人権の尊重

JTグループが事業を展開する地域の中には人権リスクが高い国もあり、そのため私たちは強制労働、児童労働、贈収賄といった人権に関わる問題にしばしば直面します。
JTグループのサステナビリティ戦略は、私たちの事業活動の核である「持続可能な事業とするための3つの基盤」に立脚したものであり、そのひとつが人権の尊重です。

人権への取り組み

JTグループはバリューチェーン全体において人権を尊重し、「世界人権宣言」、「国際人権章典」、および国際労働機関(ILO)の「労働における基本的原則及び権利に関する宣言」を支持しています。JTグループ人権方針PDFを開く は、「ビジネスと人権に関する国連指導原則」(UNGP)に則っており、この方針に基づき、他者の権利を侵害しないようにするとともに、グローバルな事業活動を営む上で起こり得る人権への負の影響に対処しています。JTグループ人権方針は日本たばこ産業株式会社取締役会にて承認を受けたものです。

JTグループでは、取締役会が制定する行動規範を通じて人権への取り組みを強化しています。相談・通報制度は私たちの事業活動が人権に何らかの影響を与えたおそれがある場合、当事者の声に耳を傾け、対応できるようにするものです。この相談・通報制度は、適切な手順を定めた上で公正に運営されており、使いやすいよう設計されています。従業員やサプライヤーには、人権についての懸念があれば、この仕組みを通じて通報するよう求めており、通報した人が報復的な扱いを受けることなく安心して通報できるよう配慮しています。

JTグループのサプライヤーや葉たばこ農家に対しては、児童労働、労働者の権利、労働安全衛生などに関する国際的な労働基準を採用し遵守することで人権を尊重するよう義務付けています。サプライヤーの人権尊重については、JTグループ調達基本方針JTグループサプライヤー行動規範PDFを開く耕作労働規範(ALP)に従うこととしています。

JTグループの人権への取り組みは「浸透」「特定と優先順位付け」「対処」「効果の測定」「開示」という5つの柱を軸としています。このPDCAの取り組みにより、UNGPや経済開発協力機構(OECD)ガイドライン、国連食糧農業機関(FAO)による「責任ある農業サプライチェーンのためのガイダンス」に則った体系的な人権デュー・ディリジェンスの継続的な実施が可能になります。

JTグループの人権デュー・ディリジェンス

UNGPに則り、JTグループは人権デュー・ディリジェンスを事業運営に不可欠なプロセスとして実施しています。JTグループ人権方針に記されているように、このデュー・ディリジェンスによって、実際の、あるいは潜在的な人権リスクを特定し評価することが可能となります。

グループ内で広範に実施している人権影響評価をベースとした人権デュー・ディリジェンスを根付かせることは私たちの責務であり、事業活動が負の影響を与えることを防止し、JTグループのバリューチェーン全体で最高の行動基準が確実に守られるようにするという効果があります。この考えに基づき、たばこ事業では、2025年までにすべての人権高リスク国の評価を行うこととしています。

Charlie Watson,Director, Human Rights,JT International

Charlie Watson,
Director, Human Rights,
JT International

UNGPは企業が進むべき道を明確に示しています。企業には、自社の事業活動およびサプライチェーンにおいて、影響を受ける人々の人権を尊重する責任があるのです。

「人権の尊重」という企業としての責務を真摯に捉え、私たちはその実現のための課題に取り組んでいます。その成果は着実に上がりつつありますが、継続的な向上に向け、さらに取り組みを進めてまいります。

年表

取り組みと進捗

浸透

・JTグループの取り組み

私たちは、「人権の尊重」を企業文化に根付かせ、従業員が事業上の判断を行うとき、それが人権にどのような影響を及ぼすかについて理解するよう意識向上に努めています。そのため、人権の尊重やJTグループ人権方針について定期的に研修を実施し、継続的に情報発信を行っています。

この研修の一環として、25の言語に対応した人権eラーニングを行っています。また人権に対する従業員の認識と理解を深めるため、啓発用冊子を作製し、国内約2万5,000人以上の従業員(*C)に配布しています。

・進捗

2019年には、前回受講できなかった従業員を対象に、人権eラーニングを再度実施しました。マラウイ、エチオピア、ジンバブエ、バングラデシュでは、コンピュータが利用できる環境にない従業員の研修のために、行動規範に関する対面式研修の中に、人権尊重に特化したセクションを設けました。今後は他の国でも、行動規範研修の中に人権尊重についてのセクションを盛り込むこととしています。

国内では、日本語、英語、中国語に対応したオンラインの人権eラーニングを実施しました。中国とタイ(加工食品事業)および米国(医薬事業)のグループ会社でも人権eラーニングを実施しています。

特定と優先順位付け

・JTグループの取り組み

人権影響評価を実施することで、私たちの事業に関わる顕在化した、あるいは潜在的な人権を特定し、評価しています。人権影響評価を実施するにあたってはUNGPのフレームワークに従い、社内のみならず、葉たばこ耕作から製品の販売までのバリューチェーンにおいて起こり得る最も高い人権リスクについて重点的に取り組んでいます。人権影響評価を行うことで、人権に対するリスクを特定するとともにそれに対処し、人権尊重についてのステークホルダーからの期待に応え、当事者や事業にとってのリスク全般を低減することを目指しています。

