環境と事業活動

環境と事業活動

私たちは事業活動が環境に与える影響を軽減するため、ビジネスやステークホルダーにとって最も重要な環境課題に焦点を絞って取り組んでいます。現在、気候変動、持続可能な資源の使用、責任ある廃棄物管理への取り組みを実施しています。

エネルギー・温室効果ガス 気候変動への取り組み

異常気象、気候パターンの変化など、気候変動とその影響は社会そして私たちが直面している最も深刻な環境課題です。農産物を主要原料とする私たちの製品にとっては、原料調達を含むサプライチェーンにおける重大な影響が懸念されます。

私たちは気候変動に関する国際的な枠組みであるパリ協定に基づき、事業活動由来の温室効果ガス(GHG:Greenhouse Gas)排出量の削減に取り組んでいます。長期的には事業活動におけるGHG排出量が実質ゼロとなるネットゼロを達成することを目指しています。

ネットゼロに向けた取り組み

JTグループは、2030年までに事業活動におけるカーボンニュートラルを実現し、2050年までにバリューチェーン全体でのGHG排出量ネットゼロを達成することを目指しています。これらの目指す姿の実現に向け、科学的根拠に基づいた、2030年に向けたより意欲的な削減目標を設定しました。これらの目標についてはSBTiの認証を取得する予定です。また、2050年に向けたネットゼロ目標についても認証取得を目指しています。

グローバルなインフラや技術の進歩を踏まえ、結果につながる具体的な削減対策を通じて、脱炭素社会実現のため社会的責任を果たしてまいります。

TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)

気候変動は企業の中長期的な事業運営に影響を及ぼす可能性が示唆されており、これに伴う金融市場の不安定化が近年懸念されています。2020年12月、私たちはTCFDの提言への賛同を表明しました。

TCFD提言の主要項目のひとつにリスク管理があります。気候変動のリスクについてどのように特定、評価し、またはそれを低減しようとしているかについて、これらを包括的なリスクマネジメント体制に組み入れ、分析し、開示していくことを企業に推奨しています。2019年にTCFD提言に準拠する形で、気候変動に伴う長期の事業リスクについて、複数のシナリオ(2℃、4℃)を用いたシナリオ分析を開始しました。この2つのシナリオに基づく分析は、TCFDによる提言とも整合するものですが、1.5℃シナリオによるリスクモデルが主流となりつつあるため、このシナリオについても、気候変動によって生じる可能性のある事業リスクを検討していく予定です。

ガバナンス

気候関連課題は、JTグループの事業活動にとって戦略的重要性が高い問題です。グループ全体を対象とする統合型リスク管理(ERM: Enterprise Risk Management)プロセスにより、気候関連リスクをたばこ事業にとっての最重要リスクの一つと特定しました。気候関連リスクは、国・地域レベルでのリスクの洗い出しや評価においても検討します。取締役会による監督が重要となるため、気候関連課題とそれが事業戦略に与える影響は、四半期ごとの取締役会で議論されています。
ガバナンス体制についての詳細はコーポレート・ガバナンスをご覧ください。

戦略

2019年に実施した気候変動シナリオ分析に基づき、2つの主要リスクを特定しました。一つは脱炭素社会への移行に伴う炭素税負担等の増加、もう一つは葉たばこ生育環境の変化です。こうしたリスクに対しては、バリューチェーン全体を対象とした気候変動対策と継続的改善により軽減に努めます。

リスク管理

JTグループではERMプロセスを通じ、気候変動リスクを検討し、リスク軽減・管理策を定めています。また、現在実施している国別気候変動シナリオ分析も踏まえた、それぞれの国・地域におけるリスクの洗い出しや評価、行動計画策定の際にも、これらのリスクを考慮しています。事業全体のリスクとそれぞれの国・地域でのリスク評価とを照合し、対応の優先順位を明確化します。

指標と目標

JTグループ環境計画2030では、2030年までに事業活動由来のGHG排出量を2019年比で47%削減することを目指しています。また、グループ全体を対象とした気候変動シナリオ分析に基づき、より長期のGHG排出量削減目標を定めるとともに、再生可能エネルギーからの電力の活用についても目標も定めています。
詳しくは環境データ/第三者検証をご覧ください。

気候シナリオ分析について

JTグループでは、事業に対し財務的・戦略的に大きな影響を及ぼす可能性のある様々なリスクファクターについて検討しています。これにより、以下の2つの主要リスクが特定されました。

1.

