環境と事業活動
廃棄物、製品&容器リサイクル
廃棄物による環境負荷の低減
プラスチックをはじめとした廃棄物に対する社会やステークホルダーからの懸念は高く、JTグループの事業活動の観点においても取り組むべき重要な課題と認識しています。
JTグループでは「Reduce(排出抑制)、Reuse(再使用)、Recycle(リサイクル)」の考えを廃棄物管理の根幹に据え、「廃棄物による環境負荷の低減」をJT Group Sustainability Targetsに掲げています。
具体的な目標として、たばこ事業においては、2030年までに工場廃棄物の埋立地への廃棄をゼロにすることを掲げています。このほか、Ploom回収スキームおよび消耗品のポイ捨て防止キャンペーンを通じ、RRP(リスク低減製品)デバイスの責任ある廃棄について取引先およびお客様に働きかけています。また、加工食品事業においては、国内事業所の全廃棄物に対してリサイクル率95%(熱回収を含まず)を目標としています。
※詳細は、日本国内における取り組み事例のページをご覧ください。
定量目標に対する進捗
2024年末時点で、たばこ事業における工場廃棄物の埋立地への廃棄割合は8%でした。また、販売国におけるPloom回収スキームの構築を継続するとともに、ポイ捨て防⽌キャンペーンを通じた意識啓発を促進しています。
加工食品事業の国内事業所における廃棄物のリサイクル率は91%となり、今後もリサイクル関連技術の動向も踏まえて、取り組みを適切に推進していきます。
製品および容器包装リサイクル
バリューチェーン下流における廃棄物の影響も含め、私たちの製品に由来する環境負荷軽減に取り組むことは、事業上必要不可欠です。そして、こうした取り組みはお客様の期待にお応えするものであり、持続可能な事業運営につながると考えています。
JT Group Sustainability Targetsでは、JTグループの事業におけるプラスチックを含む容器包装材の使用量を削減するとともに、2025年までに88%、2030年までに100%を、再使用または再生利用可能な容器包装材にすることをターゲットに設定しています。また、2025年までに、たばこ事業における容器包装材総重量のうち20%について、リサイクル材を使用し、さらなる使用割合増加を目指しています。
このほか、バージンプラスチック使用量のさらなる削減や、循環型デバイスや植物由来の有機資源等など活用による、製品を通じた環境負荷の低減を目標としています。
定量目標に対する進捗
2024年末時点で、プラスチックを含む容器包装材における、再使用または再生利用可能な容器包装材使用率は、グループ全体で92%、たばこ事業では91%を達成しました。容器包装材総重量におけるリサイクル材の使用率は17%でした。
RRP回収の取り組み
RRPは、電子機器の廃棄物が生じるなど環境保全の観点で新たな対応が必要な製品ですが、デバイスに含まれるバッテリーや金属部品はリサイクルが可能です。
お客様に使用済み製品を安全にリサイクルまたは廃棄いただけるよう、JTグループではサステナブルな廃棄方法をご案内しています。Ploom製品を販売しているすべての市場では、店舗やポップアップストアにおいて使用済みデバイスを回収しており、お客様自身による責任ある廃棄を支援しています。
※詳細は、日本国内における取り組み事例のページをご覧ください。
たばこ事業における包装材の取り組み
JTグループの包装材が環境に与える影響を減らすため、サステナビリティ・プログラム・チームは他の様々な部門と緊密に連携し、以下のグローバルプロジェクトに取り組んでいます。
1.アルミ箔製インナーライナーからの切り替え
JTグループは2021年、紙巻たばこ包装材中のアルミ箔のインナーライナーを、より環境に配慮した紙製インナーライナーに切り替える取り組みをスタートさせました。日本では、2024年8月より2030年までに順次切り替えを行っています。これは、たばこ事業が掲げる包装材の目標に貢献するとともに、購入する包装材に関連した温室効果ガス(GHG)排出量削減にも役立つものです。
2.段ボールの重量削減
包装材に使用されている段ボールの量を減らすため、2021年から新プロジェクトが立ち上げられました。このプロジェクトにより、年間最大で5,200トンのパルプ材の使用削減につながり、約2,186トン(CO2換算)のGHG排出量削減が可能となりました。
3.プラスチックの削減
包装材に関する目標達成に向け、使用するポリプロピレン製包装材の厚さを薄くしました。これにより、2021年には化石燃料由来のプラスチックを約500トン、GHG排出量を最大769トン(CO2換算)削減することができました。プラスチックの削減にむけて、ポリプロピレンフィルムについては、引き続き代替素材を模索していきます。
4.リサイクル素材の使用拡大
紙巻たばこやRRPの輸送ケースに用いるリサイクル素材の使用拡大にも注力しています。この取り組みは、たばこ事業の工場や販売ルートで用いるすべての輸送ケースを対象に、2023年より展開していく予定です。国内輸送については、2025年までに輸送ケースを100%リサイクル素材製のものとすることを目標にしています。国外輸送については、2025年までにリサイクル素材の使用率を70%に引き上げることを目指します。これは、長距離輸送の間に、輸送ケースの剛性や製品品質が損なわれないようにするためです。
詳細については、包装材が環境に与える影響の削減および、JTインターナショナルのウェブサイト(英語)をご覧ください。
加工食品事業における包装材の取り組み
製品に使用する内装フィルムの廃止により、プラスチックの使用量およびGHG排出量を削減しています。また、自社グループの精米工場で生じた「砕米」を10%配合した、国産バイオマスプラスチックの外装フィルムへの活用に加え、厚みを薄くすることにより、石油系プラスチック使用量の削減を図っています。
詳細については事業を通じたサステナビリティの取り組みをご覧ください。