した事業活動を通じて、資源の保全、生物多様性の保護、廃棄物の削減、事業コストの削減を実現します。これにより、よりサステナブルな製品を求めるお客様の要望にお応えすることが可能になり、企業活動と環境の調和の実現につながると考えています。

私たちの考え方はJTグループ環境方針に規定しています。

JTグループ環境方針

1995年5月29日策定

2023年2月14日改訂

私たちは、健全かつ持続可能で豊かな環境が将来の世代に引き継がれるよう、以下に基づき、社会及びJTグループのバリューチェーンにおける環境課題に取り組み、企業活動と環境の調和を実現していきます。

1. 環境に関するリスク・機会を特定します

私たちは、気候変動や持続的な資源の活用、責任ある廃棄物管理を事業やステークホルダーにとっての重大なリスク・機会として特定しています。これらリスクに伴う影響の低減、及び機会の実現について、私たちはグループ環境計画の中でコミットメント、目的及び目標を設定します。また、リスク・機会については定期的 に見直しを行います。

2. 効果的な環境マネジメントシステムを導入します

環境マネジメントシステムを通じ、私たちは特定した環境関連リスク・機会に対応し環境課題の管理に必要なリソースを確保するとともに、継続的な環境パフォーマンスの改善を実現するための体制を構築します。

3. 事業活動を行う国や地域において法令等の遵守を徹底します

私たちは、環境に関する国際的合意事項に配慮し環境法令・規制を遵守するとともに、JTグループ独自の環境基準を遵守します。

4. 事業変化に応じた取り組みを行います

事業の変化に伴い生じ得る新たな環境関連リスク・機会を、デューディリジェンス、事業計画の策定、事業統合等の実行を通じて積極的に特定し、特定したリスク・機会に応じた取り組みを行います。

5. バリューチェーンを考慮し、サプライヤーやサービスプロバイダーと協働します

製品設計・開発の改善、責任ある調達、効率的な製品・サービスの提供、また革新的な技術・手法の活用等を通じ、バリューチェーンにおける環境影響の低減に努めます。また、サプライヤーやサービスプロバイダーに対し、JTグループサプライヤー行動規範の遵守及び環境方針の理解を求めます。

6. 社員に対し、環境課題に関する認識の向上と責任ある取り組みの実施を促します

環境教育を通じ社員の環境認識の向上を図るとともに、社員自らの責任においてより良い環境を創造するための取り組みを奨励します。

7. ステークホルダーとの連携のために環境情報を開示します

4Sモデルに基づき、JTグループの環境に関する取り組み及び実績を把握し社内外のステークホルダーに広く適切に開示することで、良好な信頼関係を構築するとともに、環境パフォーマンスの更なる改善を推進します。

 

日本たばこ産業株式会社 代表取締役社長 寺畠正道



JT Group Sustainability Targetsでは、JT Group Materialityに紐づく具体的な目標および取り組みをターゲットとして設定しております。

JT Group Materialityにおける「自然との共生」においては、環境課題に関連するターゲットを設定しております。
詳細は、下記をご確認ください。

サステナビリティターゲットと2024年実績表については、こちらPDFを開くをご覧ください。

当社は、2025年5月7日付で、塩野義製薬株式会社への医薬事業の承継および当社子会社の鳥居薬品株式会社(以下、鳥居薬品)の株式の譲渡に係る合意について公表しておりますが、本ページに記載しております当社グループの実績や取り組みについては、医薬事業および鳥居薬品に係る内容を含んでおります。2025年5月7日付の公表内容の詳細は以下をご参照ください

マテリアリティ ターゲット項目 ターゲット
生態系影響評価の実施
(生物多様性の観点を含む)
JTグループの各事業が生態系に与える影響および各事業の生態系への依存の評価を、生物多様性の観点を含め、たばこ事業については2024年までに、医薬事業および加工食品事業については2025年までに、それぞれ実施します。
温室効果ガス排出量の削減 JTグループは、2030年までにJTグループの事業においてカーボンニュートラルを実現し、2050年までにバリューチェーン全体で温室効果ガス排出量をネットゼロにすることを目指します。
  • JTグループのScope1および2の温室効果ガス排出量について、1.5℃削減経路に沿って、2030年までに2019年比47%削減します。

  • Scope3の購入する原材料・サービスに由来する温室効果ガス排出量(カテゴリ1)を2030年までに2019年比28%削減します。

  • たばこ事業においては、2030年までにカーボンニュートラルを実現し、2050年までにバリューチェーン全体で温室効果ガス排出量をネットゼロにします。その達成のため、以下のとおり温室効果ガス排出量を削減します。

    • Scope1および2における温室効果ガス排出量を2030年までに47%、2050年までに90%削減(2019年比)

    • Scope3カテゴリ1における温室効果ガス排出量を2030年までに28%、Scope3の全カテゴリにおける温室効果ガス排出量を2050年までに90%削減(2019年比)

    • FLAG*に関連するScope3カテゴリ1における温室効果ガス排出量を2030年までに33.3%、2050年までに72%削減(2019年比)

  • 加工食品事業においては、省エネ活動の推進や再生可能エネルギーの導入等を通じて、JTグループとして掲げている温室効果ガス排出量の削減目標に貢献し、環境負荷を低減します。