・進捗

この目標を達成するため、海外たばこ事業では、2025年までにすべての人権高リスク国で人権影響評価を行うことを目指しており、ここ2年ではドミニカ共和国、エジプト、エチオピア、カザフスタン、キルギス、マレーシア、メキシコ、ミャンマー、タンザニアの9ヵ国で、バリューチェーン全体の人権影響評価を実施しました。この人権影響評価は優先順位付けを基に行っていますが、それは最大の人権リスクがある国での人権影響評価を優先して行うというものです。また、人権侵害が報じられている国へ出向き、現地の実情を評価することにも注力しています。

また昨年は、エチオピア、インドなどさまざまな国において、葉たばこサプライチェーンに特化した人権影響評価を実施しました。このような評価を行うことで、葉たばこサプライチェーンと葉たばこ耕作というバリューチェーン上の特定の活動が人権へ与える影響や、葉たばこ農家がそのコミュニティにおいて直面する課題の根本原因について、より包括的に理解することができます。

バングラデシュでは、企業買収後に人権およびEHS(環境・労働安全衛生)の評価を実施しました。これは、葉たばこ調達、加工、製造、事業所、販売流通という、海外たばこ事業の5つの分野に関わる人々に対する、実際の、あるいは潜在的な影響を特定することを目的とするものです。

社外の人権専門家からなるアドバイザリーボードからの提案に従い、より多くの国々の人権状況を評価し、人権デュー・ディリジェンスの範囲と影響を拡大するため、2019年には自己評価質問票を導入しました。これは、人権高リスク国ではあるものの優先順位が比較的低いとされたため、喫緊の人権影響評価実施対象とはならなかった国のための調査で、人権影響評価と同じ内容での状況把握が可能なよう工夫されています。

この質問票は、人権リスクを特定し、私たちがその情報に基づいて行動し、人権尊重の責任を果たすことができるようにするもので、モロッコとコロンビアで試験導入を行いました。人権影響評価を効果的に実施するには、評価に関わる人々のノウハウの構築が必要となります。

人権デュー・ディリジェンスをさらに拡大するため、社内監査に人権の項目を盛り込もうとしており、試験的に今年エジプトで実施しました。まず社内監査担当者は、標準的な監査項目に人権を盛り込む方法について指導を受けます。社内監査実施後、そこで明らかになった労働安全衛生など人権に関わる問題は人権チームに共有され、より的を絞った効果的な人権影響評価を行うために活用されます。発見事項はそれぞれ正式な改善勧告に盛り込まれ、現地トップが承認することとされている人権行動計画が策定されました。

海外たばこ事業以外の事業についても、KPMGあずさサステナビリティ株式会社のサポートを受け、2019年に中国とタイの加工食品事業子会社で人権デュー・ディリジェンスを開始しました。これは、EY新日本有限責任監査法人のサポートによる2017年と2018年の国内たばこ事業、医薬品事業、加工食品事業の人権影響評価に引き続き行ったものです。国内では、外国人労働者の人権リスクが最重要課題のひとつに特定されました。外国人労働者という特に脆弱なグループに関するリスクへの対応については、「日本とアジアにおける進捗」をご覧ください。

実際の、あるいは潜在的な最重要リスクを特定するため、中国とタイの7つのグループ会社で、まず自己評価質問票による調査を実施しました。この質問票は、事業における最大の潜在リスクを特定することを目的に、人権に関わる幅広い問題を網羅しています。

質問票の結果からは、グループ会社7社のうち3社について潜在的な人権リスクが高いことが分かりました。そこで、これらの会社を現地訪問し、そのリスクについての詳細な調査を行いました。その結果、労働安全衛生、労働環境、社会保障をリスクと特定し、それに対処するための実効性のある行動計画を策定しました。この計画については、現地法人3社のトップ、人権チーム、KPMGあずさサステナビリティ株式会社の3者が、適切であることを確認し、実施することで合意しています。

対処

・JTグループの取り組み

人権影響評価を行うことはそれ自体が目的なのではなく、目的達成のための手段です。人権尊重という責任を果たすため、人権影響評価から得られた情報に基づき、適切に行動することが私たちには求められています。

人権影響評価と自己評価質問票によって明らかになった課題に対処するため、行動計画を策定しています。行動計画の策定により、一貫した方法で改善を進め、既存のマネジメントプロセスに人権尊重の考え方を組み込んでいくことが可能となります。この行動計画では責任の所在を明らかにし、明確な実行スケジュールを定め、進捗をモニタリングするための主要な指標を策定しています。

・進捗

2018年以降、15ヵ国において、それぞれ実行スケジュールを明確にした行動計画を策定しました。これらの国々では計20名の人権担当者が任命され、この20名によるネットワークが組成されています。このネットワークの役割は、行動計画が各国できちんと管理遂行され、人権尊重が事業にしっかりと根付くようにすることです。