脱炭素社会への移行に伴う炭素税負担等の増加

2.

葉たばこ生育環境の変化

バリューチェーン全体を通じて気候変動対策の取り組みやプログラムを継続的に実施することで、この2つのリスクについても緩和できると私たちは結論付けています。このような対策の着実な実行により、財務上の影響やそれに伴う事業活動の停滞回避に努めます。

移行リスク

リスクの種類 リスクの名前 パラメータ 時間軸 影響の大きさ
政策 カーボンプライシング 炭素税 長期 中~低
  • 影響の詳細/財務インパクト/対応策

    影響の詳細

    炭素税引き上げにより、葉たばこをはじめとする原材料・サービスの調達コストが増加し、ひいてはJTグループ全体の事業コストが増加する可能性がある。農業バリューチェーンの各段階(農薬、農業機械、葉たばこ加工機械、保管・流通など)で使用する原材料や二次原料、サービスに炭素税が課せられた場合、JTグループは追加コストを負担するかあるいは製品価格に転嫁することとなる。

    財務インパクト

    7~75億円

    対応策

    • 設備投資によるエネルギー消費の削減

    • 省エネと再生可能エネルギーの積極活用

    • 社用車の脱炭素化と、サプライヤーによる気候変動リスク理解向上のための支援

物理的リスク

リスクの種類 リスクの名前 パラメータ 時間軸 影響の大きさ
慢性 葉たばこ生育環境の変化 気候変動による葉たばこ収量の変化 長期
  • 影響の詳細/財務インパクト/対応策

    影響の詳細

    大気中二酸化炭素濃度の変動、気候変動に伴う葉たばこ病害虫の発生・広がりの変化、気温上昇と異常降水、水不足など、葉たばこ生育環境の変化は、葉たばこを含め、JTグループにとって重要な天然資源の確保と質に影響を与える可能性がある。これらのリスクは複数の葉たばこ調達国で発現する可能性がある。その結果、葉たばこ調達コストが増加する可能性がある。

    財務インパクト

    323~367億円

    対応策

    • 特定された気候変動関連の影響を踏まえた葉たばこ調達国変更

    • 気候変動対応策の実施

    • スマート農業や育種

    • 葉たばこ産地における収量増加に向けた取り組み

国別気候シナリオ分析

気候変動に関わる課題や潜在的なリスクをより深く詳細に理解するため、たばこ事業では、国別気候シナリオ分析を実施しています。

第一段階として、8カ国の気候シナリオ分析を完了しました。葉たばこ調達、製造、販売という異なるオペレーションが複数存在する国を再優先に国別シナリオ分析を実施しています。

気候変動に関わる課題にさらされるリスクやそれに対する脆弱性を評価します。リスクについては、科学的な研究や文献をもとに、気候変動モデルを用いて評価し、脆弱性については、各国のさまざまな部門メンバーに対するインタビューを通じて評価します。

国別シナリオ分析の結果は、ERMプロセスの一環として、それぞれの国や地域のリスクの洗い出しや評価の際に、参考にしています。
気候変動は、たばこ事業の最重要リスク(ELR:Enterprise Level Risk)と特定されています。各ELRに対しては、たばこ事業の役員が、オーナーとして当該リスクの評価と管理の監督と責任全般を担っています。ELRの最終責任者はCEOです。