*
FLAG:森林(Forest)、土地(Land)、農業(Agriculture)セクターのこと。FLAG関連の温室効果ガス排出量は、林業や土地利用、農業等に由来するものを指す
たばこ事業におけるFLAGに関連する排出量については、2025年度実績から開示予定
再生可能エネルギーの活用 JTグループは、2050年までにJTグループにおいて使用するエネルギーをすべて、温室効果ガスを排出しないエネルギーへ移行することを目指します。
  • JTグループにおいて使用する電力のうち、再生可能エネルギー由来の電力使用量を、2030年までに50%、2050年までに100%にします。なお、たばこ事業においては、これを、2025年までに50%、2040年までに100%にします。

責任ある水資源マネジメント JTグループは、責任ある水資源マネジメントを行うために、以下に取り組みます。
  • 水不足の地域におけるJTグループの水資源の活用状況を適切にモニタリングするとともに、2030年までにたばこ事業における水使用量を2019年比33%削減します。なお、加工食品事業においては、水の効率的利用と徹底した排水の水質管理により、地域コミュニティの一員として健全な水環境の保全に努めます。

  • JTグループの生産拠点における水リサイクルを適切にモニタリングします。

  • 法令と同等以上の基準を設定するJTグループ基準に基づき水質汚染を防止します。

  • 対象とするJTグループのたばこ生産拠点において、2030年までにAlliance for Water Stewardship*認証の取得率を100%にします。

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Alliance for Water Stewardship (AWS):企業やNGO、公共セクターをメンバーとする、水のサステナビリティをグローバルに推進するための機関。世界中の工場を対象とした持続可能な水利用に関するAWS認証を開発
森林資源の保全 JTグループは、生物多様性の向上も見据え、サプライチェーンにおける森林保全にさらに貢献するために、以下に取り組みます。
  • JTグループのたばこ事業活動および同事業の葉たばこ・紙・パルプ素材のサプライチェーンについては2025年までに、たばこ事業サプライチェーン全体については2030年までに、自然林の破壊をなくします。

  • JTグループのたばこ事業活動および同事業の葉たばこ・紙・パルプ素材のサプライチェーンにおいて、保全価値の高い (HCV: High Conservation Value) 地域については2025年までに、すべての自然地については2030年までに、自然生態系の転換をなくします。

  • JTグループのたばこ事業サプライチェーン全体において、2030年までに、管理林の破壊ネットゼロを目指します。

廃棄物による環境負荷の低減 JTグループの事業や製品に由来する廃棄物による環境負荷をさらに低減します。
  • たばこ事業においては、2030年までに工場廃棄物の埋立地への廃棄をゼロにします。

  • Ploom回収スキームおよび消耗品のポイ捨て防止キャンペーンを通じ、RRP*デバイスの責任ある廃棄について取引先およびお客様に働きかけます。

  • 加工食品事業においては、廃棄物の削減に取り組み、循環型社会の構築に貢献します。また、国内事業所の全廃棄物に対してリサイクル率95%(熱回収を含まず)を目指します。

*
RRP(Reduced-Risk Products):喫煙に伴う健康リスクを低減させる可能性のある製品
製品および容器包装リサイクル JTグループの事業におけるプラスチックを含む容器包装材の使用量を削減するとともに、2025年までに88%、2030年までに100%を、再使用または再生利用可能な容器包装材にします。
  • たばこ事業においては、2025年までに85%、2030年までに100%を再生利用可能な容器包装材にします。

  • また、2025年までに、たばこ事業における容器包装材総重量のうち20%について、リサイクル材を使用します。容器包装材において、リサイクル材のさらなる使用増加を目指します。

  • たばこ事業の容器包装材総重量においてプラスチックが占める割合はわずか7%ですが、容器包装材におけるバージンプラスチック使用量のさらなる削減を目指します。また、より持続可能なフィルター代替品の開発に取り組みます。

  • 2027年までに、EUに出荷される当社のRRPデバイスの100%でバッテリーの取り外しと交換を可能にすることにより、JTグループのグローバルでの循環型デバイス開発に係る学びを段階的に取り入れます。

  • 加工食品事業においては、容器包装材の軽量化及び再生可能な植物由来の有機資源等を活用することで、製品を通じた環境負荷の低減を推進します。

持続可能な農業 JTグループの直接契約葉たばこ農家において、クラス1に分類されるHHPs(Highly Hazardous Pesticides)については2024年までに、すべてのHHPsについては2040年までに、その使用を廃止します。また、2030年までに、直接契約葉たばこ農家の100%において、Good Agricultural Practices(GAP)のプロトコルを実践します。
社内外との共創の促進 グループ内での地域・部門間や従業員同士の共創を促すために、共創を誘発する場づくりに取り組むとともに、社外との共創による包摂的かつ持続可能な地域社会の発展を目指し、2015年から2030年の間に従業員が30万時間のボランティア活動に従事することを目指します。
コミュニティインベストメント 包摂的かつ持続可能な地域社会の発展を目指し2015年から2030年の間に、600億円の投資を行い、従業員が30万時間のボランティア活動に従事することを目指します。

環境と事業活動における取り組みの詳細は、以下をご覧ください。

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