人権担当者は、通常、人権に関して改善が必要な部署から選ばれ、現地のトップが任命します。人権担当者は、通常業務に加えて、現地での行動計画の実施を管理します。人権担当者にはUNGPに関する研修資料を提供し、行動計画中の個別事項についてのサポートを行っています。

2019年に、人権高リスク国のレビューを実施し、最大の人権リスクが存在する国について、より詳細に検討しました。これまでは、公開されている人権関連の地政学的データを使って高リスク国を特定していましたが、リスク判定マトリクスの中に、海外たばこ事業の事業活動とその影響に関する追加の指標を組み込むことで、このプロセスを改善しました。

この指標には、各国におけるオペレーションのタイプと数、JTグループの相談・通報制度や耕作労働規範(ALP)プログラムを通じて得られた人権関係の過去データ、各国における労働安全衛生実績、JTグループにとっての顕著な人権課題などが含まれています。こうしたプロセスの改善によって、各国の潜在的な人権リスクをより明確に把握でき、喫緊の対応が必要とされているところで、優先的に取り組みを行うことができます。

日本とアジアにおける進捗

2018年以降、国内グループ会社を含めた主要21拠点に関する行動計画を策定しました(*C)。また国外では、人権高リスク国である中国とタイで、加工食品事業のグループ会社7社についての行動計画も策定しました。
それぞれの現場での取り組みに加え、人権影響評価で最も人権リスクにさらされる可能性があるとされた外国人労働者の潜在リスクに対処するため、JT本社において国内グループ企業向けガイドラインの改訂を行いました。国内の外国人労働者の数は、ここ数年急速に増加しています。その結果、国際的な基準であるUNGPに則った、外国人労働者の雇用と労働管理に関する全グループ共通のガイドラインが必要とされるようになりました。
相談・通報システムについても、外国人労働者にとってより使いやすいものとなるよう、現在、日本語、英語、中国語、ベトナム語、ネパール語の5カ国に対応する窓口を外部に設けています。
また、国内グループ全体での外国人労働者の雇用状況を一元管理し、定期的に確認できるようにする新たな仕組みも構築しました。最新状況を常に把握することにより、社会的に脆弱な立場にある外国人労働者の人権を守り、実際の、あるいは潜在的なリスクによりよく対処できるようになります。

ケーススタディ

・顕著な人権課題を特定する

JTグループにとって最も重要な人権課題に対処するための方針やプログラムを強化するには、私たちにとって顕著な人権課題とは何かを把握しておくことが重要です。顕著な人権課題とは、事業にとってではなく人権への影響を受ける側の人々にとってのリスクを意味しており、その影響度はリスクの深刻度と発生可能性に応じて優先順位が付けられます。ここで最も重要と見なされた人権リスクは、事業に対するリスクでもある場合が多いのです。

バリューチェーンにおける顕著な人権課題を特定するため、2019年にMazarsのサポートによる評価を行いました。この評価の一環として、関連する方針・社内プロセスのレビューや、社内ステークホルダーとのワークショップも行われました。

その結果、海外たばこ事業にとって重要な16の人権課題が挙げられ、それについての議論を行いました。これは、どのような事業活動が人権侵害のリスクにつながりかねないのかを把握し、こうした課題を積極的に特定して優先順位を付けることを目的としたものです。強制労働、奴隷労働、児童労働、生活賃金の保障など、7つの顕著な人権課題が特定されました。

現行の人権への取り組みと人権デュー・ディリジェンスにおいて、ここで挙がった顕著な人権課題がカバーされるよう、人権影響評価と自己評価質問票にこれらの項目を組み込んでいます。また、人権高リスク国を特定する際にもこれらの項目を組み込むことで、人権に関して大きな影響を及ぼす可能性のある国から順次行うこととしている人権デュー・ディリジェンスの優先順位付けにも反映されています。

今後は、顕著な人権課題のすべてについて、適切で効果的な行動計画を策定し、権利保有者とJTグループの双方にとってのリスクを軽減することを大きな目標としています。顕著な人権課題についてさらに検討を行い、リスクと改善策についての理解を深めてまいります。

効果の測定

JTグループは、人権尊重の取り組みの効果を測定し、可能な限り改善を図っていくことに努めています。

2016年の人権影響評価開始以来、評価を受けて策定した行動計画の効果を測定してきました。策定された行動計画は、経時的な改善効果を測定するためのKPIもそれぞれ定めています。今後人権影響評価をグローバルにより広く展開していく中で、人権影響評価の結果を基に立てた行動計画を一元管理し、総合的な有効性についても評価していく予定です。

葉たばこサプライチェーンにおいては、取り組みの有効性を測定するためにさまざまなKPIが用いられています。その一つが、行動計画策定後の収穫周期のなかで報告されたALP違反件数がそれまでと比較してどう変わったかを示す数値です。
葉たばこサプライチェーンにおける取り組みについてはこちらをご覧ください。

開示

UNGPの下での企業の責務とは、自社の企業活動に関わる可能性がある人権リスクの存在を認識し、実際に問題があれば適切な措置を講じ、さらにはそれを開示することだと私たちは理解しています。UNGPは、企業が透明性高く説明責任を果たすことは、幅広いステークホルダーにとって有益であるとしており、JTグループでは高い透明性をもった開示を継続していきます。