事業活動由来のGHG排出量

JTグループ環境計画2030に定める通り、JTグループはGHG排出量の削減に取り組んでいます。2022年には目標をさらに意欲的なものに更新し、2030年までに事業活動由来のGHG排出量を2019年比で47%削減し、2050年までにバリューチェーン全体のGHG排出量をネットゼロにすることを目指しています。JTグループでは、バリューチェーン全体でサステナビリティに対する共通目標を構築し、GHG排出量削減に向けた取り組みを加速しています。目標達成に向け、現在はエネルギー使用量とGHG排出量の削減を同時に実現できる、再生可能エネルギーの使用割合を高めること、またエネルギー生産効率の向上に取り組んでいます。今後は、主な施策として再生可能エネルギーの燃費効率のさらなる向上や、業務用車両に使用するエネルギーを環境配慮型にシフトし、またその燃費効率を高める取り組みを行っていく予定です。

具体的な目標として、2030年までに事業活動で使用する電力の50%、2050年までに100%を再生可能エネルギー由来とすることを掲げています。

事業所では自家発電設備の導入や、再生可能エネルギーの購入を選択することで、目標達成を目指しています。

目標達成に向けて引き続き再生可能エネルギーの導入を推進しています。実現可能性が見込まれ、かつコストや管理効率などの課題もクリアできると判断した場合は、設備投資を行っています。今後も再生可能エネルギー由来の電力使用率を高めるため、投資を続ける予定です。事業計画策定や、JTグループ環境計画2030(2030年までに自社の事業活動をカーボンニュートラルにし、2050年までにバリューチェーン全体のGHG排出量をネットゼロにする)検討の際も、再生可能エネルギー導入の見込みを織り込んでいます。他にも、電力会社が提供する再生可能エネルギーを全部あるいは一部活用する電力メニューの導入、グリーンエネルギー証書の購入、再生可能エネルギーの電力購入契約締結も、選択肢として検討・実施しています。

定量目標に対する進捗

2021年末時点で、海外たばこ事業で使用する電力の30%を購入または自家発電した再生可能エネルギーで賄っています。この数値は、2021年度のJTグループ全体の電力使用量の23%に相当します。今後に向け、再生可能エネルギー由来の電力についてさらなる使用率向上のための計画を立てています。

JTグループのたばこ関連工場では、2015年から2021年までの間に、投資を抑えながらも効果の高い、エネルギー使用量削減に関する取り組みを250件以上実施してきました。これにより、約8,000トンのGHG排出量削減を達成し、180万米ドル以上のコスト削減(投資回収期間は平均3カ月)に成功しています。

営業車や配送用トラックなどの業務用車両に由来するGHG排出量も重要な課題です。JTグループではすべての事業所に対し、より環境に優しい車両の導入、出張計画や配送ルートの変更、従業員の運転や通勤のあり方の改善を奨励しています。たばこ事業では施策の一環として、物流・配送車両に由来する排出量削減に特化したグリーンモビリティプログラムを展開しています。

購入する原材料・サービスに由来するGHG排出量

JTグループ環境計画2030では、購入する原材料・サービスに由来するGHG排出量の削減を掲げています。2022年にはGHG排出量(スコープ3)の目標を更新し、2030年までに購入する原材料・サービスに由来するGHG排出量を2019年比で28%削減し、2050年までにバリューチェーン全体でGHG排出量ネットゼロ達成を目指すこととしています。

私たちは、乾燥に使用する設備や熱処理の仕組みを変えるなど、継続して葉たばこ乾燥工程の改良を進めています。これらは葉たばこの品質向上に役に立つだけでなく、乾燥工程に使用する木材の削減にもつながります。また、サプライヤーと協業で実施するアグロフォレストリープログラムを通じ、葉たばこ乾燥工程に使用する木材資源の確保にも取り組んでいます。調達国のひとつであるザンビア、タンザニアでは植林を推進し、その木材資源を活用する仕組みをつくることで、再生可能な資源の確保を目指しています。

