JTグループ環境長期計画

JTグループでは、「JTグループ環境憲章」を具体化するため、2020年に向けた環境長期計画を2014年に策定しました。
この計画では、次の4領域を重点分野として中長期にわたる改善目標と取り組みをまとめています。

  • 温室効果ガスの排出量削減による地球温暖化防止

  • 持続可能な水の利用を通じた水資源保全

  • 持続可能な生物資源の利用を通じた生物多様性保全

  • 資源の有効活用による資源循環

この環境長期計画により、JTグループ全体(海外たばこ事業、国内たばこ事業、医薬事業、加工食品事業のすべての子会社を含む)での環境負荷低減への取り組みを強化していきます。

地球温暖化防止

気候変動は今日の世界が直面する最大の環境問題の一つです。ビジネスの観点からは、気候変動は特に葉たばこを中心した基幹原料の供給を脅かすだけでなく、JTグループのサプライチェーンにおける多くの材料品の製造にも悪影響を与えるおそれがあります。そのため、化石燃料の使用や温室効果ガス排出量の削減に取り組むことは、JTグループにとってメリットがあると考えています。

温室効果ガス排出量の削減目標

JTグループ環境長期計画では、2020年に向けた温室効果ガス排出量の削減目標を設定しています。

  • 2020年までに、JTグループの温室効果ガス排出量(スコープ1と2)を、対 2009年比で20%削減する。

2017年度の温室効果ガス排出量は2009年度の88万トンに対して21.2%減となる69万トンとなり、2020年迄の目標を3年前倒しして達成しました。

温室効果ガス排出量
  • 2020年までに、たばこ100万本当たりの温室効果ガス排出量(スコープ1と2)を、対2009年比で20%削減する。

  • JTグループのバリューチェーン全体の温室効果ガス排出量の継続的把握を通じ、効果的な削減策を策定する。

温室効果ガス排出量実績

JTグループの温室効果ガス排出量(スコープ1と2)実績は以下のグラフの通りです。
2016年には、スコープ1とスコープ2の排出量の合計を、2016年比で3.3%削減しました。これは主に各事業所における省エネ対策と、再生可能エネルギーへの転換を進めたことによるものです。

温室効果ガス排出量実績
温室効果ガス排出量実績
バリューチェーン全体の温室効果ガス排出量を把握

JTグループでは、使用した燃料からの温室効果ガスの直接排出量(スコープ1)と購入した電力などからの間接的な排出量(スコープ 2)に加え、2011年からはJTグループのバリューチェーン全体からの温室効果ガス排出量(スコープ3)への取り組みも開始しています。2015年には、葉たばこ調達におけるライフサイクルデータの収集方法を改善し、JTグループが大きな影響力を行使することができる葉たばこの耕作と供給によって生じる温室効果ガスの排出量をより正確に把握できるようになりました。これを基に、効率の良い肥料の配合、燃料消費を削減できる乾燥技術の導入、植林の実施やライブ・バーンの設置など、温室効果ガス削減を推進する主要な取り組みに注力できるようになりました。

JTグループ全体のバリューチェーンの領域ごとの温室効果ガス排出量割合

水資源保全

JTグループでは、事業所の取水量と排水量実績を記録するとともに、CDPの枠組も考慮に入れた取り組みを行っています。また、2016年に、水リスクのパイロット評価を完了しました。このパイロットを通じて、社内でも水リスクに対する認識が高まっており、今後水に関する課題に取り組むための基盤となっています。今後数年かけて、水リスクの評価をグループ内で展開していく予定です。

取水量実績

2017年は、買収や算定方法の見直しにより、全体の取水量が2015年比で1%増加しましたが、比較可能ベースでは、取水量は前年に比べて微減しています。水に関わるデータの算定方法を国際基準に合わせることで、事業活動で使用する水の使用量や水源を詳しく把握することができるようになりました。

取水量実績

資源循環

JTグループ環境長期計画では、「Reduce(排出抑制)、Reuse(再使用)、Recycle(再資源化)」の継続的推進を通じた廃棄物削減を重点課題としています。廃棄物削減の取り組みを通じて、資源を保全し、環境負荷を低減し、廃棄にかかる費用を削減します。

廃棄物発生量実績

JTグループの2016年の廃棄物発生量は前年より4%減少しました。2009年度に比べると21%減少しています。

廃棄物発生量実績

生物多様性の保全

事業エリアにおける生物多様性の責任ある保全は、環境を保護するとともに、JTグループが事業活動を長期的に維持・継続するうえで必要不可欠です。
社内の管理プロセスや意思決定の中で生物多様性の保全を考慮することは、JTグループにとって重要だと考えています。そのために、生物多様性や自然資源への依存や影響の度合いを評価し、それらを私たちがどのように活用し、管理しているかを理解することが必要です。これらを踏まえ、農業生産工程管理の導入や土壌管理の推進、持続可能な森林・水資源の利用や自然林の再生等に関する適正な施策を展開しています。

2017年には、ブラジルで自然再生プロジェクトが始まりました。これはブラジルの国家社会経済開発銀行(National Bank for Social Economic Development)によって承認された、「野生生物研究と環境教育協会(Society for Wildlife Research and Environmental Education)」との協働プロジェクトです。今後5年間にわたり、JTグループと直接契約する葉たばこ農家が所在する永久保護地区、及び国立森林保護区であるフローナ・ディラチ(Flona de Irati)の335ヘクタールを復元していきます。なお、国立森林保護区では既に苗木の植樹が始まっています。このプロジェクトは、ブラジルの環境保全に貢献するだけでなく、JTグループの生物多様性保全の取り組みを強化することにもつながり、葉たばこ農家のコミュニティにも好影響を及ぼします。

ザンビアでは、ミオンボ森林地帯の持続可能な管理に関するプロジェクトを展開しています。このプロジェクトでは、樹木の保護、森林地帯の回復、それら資源を持続可能な形で活用することによる地域コミュニティの活性化などに取り組んでいます。2017年に第1フェーズが終了し、基礎調査、地元コミュニティや地元当局との対話、持続可能な養蜂・効率的な家庭用調理コンロの使用・土地管理の改善に関する研修などを実施しました。

JTグループは、国際的な研究機関やNGOと連携することなどにより、契約農家の生産性向上や生産コストの削減を目的とした取り組みを実施しています。ブラジルとザンビアにあるJTグループのADETセンター(Agronomy, Development, Extension and Training Center)では、契約農家の長期的な収益向上に向けた研究に取り組んでいます。数年前より、契約農家向けに手順書を作成し、生物多様性の状況をモニタリングする手段を提供しました。これにより契約農家は、在来植物、水、土壌、動物、気候に則した形で、環境保全に向けたアクションプランを実施することが出来るようになります。