2019年には、JTグループはウェブサイト上で、Human Rights Watchや国連人権理事会、英国紙Guardianとの人権に関する書簡のやり取り(英語)別窓で開くを公開しています。

人権影響評価

JTグループでは、主要な事業活動とバリューチェーンにおける人権への影響に焦点を当てて人権影響評価を実施しています。海外たばこ事業の人権影響評価は、葉たばこ耕作、葉たばこ加工、製造、販売、流通といったバリューチェーンにおける活動の現場を訪れ実際に確認を行います。訪問評価の間、従業員や労働者に対してだけでなく、サプライヤー、取引先、協力会社の代表者との面接調査も行います。

評価が終了すると、報告書を作成し、現地のマネジメントに対し改善についての勧告を行い、それを両者で協議します。その後、海外たばこ事業本社と現地チームが密接に協動し、特定された課題に対処し、状況を改善します。以下では、各国で実施した人権影響評価の主な評価結果として、特定された人権リスクのひとつを挙げています。JTグループのステークホルダーがいかに幅広い問題に直面し得るかを、この結果は示しています。

主な評価結果と対応

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アジア・南北アメリカ

  • バングラデシュ(2019年)

    バングラデシュ(2019年)

    海外たばこ事業

    オペレーション領域:葉たばこ調達、工場、事務部門、販売・流通

    従業員数:3,678名(男性3,604名・女性74名)

    ALP導入状況:現在導入準備中

    ARISE導入状況:現在導入準備中

    相談・通報制度「Your Voice」導入状況:2019年運用開始

    Top Employer認定:No

    人権影響調査実施時期:2019年7月

    評価を受けての行動計画策定:2019年9月

    主な評価結果

    人権カテゴリー:労働安全衛生
    気づき:オートバイ利用者数が非常に多いため、運転者の安全が重大なリスクとなっている。

    実施済みの対応:運転免許証の有効期限を確認し、運転者安全プログラムと安全規則に関する研修を実施するとともに、ヘルメットなどの個人用保護具を全従業員と販売代理店の従業員に提供しました。

  • ドミニカ共和国(2018年)

    ドミニカ共和国(2018年)

    海外たばこ事業

    オペレーション領域:工場、事務部門、販売・流通

    従業員数:173名(男性140名・女性33名)

    相談・通報制度「Your Voice」導入状況:2017年運用開始

    Top Employer認定:Yes

    人権影響調査実施時期:2018年9月

    評価を受けての行動計画策定:2018年11月

    主な評価結果

    人権カテゴリー:労働安全衛生
    気づき:工場のシフトを日勤から3交代制に変更することで、人権リスクが生じるおそれがある。

    実施済みの対応:人権尊重の観点から、変更によって影響を受ける可能性のある人々を中心に脆弱な従業員グループを特定し、その権利が守られるよう図りました。具体的には従業員とのオープンな対話やアンケートによって各従業員の個人的な状況や希望を把握し、夜間労働者については工場までの通勤手段を提供し、各人が取ることのできる休憩時間を周知し、無休の社員食堂を新設するなどの措置を講じました。

  • 中国(2019年)

    中国(2019年)

    加工食品事業

    オペレーション領域(JTグループ6社):工場、事務部門

    従業員数:1,254名(男性427名・女性827名)

    相談・通報制度導入状況相談・通報窓口設置済み

    人権影響調査実施時期:2019年1~5月

    評価を受けての行動計画策定:2019年9月

    主な評価結果

    人権カテゴリー:労働者の権利
    気づき:従業員は事務所の共用コンピューターでしか給与明細票を見ることができない。

    今後の対応:スマートフォンアプリでの給与明細票の配布を開始し、全従業員が自分のデバイスで明細を見ることができるようにします。

  • インド(2019年)

    インド(2019年)

    海外たばこ事業

    オペレーション領域:葉たばこ調達(JTグループ外の農家などサプライヤー)

    従業員数:0名

    人権デュー・ディリジェンス実施状況:業界に呼び掛け人権デュー・ディリジェンスの仕組みを協働で構築中

    人権影響調査実施時期:2019年11月

    評価を受けての行動計画策定:現在策定中

    主な評価結果

    人権カテゴリー:労働安全衛生
    気づき:農業において、農薬の使用は常にリスクをもたらす重要な課題となっている。一貫性のない農薬管理と個人用保護具の不足により、労働者がこうした農薬に曝露するリスクがある。

    サプライヤーの今後の対応:継続的な研修と意識向上に加えて、2021年末までに、JTグループのグローバルな葉たばこサプライチェーンでは、WHOが「非常に有害な農薬(クラス1)」と分類する農薬の使用を撤廃します。これはインドたばこ生産管理局および業界他社とも協力して行うものです。詳しくは後述の「サプライチェーンから『非常に有害な農薬(クラス1)』の使用を撤廃する」をご覧ください。

  • 日本(2017年/2018年)

    日本(2017/2018年)