日本では葉たばこ農家と長年にわたり信頼関係を築いてきました。農家やJTグループにとってのみならず、地球環境にとっても、このような信頼関係は相互に利益をもたらす原動力となります。例えば、葉たばこ農家、機械メーカー、JTの協業により乾燥機を刷新し、葉たばこ乾燥工程で使用するエネルギー効率を向上させることに成功しました。GHG排出量が削減され、枯渇性資源の使用を減らすことが可能になり、開発成功は地球環境にとってポジティブな影響をもたらしたと考えています。また、葉たばこ農家にとってはコスト削減と品質向上の両方が実現されたことになります。私たちにとっては、たばこ事業への直接的な影響にとどまらず、葉たばこバリューチェーンにおける環境負荷の軽減にも寄与した取り組みとなりました。2021年末時点で、この乾燥機は日本で825台導入されています。今後は乾燥効率の向上によりこの取り組みをさらに進化させ、葉たばこ乾燥工程を一層持続可能な、エコフレンドリーなプロセスにすることを目指しています。

他にも、葉たばこ生産と収量改善のための肥料や農薬等の使用・管理の最適化等、葉たばこ調達関連排出量の削減に取り組んでいます。その一環として、肥料など生産投入財の使用を最適化しつつ、用途に応じた葉たばこ生産のための最も効果的な農法も導入しています。また、包装材等葉たばこ以外の購入資材に関しても、サプライヤーと協力し、削減に向けた具体的な取り組みを進めていく予定です。

定量目標に対する進捗

2021年末時点で、購入する原材料・サービスに由来するGHG排出量を2015年比で25%削減しました。主な削減要因は、ディーラーから購入する葉たばこ由来のGHG排出量と葉たばこ以外の材料由来のGHG排出量が減少したことです。2030年の目標に向け順調に進捗していますが、2022年については、調達量や調達国が影響し、削減のスピードが緩やかになる可能性があります。

Science Based Targets (SBT)

Science Based Targets(SBT)

2019年に定めたJTグループ環境計画2030(更新前)で掲げたGHG排出量削減目標は、Science Based Targets initiative (SBTi)によって認証されています。2022年に更新したJTグループ環境計画2030における新たな削減目標についてもSBT認証取得に向けて準備を進めています。

詳しくはプレスリリースをご覧ください。(2019年2月)

自然資源

水資源

水資源の需要は世界規模で高まっており、水の供給、水質、洪水、干ばつ、法規制などの課題は、社会とJTグループの事業にとって潜在的なリスクとなります。

JTグループの事業にとって水資源は不可欠なものですが、主要事業であるたばこ事業においては、葉たばこ耕作に必要な水の大半は雨水で賄っており、葉たばこ加工や製品製造には大量の水を必要としていません。

私たちは、水リスクへの対応と効果的な水資源の管理を促進するための取り組みの一環として、グループ全工場における水リスク評価を完了することを目標にしていました。予定通り、2020年に全工場で水リスク評価を完了し、現在は1次評価結果を踏まえた再評価を開始しています。私たちが実施する水リスク評価は、水資源へのアクセス、水質、規制、洪水や干ばつなどの自然災害、将来予想され得る水ストレス状況を指標としています。評価結果をもとに、水リスクを軽減し、また国際的な水リスク及び水資源管理を支援するために必要な行動計画の策定を行います。

私たちは、環境計画2030を通して、事業における水使用量の削減、及びサプライチェーンでの水リスク管理を推進することで、国際的な水資源管理を支援していくことを掲げています。私たちは、2030年までに、たばこ事業における水使用量を2015年比で15%削減することを目指しています。この目標は、事業所ごとの水の使用効率性と将来的に予想され得る水ストレス状況を踏まえて算定されたものです。

私たちは上記目標を達成するため、工場敷地内の灌漑や製造工程で使用する水使用量の削減に取り組んでいます。加えて、リサイクル水の使用、漏水対策の強化、洗浄工程の改善等にも取り組んでいます。