    国内たばこ事業・医薬事業・加工食品事業

    オペレーション領域(JTグループ29社):葉たばこ調達、工場、事務部門、販売・流通

    従業員数:15,913名(男性12,426名・女性3,487名)

    ALP導入状況:2017年導入

    相談・通報制度導入状況:相談・通報窓口設置済み

    人権影響調査実施時期:2017年2~11月

    評価を受けての行動計画策定:2017年12月

    主な評価結果

    人権カテゴリー:労働者の権利
    気づき:一部の国内グループ会社におけるガイドラインを外国人労働者も念頭に置き改訂すべきである。

    実施済みの対応:外国人労働者に焦点を当て、責任ある採用と労働管理に関する国内グループ全体を対象とするガイドラインを作成しました。相談・通報制度が外国人労働者にも使いやすくなるよう、日本語、英語、中国語に加えてベトナム語とネパール語にも対応できるようにしました。

  • カザフスタン・キルギス(2019年)

    カザフスタン・キルギス(2019年)

    海外たばこ事業

    カザフスタン

    オペレーション領域:工場、事務部門、販売・流通

    従業員数:597名(男性415名・女性182名)

    相談・通報制度「Your Voice」導入状況:2008年運用開始

    Top Employer認定:Yes

    人権影響調査実施時期:2019年9月

    評価を受けての行動計画策定:2019年11月

    キルギス

    オペレーション領域:事務部門、販売・流通

    従業員数:56名(男性46名・女性10名)

    相談・通報制度「Your Voice」導入状況:2008年運用開始

    Top Employer認定:No

    人権影響調査実施時期:2019年9月

    評価を受けての行動計画策定:2019年11月

    主な評価結果

    人権カテゴリー:相談・通報制度へのアクセス
    気づき:相談・通報制度の「Your Voice」については、従業員はおおむね承知しているが、さらに認知を高める余地がある。

    今後の対応:事務所でのポスター掲示や、全部門での新規採用従業員を対象とした研修の実施など、「Your Voice」についての周知を徹底します。

  • マレーシア(2018年)

    マレーシア(2018年)

    海外たばこ事業

    オペレーション領域:事務部門、販売・流通

    従業員数:385名(男性240名・女性145名)

    相談・通報制度Your Voice」導入状況「:2008年運用開始

    Top Employer認定:Yes

    人権影響調査実施時期:2018年11月

    評価を受けての行動計画策定:2019年2月

    主な評価結果

    人権カテゴリー:生活賃金の保障と労働時間
    気づき:サプライヤーの1社で働く労働者から長時間労働の通報があった。

    実施済みの対応:関係法規遵守のため、サプライヤーと共に、労働時間と時間外労働に関する労働法の確認を行いました。また、サプライヤーへの指導を通じ、労働者には休憩時間や休暇を取る資格があることを周知徹底しました。管理職をはじめとした従業員に、休憩を取ることが生産性や労働安全実績の向上につながることを理解してもらうための研修を実施しました。

  • メキシコ(2018年)

    メキシコ(2018年)

    海外たばこ事業

    オペレーション領域:工場、事務部門、販売・流通

    従業員数:112名(男性73名・女性39名)

    相談・通報制度「Your Voice」導入状況:2012年運用開始

    Top Employer認定:Yes

    人権影響調査実施時期:2018年9月

    評価を受けての行動計画策定:2018年11月

    主な評価結果

    人権カテゴリー:労働安全衛生
    気づき:販売ルートや販売目標を策定する際に、メキシコ国内の治安に関する重大な懸念を今後も考慮する必要がある。販売委託業者の従業員数が拡大する中、委託先の労働者に対する、セキュリティと安全についての適切な研修を提供する必要がある。

    実施済みの対応:委託販売業者の従業員向けのオンライン研修サイトを立ち上げ、スマートフォンで情報にすぐアクセスできるようにしました。この取り組み以前に、すでに人権デュー・ディリジェンスの実施や販売ルートの調整を行い、セキュリティに関する適切な規定を整備しています。このオンライン研修サイトは、販売スタッフに対する研修の一環であり、JTグループ製品の販売を担う人々を危険から保護するために必要なセキュリティ施策として実施されています。

  • ミャンマー(2018年)

    ミャンマー(2018年)

    海外たばこ事業

    オペレーション領域:工場、事務部門、販売・流通

    従業員数:227名(男性160名・女性67名)

    相談・通報制度「Your Voice」導入状況:2014年運用開始

    Top Employer認定:No

    人権影響調査実施時期:2018年11月

    評価を受けての行動計画策定:2019年1月

    主な評価結果

    人権カテゴリー:労働者の権利
    気づき:契約労働者には契約書および給与明細書が手交されているが、これらの書類が現地語で書かれていない。

    実施済みの対応:契約労働者の契約書と給与明細書をすべてミャンマー語に翻訳しました。 現 在「Your Voice」のキャンペーンポスターと「Your Guide to Making Ethical Decisions(倫理的な決定をするためのガイド)」は英語とミャンマー語の両方に対応しています。

  • タイ(2019年)

    タイ(2019年)

    加工食品事業

    オペレーション領域:工場、事務部門

    従業員数:457名(男性259名・女性198名)

    相談・通報制度導入状況:相談・通報窓口設置済み

    人権影響調査実施時期:2019年1~6月

    評価を受けての行動計画策定:2019年9月

    主な評価結果

    人権カテゴリー:労働安全衛生
    気づき:高温環境下で、従業員全員が適切な個人用保護具を身に着けている状況にない。

    今後の対応:専門家に依頼し、既存の 環境・労働安全衛生評価 の改善を図ります。また、個人用保護具の着用により自分自身を守ることの重要性を正しく理解できるよう従業員に研修を行います。

アフリカ・中東

  • エジプト(2019年)

    エジプト(2019年)

    海外たばこ事業

    オペレーション領域:工場、事務部門、販売・流通

    従業員数:864名(男性828名・女性36名)

    相談・通報制度「Your Voice」導入状況:2014年運用開始

    Top Employer認定:Yes

    人権影響調査実施時期:2019年10月

    評価を受けての行動計画策定:2020年1月

    主な評価結果

    人権カテゴリー:差別の禁止
    気づき:女性を尊重する職場環境にある海外たばこ事業の他事業所に比べ、職場の多様性が比較的低位にある。

    今後の対応:すべての部門で女性の採用を積極的に増やし、女性の機会均等の向上を図ります。海外たばこ事業が掲げるジェンダー平等に則り、安全な職場づくりを進め、チームに女性が入るように図り、女性の意見も積極的に取り入れ、意識向上を図ることで、さまざまな職種や職位における女性の活躍を推進します。

  • エチオピア(2019年)

    エチオピア(2019年)

    海外たばこ事業

    オペレーション領域:葉たばこ調達、工場、事務部門、販売・流通

    従業員数:809名(男性549名・女性260名)

    ALP導入状況:現在導入準備中

    ARISE導入状況:現在導入準備中

    相談・通報制度「Your Voice」導入状況:2019年運用開始

    Top Employer認定:No

    人権影響調査実施時期:2019年7月

    評価を受けての行動計画策定:2019年10月

    主な評価結果

    人権カテゴリー:差別の禁止
    気づき:ハラスメントや女性差別と思われる事例が発生しており、女性の権利と健康が高いリスクにさらされている。

    今後の対応:社内アセスメントを行い状況をよりよく把握し、意識向上のための研修プログラムを実施するとともにジェンダー平等の方針を策定し、女性の成長支援、能力開発、サポートのための女性組織を立ち上げることで、男女にかかわらず公正な労働環境と機会を提供します。

  • マラウイ(2019年)

    マラウイ(2019年)

    海外たばこ事業

    オペレーション領域:葉たばこ調達

    従業員数:310名(男性229名・女性81名)

    ALP導入状況:2014年導入

    ARISE導入状況:2012年導入

    相談・通報制度「Your Voice」導入状況:2014年運用開始

    Top Employer認定:Yes

    人権影響調査実施時期:2019年6月

    評価を受けての行動計画策定:2019年9月

    主な評価結果

    人権カテゴリー:労働者に対する搾取
    小作農業という制度は、自作農家や地主による小作農家やその家族の搾取につながり、さまざまな人権への負の影響をもたらすおそれがある。

    実施済みの対応:JTグループのグローバルな葉たばこサプライチェーン全体で、積極的にサプライチェーン・デュー・ディリジェンスを実施しました。マラウイでは2018年に実施しています。労働者に対する搾取が起こらないようにするための予防策として、2021年3月までに小作農業による葉たばこ耕作から脱却するようマラウイの農家に働きかけることを2019年に決定しました。小作農家を抱える大規模商業農家はすべて、小作農家を従業員とする雇用契約を2020年に結ぶこととなっています。

  • タンザニア(2018年)

    タンザニア(2018年)

    海外たばこ事業

    オペレーション領域:葉たばこ調達、工場、事務部門、販売・流通

    従業員数:560名(男性464名・女性96名)

    ALP導入状況:2015年導入

    ARISE導入状況:2016年導入

    相談・通報制度「Your Voice」導入状況:2008年運用開始

    Top Employer認定:Yes

    人権影響調査実施時期:2018年2月

    評価を受けての行動計画策定:2018年5月

    主な評価結果

    人権カテゴリー:相談・通報制度へのアクセス
    「Your Voice」という相談・通報制度の効果全般を高めるために、この制度に対する認知をもっと高めるべき。

    実施済みの対応:全従業員を対象に、2018年5月に「Your Voice」についてのキャンペーンを再度実施しました。啓発資料や研修プログラムを、現地語であるスワヒリ語に翻訳しました。掲示板やチラシ、紹介イベントや現地トップからのメッセージ発信により、「Your Voice」や行動規範の周知活動を行いました。JTグループでは懸念を感じた際は声を上げてもらうためのグローバルな取り組みを続けていますが、今後も各国で相談・通報制度の認知向上キャンペーンを展開していきます。

  • ジンバブエ(2019年)

    ジンバブエ(2019年)