定量目標に対する進捗

2021年時点で、たばこ事業における水使用量を2015年比でおよそ16%削減し、水使用量についての目標を前倒しで達成しました。水資源の効率的利用などの施策効果に加え、製品製造量の変化も影響しています。

たばこ事業における取水量

サプライチェーンにおける水リスク

事業活動に必要となる原料の多くは生産の過程で水が必要不可欠であり、多くのサプライヤーにとって水は重要な資源です。JTグループのサプライチェーン上における水リスクおよび水利用状況をより一層理解するため、私たちは2022年までに水リスク管理手法を構築します。

現在、水関連の課題も含め、サプライチェーンにおけるESGリスクを評価し管理する包括的なアプローチを策定中です。

森林資源

森林資源

JTグループ環境計画2030では、サプライチェーンにおける木材資源の持続的供給の確保と森林保護・保全へのさらなる貢献を掲げています。特に注力しているのは、生産性が高く、使い勝手のよい植林地を整備しモニタリングしていくことで、それにより葉たばこ生産に用いる再生可能な木材を十分確保することが可能となります。また、乾燥効率向上による木材消費削減にも力を入れています。

JTグループが実践するアグロフォレストリープログラムは、森林資源、木材資源の持続可能な利用と管理を目指すものです。マラウイとザンビアでは葉たばこ農家に対して、樹木をそのまま乾燥小屋として使用する「ライブ・バーン」の設置を奨励しています。「ライブ・バーン」とは、植林を行い、育った若木を4年後には伐採せずにそのまま葉たばこ乾燥小屋の柱として使用するというものです。これにより、木材資源が確保され、農家が乾燥小屋を維持するために費やす労力やコストを削減することも可能になります。

ブラジル、タンザニア、ザンビアには、葉たばこ乾燥のために木材を必要とする契約農家が数多く存在しています。これらの調達国の現地チームは、森林管理に特化した研究開発により実証されている最も効果的な森林保全活動を推進し、2030年までに葉たばこ乾燥工程で使用する自然林由来の木材を全て再生可能な燃料源へ転換するための活動を続けています。

既存プログラムの実施に加え、持続可能な葉たばこ生産に必要な木材資源の確保に関連する情報を集め、また指標化することを目的に森林破壊・劣化要因を調査しました。調達先であるザンビア、タンザニアの葉たばこ耕作コミュニティを対象に実施し、調査の結果得られた定量・定性情報からは、森林破壊・劣化防止を目的に取り組んできた私たちのこれまでの活動が正しかったことが分かりました。たばこ事業のサステナビリティ戦略に基づき、現地の気候や特性を生かした葉たばこ生産や乾燥工程の改善、持続可能な森林資源の実現に向け、大きなプラスの影響を与え得る施策を中心に取り組みを進めています。

JTグループの取り組み

ライブ・バーン
JTグループが実践するアグロフォレストリープログラムは、森林資源、木材資源の持続可能な利用と管理を目指すものです。マラウイとザンビアでは葉たばこ農家に対して、樹木をそのまま乾燥小屋として使用する「ライブ・バーン」の設置を奨励しています。「ライブ・バーン」とは、植林を行い、育った若木を4年後には伐採せずにそのまま葉たばこ乾燥小屋の柱として使用するというものです。これにより、木材資源が確保され、農家が乾燥小屋を維持するために費やす労力やコストを削減することも可能になります。マラウイでは、現在1,965のライブ・バーンが乾燥小屋として使用されており、2024年までにすべての乾燥施設をライブ・バーンにする計画が順調に進んでいます。

生物多様性

生物多様性の責任ある管理は、JTグループにとっての重要事項です。JTグループでは、生物多様性に対する影響が最も大きい葉たばこ耕作における生物多様性保全に注力しています。JTグループの葉たばこ生産基本方針では、環境負荷の低減、資源の効率的な利用、生物多様性への配慮を謳っています。生物多様性は、葉たばこのサステナビリティフレームワークの4つの注力分野にも含まれています。
詳しくはLeaf supply chain(英文)別窓で開くをご覧ください。