    海外たばこ事業

    オペレーション領域:葉たばこ調達(JTグループ外の農家などサプライヤー)

    従業員数:0名

    人権デュー・ディリジェンス実施状況:業界に呼びかけ、人権デュー・ディリジェンスの仕組みを構築中

    葉たばこディーラーとの人権ワークショップ実施時期:2019年1月

    主な評価結果

    人権カテゴリー:労働安全衛生
    気づき:葉たばこ農家で働く労働者が毒性のある物質に曝露するおそれがある。

    サプライヤーによる今後の対応:2021年末までに、JTグループのグローバルな葉たばこサプライチェーンでは、WHOが「非常に有害な農薬(クラス1)」と分類する農薬の使用を撤廃します。また、すべてのサプライヤーが人権方針を策定することとしています。詳しくは後述の「サプライチェーンから『非常に有害な農薬(クラス1)』の使用を撤廃する」をご覧ください。

ケーススタディ

・葉たばこディーラーへの影響力を行使する

「ビジネスと人権に関する国連指導原則(UNGP)」は次のように謳っています。

指導原則13(b):
人権を尊重する責任は、たとえその影響を助長していない場合であっても、取引関係によって企業の事業、製品、またはサービスと直接的につながっている人権への負の影響を防止または軽減するように努めることを企業に求める。

指導原則19(b)(ii):
人権への負の影響を防止し、また軽減するために、企業はその影響評価の結論を、関連する全社内部門およびプロセスに組み入れ、適切な措置を取るべきである。適切な措置は、負の影響に対処する際の企業の影響力の範囲によってさまざまである。

UNGPに則り、JTグループは2016年から大手葉たばこディーラーに対し、ALPに基づいた報告の提出を求めています。こうした報告を通じ、ジンバブエでは農薬管理について問題があることを把握することができました。個人用保護具の提供にとどまらず、よりよい解決法を模索する中で、毒性の高い農薬への対応に着手することとなりました。

2018年5月、JTグループは国連人権高等弁務官事務所から一通のレターを受領しました。このレターは、児童労働や労働安全衛生上の問題、労働者の権利侵害などの人権侵害がジンバブエの葉たばこ耕作で起こっていると指摘するものでした。

ジンバブエにおいて、JTグループは自社としての事業活動を行っていません。しかしジンバブエ産葉たばこを葉たばこディーラー(グループ外のサプライヤー)を通じて購入しているため、「取引関係によってつながっている」と言うことができます。これはつまり、人権侵害発生を防止するため、葉たばこディーラーへの影響力を行使する必要が私たちにはあることを意味しています。そこで、Alliance One International, Inc.、Premium Tobacco International DMCC、Universal Leaf Tobacco Company, Inc.、CONTRAF-NICOTEX-TOBACCO GmbHなど、大手葉たばこディーラー数社に協力を求め、これらの葉たばこディーラーがUNGPに則った事業活動を行い、ジンバブエだけでなく世界中で必要に応じて事業慣行を改めるよう働きかけを行いました。

すべてのサプライヤーはこれを積極的に受け入れ、以下を実施することを確約しています。

  • 2021年末までに、WHOが「非常に有害な農薬(クラス1)」と分類する農薬の使用を撤廃する

  • 組織の最高意思決定機関の承認を受けた人権方針を策定し、公開する

  • 業界横断的な相談・通報制度を立ち上げる

  • 最も深刻な人権侵害を引き起こすおそれがあり、最も発生可能性が高い6つの主要課題(労働者の有毒物質への曝露、土地の権利、児童労働、女性差別、結社の自由、環境への悪影響)に優先的に取り組む

またジンバブエ労働省、たばこ産業販売管理局、たばこ研究局、農業とたばこに関する国家雇用協議会とも、オープンな対話を持ちました。

葉たばこディーラーが確約事項を実行しているかをモニタリングし、今後も協働しつつ、影響を受ける人々にとってできる限り最善の結果が生み出せるよう努力してまいります。

・サプライチェーンから「非常に有害な農薬(クラス1)」の使用を撤廃する

JTグループは、2021年末までに自社の葉たばこサプライチェーンから、WHOが「非常に有害な農薬(クラス1)」と分類する毒性の高い農薬(HHPs)の使用を段階的に撤廃することを目指しています。クラス1のHHPsとは、WHOの「ハザードによる農薬の分類」でクラス1aおよび1bと分類された農薬です。

JTグループの葉たばこディーラーは、葉たばこ耕作用として今なお登録され、推奨され、あるいは実際に使用されているクラス1のHHPsがあるかどうかを見極めるため、国ごとに評価を行うことを確約しています。また、利用可能な代替品も見つけるようにし、その際はバイオ農薬を優先することとしています。特に、クラス1に分類されるHHPsのピレスロイド系殺虫剤については、いくつかの国でまだ法的に使用が認められていますが、完全に使用を撤廃します。

ガバナンスとステークホルダーエンゲージメント(SHE)