私たちは適切な農場管理とその実践(GAP)、土壌管理の取り組み、持続可能な木材と水資源の保全、自然林の再生など、適切な対応に取り組んでいます。

JTグループは、賛同企業や団体が実施すべき生物多様性に関する具体的な活動をまとめた意欲的な行動指針である「経団連生物多様性宣言イニシアチブ」に賛同しています。

現在、生物多様性に関する自社の取り組みについての見直しを進めています。

廃棄物

社会とステークホルダーからの廃棄物、特にプラスチック廃棄物に対する懸念が高まっています。また、事業運営の観点からも、廃棄物は管理に係る費用や処理費用など、直接的あるいは間接的な負担が発生するものとして認識されています。

私たちは、原材料やサービスの受領から使用済み製品や包装材の廃棄にいたるまで、廃棄物が事業の各段階に与える影響に着目しており、廃棄物はJTグループ環境計画2030における重点的取り組み領域の1つとなっています。JTグループでは「Reduce(排出抑制)、Reuse(再使用)、Recycle(リサイクル)」の考え方を廃棄物管理の根幹に据えています。廃棄物削減目標を達成することは、資源の効率的利用を可能にし、環境負荷の軽減およびコストの削減につながると私たちは考えています。

私たちは2030年までに、たばこ事業における廃棄物発生量を2015年比で20%削減するという目標を掲げています。資源の効率的利用および画期的な施策を拠点の垣根を越えて展開していくことで、目標達成を目指します。

定量目標に対する進捗

2021年の結果を見る限り、工場での廃棄物管理改善や原材料再使用の取り組みにより、廃棄物削減目標の達成に向け順調に進捗しています。たばこ事業における廃棄物発生量は2015年比で15%削減されました。今後はたばこ製品に使用する包装材など、資源の再利用も含めた材料の適正利用、適正処理に関する施策を進めるとともに、輸送に使用する段ボール等の中間包装材やたばこに関連する廃棄物の適切な廃棄方法など、さらなる廃棄物削減に向けた取り組みを進めていく予定です。

たばこ事業における廃棄物発生量

製品及び容器包装

私たちはJTグループ環境計画2030において、事業や製品に由来する廃棄物による環境負荷を更に低減することを目指しています。事業由来の廃棄物削減については、目標達成に向けた取り組みを進めています。製品由来の廃棄物には容器包装も含まれます。より環境に配慮した製品及びサービスの提供を実現するため、JTグループでは「Reduce(排出抑制)、Reuse(再使用)、Recycle(リサイクル)」の考え方を導入し、拠点の垣根を越えたさまざまな取り組みを行っています。

詳しくは、環境と私たちの製品をご覧ください。

海外たばこ事業の取り組み

グローバルに事業展開する海外たばこ事業は、グループ全体で取り組む大規模な施策から地域固有の施策まで、さまざまな取り組みを行っています。活動範囲はバリューチェーン全体にわたり、原料調達から製品輸送までと幅広く展開しています。詳しくはJTI.com(英語)別窓で開くをご覧ください。

国内における環境負荷状況

JTグループでは、事業活動で利用するエネルギー、水、原材料などの状況や事業活動の結果排出される温室効果ガス(GHG:Greenhouse Gas)、排水、廃棄物などの状況を把握し、環境負荷軽減に取り組んでいます。

たばこ製造におけるエネルギーと水の利用

原料工場では、葉たばこに熱と水分を加え、葉脈を分離して葉肉を取り出し(除骨)、葉肉を均一に配合したあと、熱を加えて貯蔵・熟成に適した水分量に調整します。製造工場では、各種の原料に熱と水分、香料を加えてよく混ぜ合わせ、細かく刻みます。そのあと、熱を加えて水分量を調整し巻き上げます。これらの工程において機械を動かすために電気を使用します。