JTグループの事業活動はグローバルかつ広範囲にわたるため、適切なガバナンス体制を整えることは必須です。組織全体に人権尊重の考えを根付かせることが重要だと考えています。専任の人権チームが、人権に関する社内の意識向上とよりよいエンゲージメントに向けての取り組みを推進しています。海外たばこ事業では、Business Ethics Committee(企業倫理委員会)も重要な役割を果たしています。この委員会は、権利保有者の懸念に耳を傾け、効果的に対処するためのガバナンスを担う組織です。

効果的な人権デュー・ディリジェンスを行うには、人権影響評価と、その結果に対して責任を持って対応するための効果的なガバナンス体制を結び付けることが重要です。このガバナンス体制の中心として、2018年に人権担当者ネットワークを立ち上げました。このネットワークは、人権影響評価を行った国の従業員で構成され、人権に関する指針やベストプラクティスが円滑に共有されるようにしています。

ステークホルダーの権利を推進するためには、外部からの助言や懸念、批判に耳を傾けることが大切です。そのため私たちは、社外の人権専門家により構成されたアドバイザリーボードに継続して助言を求めています。

外部とのエンゲージメントを強化するため、BSR(Business for Social Responsibility)、Mazars、EY新日本有限責任監査法人、およびKPMGあずさサステナビリティ株式会社とも協働しており、現在行っている人権デュー・ディリジェンスをはじめとした人権への取り組み全般についての専門的な支援を受けています。

社外の人権専門家により構成されたアドバイザリーボード(*E)

社外の人権専門家により構成されたアドバイザリーボードは、人権について外部からの幅広い視点を得るため重要な役割を果たしています。ビジネスと人権に関する国際的な専門家から構成され、JTグループが人権尊重の取り組みを行う上で重要だと思われるすべての課題について助言を与えています。このアドバイザリーボードは、その専門知識で私たちを導き、改善の必要があると感じた点については指摘をし、JTグループ人権方針で謳ったコミットメントを実現する努力を後押ししています。

2019年には、アドバイザリーボードの専門家による助言をもとに、人権デュー・ディリジェンスの方法にいくつか重要な変更を加えました。特に重要な変更としては以下が挙げられます。

  • 優先順位付けの指標に「顕著な人権課題」という視点を加える必要があるとのアドバイザリーボードの指摘を踏まえ、人権デュー・ディリジェンス実施国の優先順位付けを行うためのマトリクスを改訂

  • より多くの国で人権影響評価を行うため、効果的な自己評価質問票による調査を新たに展開

  • 行動計画の効果を高めるため、Corporate Affairs(渉外)やHuman Resources(人事)ではなく、中核事業部門の中から人権担当者を任命

アドバイザリーボードのメンバー(一部):

  • Paul Bowden (Professor of Law, The Nottingham Law School)

  • Donna L. Westerman (Sustainable Purchasing Leadership Council )

  • Rona Starr (Association for Professional Social Compliance Auditors)

  • Jonathan Drimmer (Paul Hastings)

  • Richard Karmel (Mazars)

JTグループの人権関連プログラム

人権課題に対処するため、各国の現地事業所は自ら行動計画を策定し、それぞれの課題に対する是正措置を講じています。また、JTグループ全体で一貫した取り組みを行うため、グローバルなプログラムも策定しています。詳しくは以下をご覧ください。

英国現代奴隷法

英国で施行された英国現代奴隷法(UK Modern Slavery Act 2015)に基づき、JTグループ英国子会社(JTI UK)では2017年から毎年ステートメントを開示しています。

社外からの評価

JTグループは、Global Child ForumがBoston Consulting Groupと共同で行った最新の調査の中で、「Leader」ランクという高い評価を受けました。このベンチマークレポートは、世界の最大手企業約700社について、各社がバリューチェーンの中で児童の権利をどのように保護しているかを分析したものです。

この調査では、サプライチェーンの中で児童の権利を保護するためにJTグループが行ってきた具体的な取り組み、特に独自の児童労働撲滅プログラムであるARISEによる取り組みが評価されました。

今後の取り組み

人権尊重を推進する活動を今後も進化させ、事業活動および事業展開国の経済や政治状況の変化に対応していきます。人権リスクは時間とともに変化するため、人権デュー・ディリジェンスについては、継続的に取り組みの見直しを行う予定です。私たちはこれからも、喫緊の課題に対処するとともに、特定した優先分野に注力して人権尊重に取り組んでいきます。

最も人権リスクの高い国でのアセスメントを優先的に行うため、2020年もリスク基準に照らして優先順位をつけていきます。今後は、毎年少なくとも6つの国で、実際のあるいは潜在的な人権リスクの評価を行い、引き続き事業の中に人権尊重の考えを根付かせていきます。

国内では、人権影響評価の結果に基づいて策定した行動計画の進捗をモニタリングし、確実な実行につなげていきます。2019年4月に出入国管理法が改正されたことを受け、日本全体で外国人労働者の受け入れが進むことが予測されることから、今後も社会的に脆弱な立場の外国人労働者には特に注意を払っていく予定です。

JTグループは2020年から、サプライチェーン管理システムを強化します。この新システムは、JTグループサプライヤー行動規範の改訂を受けたもので、JTグループ人権方針およびUNGPに則ったものとなります。

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