たばこ製造におけるエネルギーと水の利用

冷凍うどん製造におけるエネルギーと水の利用

冷凍うどんは、小麦粉や水などの原材料を混ぜ合わせた生地を熟成、麺状にカットしたあと、熱湯でゆで上げ、流水で冷やして、風味やコシを保つため急速冷凍してつくられています。工場では、ゆで上げ・冷却の工程で水や熱エネルギーを使用し、冷凍工程や自動化された機械を動かすために電気を使用します。

冷凍うどん製造におけるエネルギーと水の利用

国内の取り組み事例

サステナビリティはJTグループの事業活動に深く根付いています。私たちはエネルギー効率、温室効果ガス(GHG:Greenhouse Gas)排出量の削減、効率的な水使用、廃棄物削減に重点を置き、環境負荷の最小化を図っています。

環境負荷低減への取り組み

・国土交通省より「エコレールマーク取組企業」として認定

国土交通省より「エコレールマーク取組企業」として認定

JTグループの物流部門では、モーダルシフトの推進および積載率の向上に努め、GHG排出量の削減を図っています。JTは環境にやさしい鉄道貨物輸送への積極的な取り組みが評価され、国土交通省より「エコレールマーク取組企業」として認定されています。

・グリーン電力証書・熱証書の購入

JT九州工場は、一部たばこブランドの製造に自然エネルギーを使用しています。この取り組みは、日本自然エネルギー株式会社から発行されるグリーン電力証書・熱証書を購入することで、グリーン電力・熱が使用されたと見なされるというものです。これにより、2021年は電力494万kWh、熱1287万MJを自然エネルギーで賄いました。

・廃棄物由来の発電による電力供給

JT東海工場は、電力会社と廃棄物収集運搬会社と協業し廃棄物由来の発電による電力供給を開始しました。工場から排出されたたばこ製品包装材や刻たばこなどの廃棄物を燃料として発電された電力を電力会社を通じ工場へ供給する循環型の仕組みです。

・資源循環(サーキュラーエコノミー)への取り組み

JTおよびTSネットワークは、サプライヤーと協業し流通過程で発生する使用済みの段ボールの全量を古紙として回収し、段ボール製造に活用する仕組みを確立しました。
JTグループとサプライヤーの協業により実現された包括的なリサイクルであり、使用済み段ボールの廃棄量を削減するとともに、リサイクル包材のさらなる利用促進につながります。

・JT医薬総合研究所 横浜リサーチセンター 横浜市から「令和2年度3R活動優良事業所」として認定

横浜リサーチセンター

横浜リサーチセンター
 

分別環境が整備されている横浜リサーチセンターのごみ箱エリア

分別環境が整備されている横浜リサーチセンターのごみ箱エリア

2021年1月、JT医薬総合研究所 横浜リサーチセンターは、横浜市より「令和2年度3R活動優良事業所」として認定されました。横浜市では、事業系廃棄物の分別排出や3R活動に顕著な功績のあった事業所等を「3R活動優良事業所」として認定しており、JT医薬総合研究所 横浜リサーチセンターの活動が評価されたことによるものです。

汚染防止・化学物質管理

GHG排出量・水使用量・廃棄物発生量の削減のみならず、関係法令に対応したガイドラインなどを定め、環境保全に努めています。

・土壌汚染対策

JTグループは、2007年度までに所有地を対象とした自主的な土壌履歴調査を完了しています。土壌調査が必要と認められる物件を対象に調査を行い、土壌汚染対策法の基準を超える汚染が検出された場合には、関係行政機関と調整のうえ、浄化処理など適正に対応しています。

・化学物質の適正管理

事業所周辺の汚染防止や従業員の安全を確保するため、事業活動で使用する化学物質について、22の関係法令に対応した「化学物質管理ガイドライン」を定め、適正管理に努めています。

・PCB廃棄物の適正管理

PCBを含んだトランスやコンデンサ、蛍光灯安定器などの廃棄物は、法令に基づいた適正管理・保管を行い、処理を進めています。